劇場公開日 2021年12月24日

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「【”パパが女性になっても、ずっと私たちのパパなんだ!”娘達の戸惑いと、パパが性が変われど、彼女達を深く愛する姿が印象的な作品。性転換者を普通に受け入れるデンマークの人々の姿が、印象的な作品でもある。】」パーフェクト・ノーマル・ファミリー NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【”パパが女性になっても、ずっと私たちのパパなんだ!”娘達の戸惑いと、パパが性が変われど、彼女達を深く愛する姿が印象的な作品。性転換者を普通に受け入れるデンマークの人々の姿が、印象的な作品でもある。】

2022年7月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

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ー 冒頭、長女カロリーネ(リーモア・ランチ)と二女エマ(カヤ・トフト・ローホルト)の幼き頃の姿を、父トマス(ミケル・ポー・フルスゴー)が、ホームビデオで撮影した、映像が流される。
  そして、今作では劇中、屡、彼女達が健やかに成長していく姿を映したホームビデオの映像が効果的に使われるのである。ー

■女性として生きたい、とトマスは長女カロリーネの堅信式が近づいてきた時に妻ヘレに告げる。そして、昼食の際にヘレは、娘達に夫と離婚する事を告げる。
 驚きつつも、カロリーネは父に理解を示すが、エマは猛反発する。
 父に教えられたサッカーに熱中していた学校生活も、味気ないモノとなっていく・・。

◆感想<Caution やや、内容に触れています。>

・突然の父の告白に、エマの戸惑いと哀しみと父に対する怒り。
ー カヤ・トフト・ローホルト演じるエマが、それを見事に演じている。ー

・少し驚いたのは、トランスジェンダーをテーマにした映画の多くは、それを受け入れない社会とのギャップに悩む主人公を描くパターンが多いが、今作はデンマークのエマの周囲の人々が、それを比較的普通に受け入れようとする姿である。

・父トマスはタイで性転換手術を受け、名前もアウネーテと変える。
そして、迎えた長女カロリーネの堅信式の際にも、女性の姿で普通に親類たちと娘の成長を喜ぶ姿。誰も、父を責めたりしない。一人、仏頂面なのは、エマのみである。
ー 文化度の違いなのであろうか・・。ー

<今作は、女性監督マルー・ライマンの実体験に基づくという。
 成程。
 それで、あの父が映したホームビデオを効果的に使う事が出来たのだね。
 少しだけ、ふくだももこ監督の「おいしい家族」を思い出した、新しい家族の姿を描き出した作品である。>

<2022年7月23日 刈谷日劇にて鑑賞>

NOBU