「見応え充分。だけどちょっと惜しい。」さがす ONIさんの映画レビュー(感想・評価)
見応え充分。だけどちょっと惜しい。
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見応え充分なオリジナルストーリー。犯罪を、というよりも、犯罪がヒューマンドラマになる方向に追い詰めていくという感じ。去年の吉田恵輔『空白』石井裕也『茜色に焼かれる』枠のドラマでしょうか。ほんと日本の貧困とどんずまり社会映画祭とかできそうな勢いである。
で、本作はそれらに比べても手が混んでいる。プロットが。
佐藤二郎が言われてるほどいいとは思わなかったけど、カナヅチもったあの顔だけはよかった。ただ、なーるほど、という時間の遡りで設定がびっくり変わる快感はそんなにない。どっちかというとパルプフィクション方向の視点の切り替え程度なんだけどこの手の犯罪ものには向いてないのかも。一番肝心な「妻」の話が突然で、しかもあっという間なので消化不良。親子というネタでいったら妻と子供と妻の痕跡は冒頭からあってよかったのでは、というか冒頭が万引きネタなのはもったいなくはないか、とか。
ただテーマ的に現代の殺人事件の二つの局面をうまく絡めたネタであったと思うので、ちょっと惜しい、と思った。
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