劇場公開日 2022年4月8日

  • 予告編を見る

「清玄派」シネマ歌舞伎 桜姫東文章 上の巻 ぷにゃぷにゃさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0清玄派

2022年4月21日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

「桜姫東文章」を、木原敏江が「花の名の姫君」という漫画にしている。これが素晴らしく、舞台の難しい言葉や、古めかしい言い回しをなくし、でも原作に忠実に、かつ現代人にも共感できるように描いている。ナイスな参考書だった。木原先生、ありがとうございます。いい仕事でございます。

ということで、筋は頭に入っていた。「恋の因果を描いた、歌舞伎史上最もスキャンダラスでドラマティックな物語」と、公式サイトでうたわれているように、けっこう衝撃的でエロい。とにかく主人公の姫がはっちゃけてる。夜中に男に襲われたら、普通トラウマでしょう。それが、逆に快楽と好意を覚えるって…舞台上で帯をほどいた姿というのも…もう、どんだけー。この芝居を観た江戸時代の女子は、キワどいシーンにキャーキャー言ったんじゃないだろうか。清玄派か、権助派か、なんて騒いで盛り上がってたかも。

前世の因縁、お家の復興、かたき討ち、などの歌舞伎定番ネタも盛り込まれ、男に翻弄されながらも生き抜いていく桜姫。美しくもたくましい。後編では、お姫様姿から180度違う姿も見られると思うので、楽しみ。

ぷにゃぷにゃ