パーフェクト・ケアのレビュー・感想・評価
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介護に関わる人が善人とは限らない
介護にしても看護にしても、それに関わる仕事についているのがいい人とは限らない。本作に登場するマーラがまさにそう。金儲けのために介護を利用するのはいいとしても違法なやり方はいただけない。
マーラのあくどいやり方と、ターゲットにされたジェニファーがそれにどう対抗していくのかという導入だったのだが、途中からそれが徐々に変化していく。気づいたらその対決にドキドキハラハラしながらどんな決着が待っていのか目が離せなくなってしまった。
正直、マーラがどんなやられ方をするのか待ち構えていたところもある。マーラという悪人がどのように懲らしめられるのかと。でもそんなに単純にはならないよな。彼女の育った背景や、物怖じしない態度の裏にある経験の数々を匂わされる中、マーラのことを憎む気持ちが薄れていくのを感じた。
だから最後の決着がスッキリするわけもなく、モヤモヤした気持ちが残った。うーむ、巧妙な脚本だ。現代社会でありそうな犯罪を描きつつ、面白いサスペンスに仕上がっていたと思う。
演技力に脱帽
ハリウッド映画の悪い癖が出て、後味が悪い
劇薬映画!
観賞後のこと。満席の劇場で
クレジットの最中に、近くの女性客が隣のオジサンと揉めていて、「さっさと帰れ!クソジジイ!」と叫んだ。
と、思うと前方の席では、初老のオジサンが「頭を蹴りやがって!表にでろ!コラ!」と後ろの若い客に掴みかかり、騒然とする。
2件も、揉め事が。
劇場ではじめての体験でかなりびっくりしたが、
初老の男性客が潜在的にフラストレーションを溜め込むのも、女性客が大胆に叫ぶのも、この映画の後なら、と妙に納得した。
観る人にとってはずっと神経を逆撫でされる映画だし、
観る人には、ずっと耳元で悪魔にけしかけられるような映画だ。
全編に止まずに流れる大音量のテクノ音楽が神経を痺れさせて、理性をストップさせる効果があるのかも。
でもって、
とにかく、ロザムンドパイクに惹きつけられた。
どぎつい原色の衣装が似合うこと。タイトなスーツが似合うこと。
(びしょ濡れで着替えた赤いトレーナーも良かったけど)
それからカメラアングルとのパーフェクトな演技の振り付け。(歩くだけでもかっこいい!カメラに対して顔の絶妙な角度!どのショットもキマってる)ジムのライティングもかっこいい!
音楽、役者、カメラがとにかくクール
さいごに
とにかく女性が強く光って描かれてるが、マーラとのマウントを取り合う、施設に軟禁される老婆役ダイアン・ウィーストの嵐の到来を告げる静かな演技、最高に良かった。
【アメリカ高齢者を捕食する黒い後見人の物語かと思いきや、左斜め上を行くストーリー展開に引き込まれる。爽やかな笑顔を浮かべつつ、腹黒いど根性女を演じたロザムンド・パイクの魅力全開作である。】
ー ロザムンド・パイクと言えば、代表作「ゴーン・ガール」エイミーの姿が脳裏に浮かぶ。弱い女と思わせつつ、実は狡猾に男を締めあげる恐ろしい妻の姿である。
今作の主人公マーラ(ロザムンド・パイク)にも似たテイストを感じる。爽やかな笑顔を被後見人に見せつつ、
”この国で成功するには、勇敢で愚かで残酷でないと駄目。フェアプレーをしていては何もできない!”
と、レズビアンのパートナー、フラン(エイザ・ゴンザレス)に高らかに告げる姿。
そして、彼女は高齢者施設の院長、医者とつるんで、判断能力の衰えた哀れな老人を探し、看護と称し、施設にぶち込み、財産管理と称して財産を搾取する腹黒い後見人として地位を築いていた・・。-
◆感想
・序盤は、マーラとフランが高齢者施設の院長、女医と結託して、黒いビジネスを展開する様が、コミカル要素を絡めつつ描かれる。
真っ白い歯、爽やかな笑顔を高級な衣装を身に纏いながら、マーラの”事業”は着実だ。
- ロザムンド・パイクの爽やかな笑顔程、怖いものは無い・・。-
・捕食者として、選んだ資産家の天涯孤独”だった筈の”ジェニファー(ダイアン・イースト)をいつもの手順で、施設にぶち込み、家探しして彼女の銀行貸金庫の鍵を手に入れ、家財一式売り払い、家も売り出す、マーラの姿。
- 正に、黒い後見人である。脚本と監督を務めたJ・ブレイクソンによると、この物語は実際の法定後見人による搾取事件からアイディアを得たというから、他にも沢山いるんだろうなあ、マーラみたいのが・・。-
■で、ここから物語の面白さは、倍加する。
・ジェニファーの”友人”が現れ、あの手、この手でマーラに揺さぶりをかけてくる。弁護士を送り込んで、金で抱き込もうとしたり、法廷闘争に持ち込むも、マーラに一蹴されて・・。
- ”友人”が表向きには企業経営者の顔を持ちながら、裏ではロシアンマフィアと繋がっていたり、ジェニファーも実は、戸籍から全て作り変えてあった別人だったと分かるシーン。
だが、それでもど根性女、マーラは屈しない。母親を殺すと言われても”あんな毒親、殺しな!”と平然と応じる姿。マーラの生き方の理由が垣間見えたシーンである。ー
・女医が殺され、フランも襲われ、到頭、マーラも捕まり・・。
- 椅子に縛られたマーラの胆の据わりっぷりが凄い。そして、車もろとも、湖に落とされるも、必死に這い上がり、夜の道をびしょ濡れで歩き、ようやく見つけた店でセンスのないジャージと食料を買う姿。あれが、マーラの”素”の姿であろう。ー
<マーラの、ロシアンマフィア達への反撃は、観ていて爽快でもある。
表向きは真面な人間を装った、似た者同士の”悪”VS"悪”
スリリングな展開を見せる後半と、ロシアンマフィアがマーラの肝っ玉の太さを見込んでの”悪“同士の結託。
そして、鮮やかな”搾取されてきた者”からの強烈な一撃が描かれる、ラスト。
ストーリー展開の秀逸さとともに、ロザムンド・パイクの怪演が印象的な、見事な作品である。>
嫌いな主人公にひかれる
怖い怖い。
出てくる奴らが、全員悪人。
誰にも感情移入できないどころか、その中でも一番の極悪人である主人公に対して、殺意に近い嫌悪感を抱いたまま、長い上映時間もあっという間にラストまで。
ここまで嫌いなキャラを作り上げた手腕と、客を引き込む脚本に唸ったわぁ。
ラストも納得。
ただ、実際のアメリカの介護法については分からないため、リアリティの度合いはよくわかりませんが。
劇場では3週間限定で少数館だけの公開のようですが、配信も同時に始まっています。
他人への無関心と身内への愛情とのひどいギャップ
今年一番のピカレスクロマン
いやーもう大変。やばくて強靭な女を演じさせたらロザムンド・パイクの右に出る女優はいないね。金持ち老人から合法的に財産を奪取する主人公のマーラに共感できる余地は全くないんだけど、とんでもないタフさに脱帽。
「私は雌ライオン」っていうマーラが勝ち残って欲しいという気持ちと、このゲス女の憐れな末路を見たい気持ちが拮抗して、一瞬たりとも目が離せない。ロシアンマフィア役のピーター・ディンクレイジとの見た目の凸凹感が一瞬、緊張を緩和させるんだけど、シビアな駆け引きですぐにタイトに戻ってしまう。
ブリトニー・スピアーズの件で、後見人制度の問題点が浮き上がっていたが、悪用されるとやばいよねこの制度。日本でも気をつけてないと、オレオレ詐欺の奴らがこっちの方で悪巧みしないとも限らない。
とにかくワクワク、ゾクゾクする今年一番のピカレスクロマンでございました。
やっぱ悪は滅ばなきゃ
恐ろしいほどの壮快感としっかりしたオチ
起承転結がいいバランス
ストーリーの8割ぐらいはムカムカする。老人を食い物にする胸糞悪い始まり。えーこのクソ女をのさばらせるの?!
ラストまさに天誅!
正義とは。
いやー面白かった。
誰一人いい人がいなくて、誰の味方になるべき?
殺し殺され、けど、生きて生かされて。
これ終わんないじゃん、と思ったらそうきたか。
笑えた。
そこからのサスセスストーリーに、本当の終幕。
いや〜。
見応え充分ですな。
しかし役設定39歳?
すごくない?あんなバイタリティ溢れてるものなの。
悪人VS悪人
大きく分けて2つの陣営がある。一方は女中心のグループで、悪徳医者、密売人と繋がった宝石商、後見人ビジネスで老人相手に搾取する介護業者。もう一方は男中心のグループで、小男のボスを中心とした、麻薬取引に手を染めるロシアンマフィア。この二つの陣営がジェニファーという老女を取り合い抗争をする。どっちも金が主たる行動原理で、どちらにも分かりやすい正義がない。あえて男女を分かりやすく分けたことで、性差がそのまま共感の違いに繋がるのだろうか。特に悪を許せるようなコメディもない。悪人同士が喧嘩しあって、結局見えるところでどちらかが勝てば胸糞悪くなるから、バランスとったエンディングに持っていくことになる。最後の30分はチープなスパイ映画みたいに、駆け足でその帳尻合わせを行うことになった。最後は伏線回収して、まあそうだよね。観賞後、なぜか怒りを覚えた映画。ほんと救いようがない。
全 員 悪 人
【I Care A Lot/アニマルスピリッツ】
「I Care A Lot」は、オリジナル・タイトルだ。
もう、いっぱいやってんのよ!って感じだろうか😁
この作品は、予想外に面白かった。
ロザムンド・パイク目当てってのもあったのだけれども、介護でどんなストーリーなのよ…みたいな軽い気持ちで行ったら、とんでもなかった😁
是非、どんな結末がと云うより、どんな結末だったら納得出来るのかを思案しながら観て欲しいように思う。
(以下ネタバレ)
この作品に出てくる登場人物は、ほぼ悪い奴らだ。というか主要な連中は、かなりの悪党だ😁
世の中の正義とか、介護とか、社会問題とかひとつも考えちゃいない。
常に第一にあるのは、自分のこと、金のこと。
アニマル・スピリッツだ。
今、メディアやSNSに、弱者を切り捨てるつもりはないと、事あるごとに一生懸命弁明している、竹中平蔵も、そんな奴だと思う😁
だから、この作品は、どんなエンディングだったら、自分は納得することが出来るだろうかと思案しながら観るべきだ。
そして、エンディング…。
あなたは、ご納得出来きましたか?
あなたが考えた、これが一番の落とし所でしたか?
どうでしたか?😁
僕は、これしかないなと思いました。
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