パーフェクト・ケアのレビュー・感想・評価
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ハリウッドのポリコレ基準に表現者はいかに立ち向かうのか?
クライムサスペンスは大好物なのだが、この作品は医師と結託して高齢者を無理やり介護施設にぶち込み資産を「合法的に」処分して奪い取るという超悪徳法廷後見人の話なのでこれっぽっちもシンパシーを感じる余地がない・・はずであったが・・・中盤から一転して応援したくなってしまうのだからわからないものである。主演のロザムンド・パイクは本作でゴールデン・グローブ賞の主演女優賞(何故にコメディ/ミュージカル部門?)を獲っているしハリウッドのポリコレ基準にここまで準拠して(女性極悪党・同性愛等々)作っているのだから賞狙いありきであろうことが透けて見えて純粋に楽しめない。ポストトランプの影響は大きいがここまで左に振り切るところがかつてレッドパージを経験したハリウッドのすごさでもある。個人的には好きでは無いがそのうち馴れるでしょう。要するに面白ければ問題は無~し♪
深い理由も暗い過去もなくお金が好きでもいいじゃない
序盤だけ、ちょっと辛い。高齢者が人生をかけて培った教養やセンスで選び、働いて稼いだお金で買いそろえた家具調度をたたき売るシーン、むごく感じる。自分がインテリアとか雑貨とか好きだから余計かも。家財オークションを見ている間はきっと眉間のシワがえらいことになってた。
別に主人公は義賊でもなんでもない悪党で、この映画は悪党と悪党のバトルなんだと了解できてからは快適な見心地。大金が必要な涙ぐましい事情やら、そういうのが一切ないのもこざっぱりして、かえって見やすい。
そこまでドライなさまが描かれるので、恋人が傷つけられたときに、悲痛な本当に切迫した表情になるのが際立ってた。エイザ・ゴンザレスかわいいし。
これは案外、フェミニズム映画だったのかもしれない。生き別れのわが子や病身の母親のためでなく、愛する彼女と面白おかしく暮らすために稼ぐ女がいてもいいじゃん。フィクションの世界なら男性には許されていること、女性が許されない理由はないはずだ。
余談で愚痴だけど、フジテレビでやってる「SUPER RICH」も、ここまで振り切れないにしろ、もうちょっと愛を傍流へ押しやって、女がすかっと生きるストーリーになってほしかったなあ。
「だって性に合わないんだもの」ってクールに運命を変えてみたい
「私は貧乏だった、でも性に合わなかった」
冒頭のマーラの語りから伝わる潔い性格に一瞬で惚れてしまう。
「生まれた境遇が性に合わないから」という理由でのし上がってきたのかい!とマーラの根性、既に只者ではないぞ感。
彼女は悪だけど、美学があるし、責任も心得ている。
一般人VS元マフィアの戦いと聞いて、絶対不利じゃん!って思うこと無かれ。
覚悟を決めた悪は強い。
家族と疎遠気味の高齢者を狙った後見人ならではの戦い方にはやはり美学を感じる。
敵を元マフィアにしてややヘタレのハンデを用意できる設定もずるい。
車からの脱出シーンは、マーラと一緒に息を止めてしまって酸欠になるとこでしたwそのくらい緊迫感あるシーン…
ここで終わったら嫌だなという気持ちを汲み取ってくれる二転三転の後半戦!
そして冒頭のセリフを全て回収するかのようなスマートなラスト!
彼女のやってることに対して肯定できない気持ちも救ってくれる。
悪党しか出てこないのにすっきり爽快気分になれる映画でした。
勧善懲悪?
ロザムンド・パイクと洗練された映像
飽きない展開で面白い!
マーラさんが悪すぎて、たくまし過ぎて、マフィアがんばれと思ってしまった笑 ラストはびっくりでした。が、悪い事するとそうなるよなーと妙に納得。 現実で、ある日突然施設に入れられたら…怖い。毎日脳トレしようと思った。
Toughness
[Alexandros]の川上洋平さんがコラムの方で絶賛されていたので気になり鑑賞。予告をたびたび見ていましたが、配信と同時に3週間限定で劇場公開というのでしっかり覚えていました。休日ということもあり中々の混み具合でした。
まずロザムンド・パイクが演じるマーラの物怖じしない態度が最高にイカれていました。人の死を悔やむわけもなくビジネスが成り立たないと愚痴を吐き捨てますし、新たなターゲットを問答無用で老人ホーム送りにするなど大胆不敵で容赦が一切なく、観客サイドの共感なんてクソ喰らえと思っていそうなくらいの良いキャラでした。ターゲットにされたジェニファーが可哀想だなと思う前に刑務所送りのように老人ホームへと追い出し、ジェニファー宅の家財を漁り、金庫を開け、豪遊するという暴れっぷりです。
ただジェニファーの後ろにはロシアンマフィアがいるという一転してピンチに陥りますが、あの手この手でピンチを切り抜け、咄嗟のアイデアで死の淵まで乗り切る始末です。それでもそんなマーラでも油断してとっ捕まえられて気絶させられ、車に乗せさせ、池に突っ込み、事故に見せかけられるというマフィアも悪者らしい事するなぁと感心してしまったくらいです。でもそんな大事故からも火事場の馬鹿力を発揮し、生き延びるというこの人はなんとタフなんだろう。カッコよすぎました。
その後マフィアに報復をうまいことしかけますが、基本的に相手を気絶させる手段がスタンガン一択なのは何回も使っていると飽きがきてしまいます。あとこれは両者に言えるのですが、殺す際のツメが甘すぎて基本的に生きてるというのもなんだかなぁという感じです。
そこから新ビジネスに繋げたマーラですが、冒頭に騙し切った女性の息子からの弾丸を受け死ぬという、バッドエンドでありながらも、これまでの行動を見てみれば天誅、仕方ないなと思ってしまいました。割とこの手の作品のオチとしては普通なものだなと思いました。
あとLGBTQを盛り込んでいる割には、ストーリーに活きていないように思えました。この御時世多くの映画にLGBTQの要素が入っていますが、しっかり考えた上で入れて欲しいなと思いました。
でもトータルして見ればとても楽しいサスペンスとコメディが融合した作品に仕上がっていました。黒い笑いが多いですが、マーラのテンションが上手いこと引っ張ってくれているので安心して身を任せることができました。配信の方でも見れるみたいなのでまた見てみようと思います。
鑑賞日 12/12
鑑賞時間 13:20〜15:25
座席 E-16
ロザムンド・パイク
タイトルなし(ネタバレ)
近場で公開されてなくて、遠出の鑑賞となったけど面白かった!
黒幕にゲーム・オブ・スローンズで知った小さいオジサンが出てきて、それも良かった。体は小さいけれど、彼の表情とか演技は好きだ。
さて、ストーリーを簡単に。
主人公マーラは老人介護の後見人の仕事を経営していて順調のようだ。パートナーのフランとよく行動している。マーラとフランは女性であるが恋愛関係にある。
マーラの後見人の仕事は老人の保護のためではなく、お金をむしり取るためだ。老人の後見人となったら、家を勝手に売ったりしてしまう。老人の介護費を賄うため、という論理が合法的だそう。
ある日、突然老人が亡くなってしまったのでマーラは病院の医師と結託して、期待の老人を介護施設に送り込み、彼女の後見人となる。
期待の老人というのは、たくさんの金や資産を持っていて、親族などの財産相続人が少ない人の事を言う。
医師がマーラに紹介した老人ジェニファーは、資産などを蓄えていて、相続人がいない。マーラは喜んで後見人となった。
しかし、ジェニファーを老人介護施設に入れてしまったことから、悪い方向に進んでいく。ジェニファーはマフィアのボスの母親だったのだ。
ジェニファーを愛している息子ローマンは、部下に介護施設を襲撃させたり、マーラに母を紹介した医師を殺してしまった。
そしてマーラも襲撃された。マーラは偽装の転落死により死ぬはずだったが、なんとか生き延びてしまった。
マーラはジェニファーの家に行くとパートナーのフランが倒れていた。フランは意識を取り戻すと、二人でマフィアに立ち向かうことを決意した。
マフィアのボスローマンを捕まえ、マーラはローマンの後見人になった。交渉の結果、マーラは1000万ドルを手にし、またローマンのサポートを得て後見人ビジネスを世界展開することになった。
その後、マーラは超富裕層となり大成功するのだが、過去に無理矢理、介護施設に入れて面会謝絶させていた老人の息子に銃撃されて死んでしまう。(終)
マフィアのボスは母親を愛しているのに、マーラは母親を毒親と言って、愛していないのが対象的であった。これになにか意味があるかは分からないな。
突き抜けすぎてもはや爽快!
悪徳の栄え
強い女のイメージがすっかり板についてきた感のあるロザムンド・パイクさんだが、いくら何でも怖いもの知らずにもほどがある。普通ならヤバい相手とわかった時点で、手を引くだろう。ロシアンマフィアが手ぬるいやり方をしていなければ、主人公二人とも物語中盤で死んでいるはずだ。
主役だけちっとも銃弾が当たらなかったり、すぐ殺さずにまだるっこい手段で死に至らせたりしている間に助かるパターンは、もうとっくに鼻白んでいる。マーラが麻酔から覚めるのも早すぎるし、そこからすったもんだして帰りつくまで結構な時間がかかっているのに、フランがガス中毒死していないのも不思議だ。何なら女医はあっさり殺されているし。そこらへんの説得力がないと、物語が嘘っぽく思えてしまう。
「悪魔のような女」「白いドレスの女」などの悪女ものの系譜に連なる可能性もあったのに、ちょっと残念。
悪人対悪人、マフィアよ、もっと非道に行け!
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