「「憧れのウエディングプランナーが良い上司とは限らない」」ウェディング・ハイ ジョーさんの映画レビュー(感想・評価)
「憧れのウエディングプランナーが良い上司とは限らない」
結婚式をこれから挙げる新郎新婦の視点。略奪愛を目論む若者の視点。披露宴の出席者のそれぞれの人生模様の視点、そしてウエディングプランナーの視点。
視点の切り替えのタイミングが絶妙。伏線の張り方も上手い。バカリズムの脚本もテンポがいい。
主賓のスピーチ、乾杯のご発声、ケーキ入刀、恩師友人らのスピーチ、余興、花束贈呈というお決りの流れ。そこのムダを取っ払っちゃえという、誰もが持っている潜在意識を見事なまでにくすぐってくれる。恩師も友人もとっておきの過去もない人だって、世の中にはたくさんいるし、一生に一度主人公にならなきゃ、という強迫観念もばからしい。たかが余興に出席者の絶賛の拍手を期待する承認欲求。略奪愛もいつの時代のことやら。披露宴を滑稽な猿芝居として描くところに、この作品の魅力がある。
中盤から主役に躍り出る、篠原涼子演じるウエディング・プランナーが、を披露宴をバサバサ切っていく姿が痛快極まりない。
彼女は自分の置かれた現実についてこう語る。
「憧れのウエディングプランナーが良い上司とは限らない」
本作のドタバタ披露宴を表現するのに、至極的を得ている言葉だと思った。
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