「飲むと悪酔いするウェディングハイ」ウェディング・ハイ へねみこさんの映画レビュー(感想・評価)
飲むと悪酔いするウェディングハイ
なぜだろう。面白くない
大九監督作品で、バカリズム脚本で、これだけのキャストなのに…面白くない
評価の星は、ほぼ俳優陣の演技に付けたかな。バカリ脚本にしては毒が薄くて、列席者が「自分が自分が」って割にちゃんと結婚を祝福してる…という話の枠は良いと思う(現実でもそういうモンだろうし)
つまらなくなってしまった理由を挙げるとすると…
まず、上映時間が長い。最後のイケメン追いかけっこが楽しいと仰る方もいるかと思うが、アレ長いよなぁ(非常口表示あるのにあんなにグルグル回るかね?)
元カレといえば…友達二人はあそこまで言って一緒に来たのに、最後は車で待ってるって説得力なくないかい? 友達としても野次馬としても近くで見守ってそうなものだと思うけど…
そして何より、群像劇っぽい背景を収束していく中で、「披露宴の時間短縮」をメインに据えるのはちょっと弱いのでは
次の披露宴があるとはいえ、片付けセッティングが間に入るはずだから、スタッフがそこで頑張って時間短縮した方がいいような。劇中の「短縮変更」のセッティングで手間や時間も逆にかかってくるところもあるはずだし…
(この部分の説得力なら、片桐はいり先生の存在感に限るでしょうね!裏設定の独白も先生には用意されていなかった)
群像劇っぽく、列席者の裏設定が独白や回想で流れて、それぞれの思いで臨む…って枠は面白いんだけど。
ただ、ポンポン出てきては内容が薄い感じで消化されていくので、観てる側は感情移入していけないのよ。
スピーチ部長も、そこまで魂込める意味が分からん…
乾杯課長と違って、同僚や部下は出席してないようだから頑張ってもそこまでメリットないだろうし。そもそもどんなに面白くても20分超えたら「長えな」と思われたり、スタッフから止められたりするものでしょ。
そんな訳で、みんなバタバタする中、あの司会者はさすがに無能すぎるw ベテラン風なのに自分で考えないし、祝電繰り返すとか…笑いのネタにもなってないよ。
伏線回収という点でも…
新婦の父が消失イリュージョンで飛ばされるくだり…
まったく説明されてないのはどうなんだろう。そもそもアレは必要なエピソードなの?
個人的には、消失の謎が元カレ+泥棒のところに繋がると思ってたんだけど…すれ違っただけって…。
俳優陣の演技が救いなんだけど、やっぱり元カレは…。
「新境地だね」と先輩俳優さんたちから褒められてたみたいだけど…申し訳ないけど、いつもながら酷すぎる。
独白シーンは棒読みだし、男友達3人組のシーンに至っては演技力の差があり過ぎて「当事者」っぽく見えない。こういうキャラでこのシーンだったら…といった最低限の想像力をもってほしいところ。
「新境地」とか「なんでこの役受けたの」っていうんなら元カレ役でなく泥棒役さんの方では
しかしながら、差し込まれる芸人カットだとか、細かい演出(泥棒の靴下とか)には、大九監督らしさありました。次回作に期待!
…でも、もしかしたら、尺の都合でカットされちゃっているのかも? 前述の消失とか、放り投げられた手甲とマグロ包丁とか