「若者向けの皮を被った老人向け鬼滑りコメディ」ウェディング・ハイ 今日は休館日。さんの映画レビュー(感想・評価)
若者向けの皮を被った老人向け鬼滑りコメディ
50〜60代のおっさん幹部社員が、会議室でガハハと笑いながら脚本を勝手にいじり倒してできた映画。
「これは面白いぞぉ」なんて作ってて、誰も注意する人もいなくて、蓋を開けてみたら大事故。
そんな印象の作品。
だって開始5分からもうずっとスベってるし。
笑いの触感がもう平成を遡って、昭和を軽く超える。令和のいま「大事な場面で、お腹が痛くなる」なんてシーンを見ることになると思わなかった。バカ殿か?バカ殿的な笑いなのか?志村けん舐めてんのか。
ドリフあたりを原体験に持つ、取り立てて面白くない老人が集まって「福田雄一って人気あるよねー。ああいうの作りたいねー」とか言ってるけど、実は誰もろくに福田雄一作品を見てない。でも自分のことは面白いと思ってる。そんな奴らの禿頭が透けて見える。
とりあえずヒコロヒーとか空気階段だしとけば若者に受けるんじゃね?でも俺はやっぱりユリオカ超特Qが一番面白いと思うんだー。とか言ってる奴の禿頭が透けて見える。
バカリズムがこの本を書くとは、到底信じられない。松竹とホリプロで、マセキいじめをしてるんじゃないかと、勘繰ってしまう。大九監督も、ここまで劣悪な作品を作る監督だとは思えない。福田雄一を強いられたのだろうと、可哀想になる。
以上の検討の結果、制作過程になんらかの重大な欠陥を抱えてなければこうはならない、という結論に至る。
この時代に「結婚式あるある」を映画化するというコンセプト、急いで手品したら変なとこにワープしちゃった、結婚式のスピーチで笑いを取りにくるおっさん、うんこ漏らす、ご祝儀泥棒、膝を高く上げて珍妙に走る向井理。ひとつ一つのディテールから放たれる強烈な昭和臭と滑りっぷりに、目眩を起こして倒れそうになる。
巻き込まれた役者陣だって、被害者っちゃー被害者だけど、加害者っちゃー加害者ですからね。ちゃんと駄作に関わった責任は感じてほしい。
あと全員に佐藤二朗みたいな喋り方させれば、福田雄一作品みたいになる訳じゃないかんね!