「錯覚の空」リフレクション MARさんの映画レビュー(感想・評価)
錯覚の空
2014年、ロシアによるクリミア半島侵攻をきっかけに、戦場に赴こうとした医者が捕虜になり、癒えない傷を抱えたままキーウに戻ってからの様子を描いた作品。
終始静かで、かなりの長まわしの1シーンをいくつもつなぎ合わせてできたような作品。
医師としてウクライナ東部の戦場に向かうも、所謂ドネツク人民共和国とかいう場所に不法侵入したとされて、拘束されてしまう。
前半は捕虜(従軍医師?)として酷い仕打ちを受けるセルヒーの様子が描かれる。直視するのも憚られる程の拷問の数々。本当に怖いですね。こんなご時世、もはやこんな事言う方がおかしいのかもしれないが・・・ホント良心は痛まないのだろうか?何故こんなことができるのか。。
後半は街に戻ったセルヒーが、自分を取り戻していく様が描かれていく。
・・・ということで良かったのかな?
全体を通し、何をしているのか、何を伝えたいのかわかりずらい。特に後半。セルヒーが娘や元妻(?)、そしてアンドリーを想い、苦しみつつも自分を取り戻していくというのは何となくわかるけど。
犬ってあんなに強いのか・・・?
最後の訓練(ゲーム?)も何がしたいのかよくわからず。。
まぁ最後の3人の「画」に意味があるような気もするが。
セルヒーは何を思いアンドリーを・・・?それでいて、彼の為に、娘達の為にした行動。。
この題材でもっとストレートにわかりやすいドラマにしてたら高評価だったかも。
ストーリーだけを見れば、狂おしくも心に響く良いものなんだろうけど、如何せん描き方がとにかくスローというが長ったらしいというかという感じで、この現実を考えさせられはするけれど、単純に映画作品としては心を捕まれるほどではなかった。