カード・カウンターのレビュー・感想・評価
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なぜキッドと呼んだのか?
痛快なテーブルゲーム根性勝利系かと思っていたら、まあ重い重い。老若バディが人生ぶち壊れるほどのトラウマに向き合った末に、爆砕する物語。なんてこったい、後味悪いぞ。 途中『ハスラーみたいな?』『あれはビリヤードだ』なんてセリフがあるが、勘違い先は「シンシナティ・キッド」ではないかな。
カードより復讐のゆくえ
『魂のゆくえ』に続いて、ポール・シュレイダーお得意のキリスト教への信仰で悶々と苦悩や葛藤する主人公の手記および心の声=己と向き合う内省映画の様式で綴られる復讐と贖罪のスリラー。コール。 驚いたのは俺がムショ生活に合っていたことだ。ノイズ(=周囲の雑音ばかりか想定外に起こること)を嫌い、ギャンブルでは控えめに勝って、日課やルーティン、同じことの繰り返しを好む男。天意に背くようなことはせず、ただ淡々と同じ日々を繰り返す。復讐したい気持ちを抑えて己を律するように規則正しく生きる。そして、それがカードを数えるという行為に表れている。彼と出逢うまでは…。 ビルとテル、そして"C"のカーク。こいつ何様のつもりだ?ザ・キッドに改名。『ハスラー』よろしく面倒を見て師弟関係を築いていく中で、(自分自身も一度は通ったであろう思いに動く)彼をどうにかそこから救いたいという気持ちに駆られ大きな賭けに出る。復讐するなら我も罰し、人間には復讐しないことを選んでも復讐しなければならない時がある。 脚本監督ポール・シュレイダー✕製作総指揮マーティン・スコセッシ御大=今なお異彩を放ち続け多くのフォロワーを生む映画史に燦然と輝く傑作『タクシードライバー』名コンビが、またしても贈る類似したテーマや惹き込まれては幻惑されるような作風、語り口を持つ作品(言ってしまえば同じフォーマット)は、今回も決して裏切られなかった。 余談ながら『ムーンナイト』で仲良しイーサン・ホークが傑作『魂のゆくえ』で演じた次は、主演オスカー・アイザック✕共演タイ・シェリダン✕ティファニー・ハディッシュ✕安定のウィレム・デフォー。流石に面白い。これが昔なら主人公ウィリアムは、ポール・ニューマンに演じて欲しさもあったかも。オールイン。ちなみにキャストの5番目はMr. USAです。USA!USA!USA! P.S. ずっと後ろのオジサンが溜息ついていた。 勝手に関連作品『タクシー・ドライバー』『魂のゆくえ』『ハスラー』『ハードエイト』『ミーン・ストリート』『ワイルド・ギャンブル』『ラウンダーズ』『天使の入江』『ラスベガスをぶっつぶせ』
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