フリークスアウトのレビュー・感想・評価
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Fantastic Four
ナチスvsサーカス団、とりあえずその週の目ぼしい新作は観るのでこのワードが入ってた時点で観ることは決めていました。ちょうど空いてそうな木曜日を選びましたが、それは正解でした。良い空き具合でした。
冒頭の陽気なサーカスシーンから一転、ナチス軍の突然の空襲にサーカスの客は一網打尽、サーカスのメンバーは団長がどこかに消え、メンバーたちはたじろぐ自体に。そこからベルリンへ向かったり、途中ではぐれたりします。
4人の結束感が良いのか悪いのかよく分からないところもありますが、なんやかんや信頼しあっていて微笑ましいシーンがいくつも挿入されるのでそこは安心して観れました。砲弾で仲間を飛ばすアイデアはぶっ飛んでんなーと笑いながら観ていました。
マティルダがとても魅力的なキャラで、自身の能力で母親を殺してしまった過去を引きずり、電気を使える力を封じていますが、いざというときは電気で相対し、仲間や市民を守るために躍動する姿がかっこよかったです。普段のシーンは可愛らしさが残っているので、そのギャップも楽しめました。
回転台に張り付けられながら、でっかい男性器をブラブラさせてたマリオの笑顔には若干引きつつも笑っていました。
フルヴィオは圧倒的パワーのはずなのに、意外とそこが強調される場面が少なく、腰振ってたのと他言語を流暢に喋る様子の方が印象に残っています。
チェンチオ、最初は頼りなかったですが、後半になるに連れ頼もしくなっていたのが良かったです。中々のイケメンなのも憎いところです。
電車内で4人が突然の覚醒、蜂を操れるようになるわ、金属は自由に飛ばせるようになるわ、なんだかパワーアップするわ、電気を自由に扱えるようになるわ、やりたい放題でしたが、突然のヒーローものっぽさには少し胸熱になりました。思いっきり敵をぶっ殺していくのもなんだか爽快な絵面でした。
終盤のナチス軍vsフリークスの攻防、ここ最近観た映画の中でもトップクラスに銃弾が飛び交っていて見応えがありました。
シンプルな撃ち合いに火石を飛ばしたり、戦車から乱れ撃ちにしたり砲弾でぶっ飛ばしたりととにかくド派手にノンストップでした。暴走牛という謎ワードが出てきたと思ったら出オチだったり、上手いこと弾を避けまくったり、死人の量はとんでもないなと思いました。
マティルデの一面を電撃で焼き尽くすという、焼き尽くす前が完全にDCのヒーローっぽくなっていて、ナチス軍を見事なまでに焼き尽くすという中々にエグい殺し方で物語を締めくくります。
4人が再び足並み揃えて次の街へ向かう爽やかな終わり方でなんだか心も晴れ晴れです。
2時間半かけてやる物語かと言われるとそうではないと思いますし、唐突な展開や都合の良い登場の仕方など、多少難はありますが、全体的にシリアスな展開と時々挟まるコミカルな展開を楽しめる作品でした。割とオススメできる作品です。
鑑賞日 5/18
鑑賞時間 15:30〜18:00
座席 K-5
オズの魔法使い
がベースなのでしょうか?と言うくらいキャラはダブっている気が。設定は良かったですが、2時間半近くの長さが必要なストーリー展開では無さそうな感じです。こう言った作品に多いですが、暗い中での戦闘は判別がしづらくなって混乱しますね。
何を観せたかったのだろう
第2次世界大戦中のイタリアで、ユダヤ人のイスラエル団長が率いるサーカス団には、電気を操る少女、虫を操る男、顔を含め全身毛だらけの怪力男、金属を引き寄せる磁石男と、特殊能力を持つ団員たちがいて、彼らが芸を披露し生活していた。イタリア国内でもナチス・ドイツの影響が強まりユダヤ人弾圧が始まってきたため、アメリカへの脱出を考えていたイスラエル団長だが、突然姿を消してしまった。電気を操るマティルデは団長を探すが、怪力男、虫使い男、磁石男の3人は仕事を求めベルリン・サーカス団の訪ねた。ベルリンサーカスのフランツ団長は6本指で予知夢の能力があり、特殊能力者を使いナチスを勝利に導こうとしていた。イスラエル団長は見つかるのか、ベルリンサーカス団で3人は仕事が見つけられるのか、という話。
ファンタジーで電気を操る少女が主人公なんだろうけど、イスラエル団長の救出が目的?ナチスとの戦いはイタリアゲリラがやってたわけだし、ウルトラマン的な彼女の超能力が観せたかったのだろうか?イスラエルたちユダヤ人を運ぶトラックや貨物列車を見つけたのはたまたまなのか?それとも見つけたのも能力だったのか?
怪力男のセックスシーンや磁石男のちんこぶらぶらとか必要だったのだろうか?
途中まではどうなるのだろうと期待していたのに、ラストは何?ユダヤ人たちはあんなところでフリーにされてもすぐ捕まるのでは?これからどうなる?そして、4人はどこへ行く?
???が頭の中で回ってて、いったい何を観せたかったのかよくわからなかった。
× 電気 〇 プラズマ
あー。だから、この子がやってるのは核融合反応で、電気っていうよりプラズマか。そういう威力ですよ。って、最後の方で気が付きました。
イタリアとベルギーの合作です。芸術のイタリアと変態の国ベルギーの協業ですよ。非ずハリウッドですが、割と金は掛かってそうな雰囲気はするトレイラー。でもでもでも。これは、結構なおバカだよね、多分。と言う程度の予想で観戦ですが。
え。
って、軽く驚く程度には人が入ってます。野郎ばかりです。と言うか、おやじだらけです。50代中心な感じです。この世代、こういうのが好きなんか。バビル二世世代?
これがいざ始まってみるとですね。「芸術のイタリア」らしさが優位に立っててですね。画のクオリティ、無茶苦茶高いです。撮影は誰ですか?って調べたらミケーレ・ダッタナージオ。ごめんなさい、初めて見たかも知れない。キャスト的にも、日本でもお馴染み感が出てきたフランツ・ロゴフスキしか分かりません。監督ガブリエーレ・マイネッティ作品も、鑑賞の記憶がありません。
要するに、全くなじみのない方々の撮った映画な訳で、全く予想が付きません。おバカは勝手な予想。
これがこれがこれが。
結構、マジな映画でした。エスパーゴリゴリのおバカアクションか?と想像していたワタクシでしたが、全く、そんな映画じゃありません。
ベルギーの血も入っているせいか、熱血の暑苦しさはなく。また、重苦しさも無く。割とサクサク進む展開のテンポの良さが心地いいです。
マティルデの「能力」を見くびってたので、クライマックスの迫力には参りました。まぁ、ゴジラへの期待値が口から吐き出す放射能、程度に考えてたら、全身から説核融合反応のエネルギーをぶっぱなしやがったよ、的な。
イヤイヤ、それは凄いやw
エンドロールに登場したイラストのテーマが「反戦」なのかしら?と思いながら眺めてたら、結構そうでもなさそうで。特に人物。キュリー夫人やマンデラは良いとして、なんでカシアス・クレイ?
って、言うあたりから想像するに、映画脚本についても、それほど深い政治的なメッセージなどは無さそうな感じで、むしろ、そういう方が、見る方としても楽で良かったです。トラを手なずけるシーンは、ちょっとお花畑かよ!じゃありましたけど。
楽しかった。
結構。
(オンライン試写会は一律ネタバレ扱い)ややチョイスに悩むタイプの映画
今年143本目(合計794本目/今月(2023年4月度)38本目)。
fanvoiceさまのご厚意でオンライン試写会で日曜日の夜を過ごすことができました。
ここの特集や公式サイト等にあるように、サーカス団 vs ナチスドイツ を描いた、ある意味でコメディアクションバトルものに分類されます。一応、当時のナチスドイツの政策に関する描写もありますが、そこは少な目で、日本で多くの類型を占めるナチスドイツを描く映画に比べると異色な点はかなりあります。
ここをどうとらえるかがかなり難しく、日本では表現の自由が尊重されるので、極端に支離滅裂や他人の人権を侵害したり、罵詈雑言にわたらない限り、映倫を通して「どのような映画でも」放映することができるという、日本の戦中をふまえた日本国憲法下における表現の自由(および、映画においては、営業の自由)を尊重する立場にたつか、あるいは、日本とドイツがともに敗戦国で、程度・様態の差はあってもいわゆる植民地政策や他国に対する差別的な取扱いがあったのもこれもまた否定のできない事実で、日本ではこの手の映画は「暗黙のお約束」なのか、7~9月に多く放映される傾向があると思うのですが、このようにコメディアクションバトルものに「振り切った」映画は結構異色かな…というところはあります。
ただそれとて、そういう類型が(日本やドイツほかの国で)憲法や法律で禁止されているわけでもないですし、日本では「暗黙の了解として」この手の映画(ナチスドイツを描く映画)は「この手の映画はほぼ扱わない」ため(まったくないわけではない。2021年にもありました)、ここは、日本とドイツが歩んだ歴史といわゆる歴史認識という考え方を取った場合、「やや気分を害するかな」という方が出ることも想定できますが、公式HPにはちゃんと「コメディアクションバトルものですよ」と書いてありますし、減点幅としても引いても0.1程度だろうというところです。
もっとも、映画内ではこれらナチスドイツの迫害については、一般的なナチスドイツの映画ほどではないものの説明があり(身障者や(今でいう)LGBT等の方も迫害の対象だった)、当然、映画の趣旨としては架空のお話でどんちゃん騒ぎをする映画ではあるものの、まったくでたらめということもなく(最低限の説明と歴史認識に関する説明はあります)、まぁ「日本では諸般の事情で扱われることが(暗黙の了解で)避けられているふしはあるものの、日本において表現の自由や営業の自由を考えると否定もしがたい」という結論です。
ただ、いわゆる単純なアクションバトルものであれば当該正規公開日にはいくつかありますし、この映画を(正規公開日に)どうとらえるかは、かなり判断が割れそうな気がします。
採点にあたっては、上記のようなことが気にはなったものの、日本における表現の自由ほかを考えると減点対象にしづらく、フルスコアにはしていますが、正規公開日にはいろいろ「波紋を呼びそうな一作」ではあろうかな、というところです。
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