「フリークス達によるポエティック・ジャスティス」フリークスアウト regencyさんの映画レビュー(感想・評価)
フリークス達によるポエティック・ジャスティス
持たざる力を持った者が葛藤を経て有用に使おうとするというテーマは、その力や特異性によって差別・迫害されてきたという点でアメコミヒーローでは『X-MEN』に近い。かといって、マイネッティ監督の前作『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』同様に、ひたすら陰湿でダークな作り。主人公達が華々しくカタルシスたっぷりにヒーロー活動する作品ではないので、DCやMCUみたいなノリを求めない方が吉。強いて言うと『ウォッチメン』っぽいかも。
その力をなるべく公にせずに、サーカス団として生きていく為に使いたい。でも時代がそれを許さない。ホロコーストではユダヤ人以外にも、身体障害者、精神障害者、LGBTQ+の人達も迫害の対象としていた。そんな、所謂フリークスと括られた者がナチスに復讐する。タランティーノの『イングロリアス・バスターズ』のようなポエティック・ジャスティスだ。
マイネッティ監督のメッセージが込められたエンドクレジットも注目。そして彼にはいつか、心酔する永井豪の作品を本格実写化してほしいもの。『魔王ダンテ』でも『デビルマンレディー』でもOK。
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