コンペティションのレビュー・感想・評価
全53件中、21~40件目を表示
それはないでしょ!という結末(悪い意味意味ではなく)
何の前情報も見ずに見に行きました。
この作品は劇中劇のようになっていて、物語の中である映画を制作していく流れになっています。
物語の映画の中の登場人物は世界的に有名な俳優二人と天才女性監督の3人で進んでいきます。3人とも世界トップレベルで、映画制作へ半端ない情熱をかけます。けれども3人ともクセが強すぎて、まったく噛み合わず、うまくいくんだろうかと終始不安にさせられます。そして、ぶつかり合う3人に笑えないのに笑える展開が次々と繰り広げられていきます。
いろいろなことがあったけど、これだけ情熱をかけたんだからきっといいものができてほしい、、という淡い期待を抱いてしまう単純な私でしたが、みごとに裏切られました。確かに、物語の中の作品のなかに伏線のようなものはありました。
刺激的で、「え...」とか「は...?」って言いたくなるような展開が続いていき、最後でまた衝撃的な結末を迎えます。私はすぐに物語の中に感情移入してしまうので、登場人物のふるまいに対して、最低で「人としてそれはなくない??」くらいに思えてしまいました。
終わった瞬間は、次々と繰り広げられる展開が意外すぎて開いた口がふさがらない感じでした。
でもそのくらい予想外であり、作品として面白かったです。
そして著名人の間でも非常に高評価らしいですので、ぜひ一度は見てみることおすすめです。
映画監督とスタイルの違う俳優二人。 芸術家のクセの強さとそれぞれの...
映画監督とスタイルの違う俳優二人。
芸術家のクセの強さとそれぞれのシュールで時にシニカルな笑いが案外好き。
ラストもほったらかしのようにも思えるが案外好き。
思ったほどめちゃくちゃな話ではない。期待通りの満足感。良かった。
映画の説明文を見るとなんか結構めちゃくちゃな話ぽく感じるが、実際は
あー、俳優ってほんと大変だよなと、それに、ほんと自分たちが良く知る有名俳優たちはいかに演技上手いプロなのかってことを改めて認識できる内容。
ペネロペ・クルスはこういう役、合うねー。
子供取り違えたお母さんで、そんなにくせのない役柄よりもこっちのほうが
彼女らしさ生きるって言うか。
ふふ・・・って笑える場面多く、予想通りの展開なので、安心して観れる。
むしろ奇想天外な方がいい人には刺激少ないかもしれないが、
間をゆっくり感じられて、あちこち見まわせる(シーンの背景とか)映画っていいなと思った。
出てくる建物、服、車など、要素的なものも美しく、まあ、お洒落な映画。
驚くようなこともなかったが、楽しめた。
それなりに楽しめた。
映画製作の裏側を揶揄した映画で、それなりに楽しめる。昔、トリフォーの「アメリカの夜」を観て面白かったが、これには及ばない。
でも、映画好きならそれなりに楽しめると思う。俳優の嘘の芝居は上手くて騙された。さすがだと思う。カメラアングルが素晴らして、絵画を見ているようだ。
監督イカれてんな!
2023年劇場鑑賞71本目。
金持ちが名声を誇示するためだけに映画を作ると言いだし、イカれた監督に丸投げ、主演二人はソリが合わず・・・というコメディ。ペネロペ・クルスとアントニオ・バンデラス何回目の共演だよ!と思っていたらなんと2分以上同じシーンに収まっていたのは今回が初めてという事実が一番驚きました。
ペネロペ・クルス歳取らねぇなぁと思っていましたが思ったより若いんですね、キャリア長いからもう還暦近いと勝手に思っていました。このペネロペ演じる監督が相当ヤバい演出をする人として描かれていますが、だんだんこっちの方がまともに見えてくるくらい主演の二人が色々かますのが面白かったです。ある意味今公開しているマッシブ・タレントとテーマは一緒かもしれません。
ニヤリとなる良作
随所でくすくす笑い、えっ!とびっくりさせられるところもあり、なかなかの良作。
俳優陣の演技も良く、上手い下手でいがみ合うところや、ほら俺のがうまいだろうってとこが何度も出てくるが、本当にうまいよ。
アカデミー賞や娯楽大作を揶揄りながらも……というところも、シニカルと現実が混じり合って面白い。
ペネロペ・クルス初め、中高年3人のファッションも素敵ですね。
見終わった後もこの後を色々想像させてくれます。
表裏一体
映画を作るまでの過程を実演で行う映画という、映画作りの映画でも異色作、ここ最近の映画作り映画の中では一番面白かったです。
原作は知らないけど有名な小説の映画権を獲得した自尊心まみれ金持ち出資者と、原作を変えまくる日本だったら炎上間違いなしのクセ強監督と、ベテラン俳優と、ハリウッドスター俳優といういかにも平和に終わらなさそうな感じの始まりで、方向性の違いで衝突しまくってました。
演技へのこだわりや私生活の過ごし方、イライラが募りぶつけ合い、でもそれが演技に活きてきたり…不思議と映画としての形は形成されていく、不揃いなピースが揃っていくたびに違和感を抱えつつも濃密な演技合戦が楽しめるようになっていました。
惜しいなと思ったところは、笑いのツボが合ったり合わなかったりしなかったところです。5トンの石をクレーンで吊るした真下で最大の緊張を背負いながら演技をしているけれど、実際はハリボテだったシーンは抜群に面白かったんですし、トロフィーをテンポ良く粉砕機にかけてぶっ壊したり、その粉砕シーンをテープでぐるぐる巻きでの鑑賞になっていたりとブラックなジョークが効いてるシーンはめちゃ笑えました。
ただちょいちょいテンポが悪くなるというか、特定の人物を長回しで撮ったりするシーンが多かったので、監督の好みと自分の好みが合わなかったなと思いました。あと同じフレーズを連発しまくるのもちょっとダルいなと…。
伏線の貼り方が中々に巧妙で、作中に登場人物が発した言葉が現実になるという恐ろしさ。フェリックス(アントニオ・バンデラス)が癌のふりをした際に、それに気づけなかったイバン(オスカル・バルティナス)が、「彼が演じれなくなったら僕が一人二役を演じるよ」というフレーズが、フェリックスが完成前のパーティーで突き飛ばしてイバンに大怪我をさせ、結果的にフェリックスが一人二役を演じるという残酷さが良いスパイスになっていました。地味にこのシーンも序盤にあった合気道のシーンが活きてくるというダブルパンチに唸りました。
最後の記者会見のシーンは特に皮肉が纏われていて、近年のアカデミー賞はじめ賞レース作品への批判が込められているようでした。パリコレ要素が必須になってしまった2020年代の賞レース、自分はこの風潮がかなり嫌いで、最近のディズニーなんかはその傾向が顕著に観られて(ストレンジ・ワールドとかいうまみれまくった作品もあって、リトル・マーメイドとかもう…)、そこをバッサリと言ってくれたのが個人的には気持ちよかったです。
映画は終わらないとわざわざセリフに出してしまったがために、引き際を見出せず謎な状態で終わってしまったのは少しいただけないですが笑
効き目強い毒を食らいつつも、それがなぜか心地良い。面白い作品でした。
鑑賞日 3/23
鑑賞時間 12:05〜14:05
座席 E-3
スペイン・アルゼンチン映画もスタートは「アクション」
アカデミー賞なんて要らない迄は共感して鑑賞していたのですが、謎のダンスで鑑賞意欲が低下してしまい、ラストシーンも「あ、そう」と感じてしまいました。意味不明なシーン要らないのになぁ~と思った作品です!
シニカルな笑みを浮かべながら張られた伏線に挑む
上映中のほとんどの時間はペネロペ・クルス、アントニオ・バンデラス、オスカル・マルティネスによる会話劇を見せられているような感じ。
他の出演者も含め、序盤から「今のシーンに何の意味が?」なんて感じでモヤっとするような、それでいてクスッと笑えるような不思議な感覚の連続で、それが終盤に向けて張られた伏線に気付いて行くような謎解き気分を味わいました。
終わってみれば「なるほどね、そうだったんだ」なんて腑に落ちた箇所もあれば、相変わらず「あれは何だったの?」の箇所もあり。
難解か繰り返して観ると今回気付かなかった伏線やその回収に気付く所が多そうな作品でした。
スペイン語の小気味よいリズムで何となくスルーしがちになるけれど、様々なテーマが散りばめられている、そんな感じを持たせてくれる、後を引くようなお話しでした。
それにしてもペネロペ・クルスって私の中では若い頃はルックスと恋愛の話しだけが話題になる俳優さんといったイメージだったのですが、少し前に観たパラレルマザーと今作の振れ幅の大きさを見て、年齢を重ねて素敵な演者さんになられたのだなぁと感服させられました。
5屯の大岩
キービジュアルの浮いた大岩を見た後あらすじを読んで、あまりに繋がらなくて興味をひかれる。
業界裏話的な作品は大好きなので、鑑賞。
もっと小難しく芸術性の高いものかと思っていたら、思いのほかとっつきやすい。
シュールでシニカルな展開に笑いつつ、確かなメッセージと映画愛を感じます。
ただ、映画制作の裏側というにはメインはローラ、フェリックス、イバンの3人のみ。
彼らの美学とプライド、独自の方法論などがぶつかり合う様は興味深く、かつコミカル。
例の大岩や、父親の前でのラブシーンなどは非常に好みだった。
惜しむらくは、ややテンポが悪く、メリハリに欠けること。
謎ダンスシーンなどを削ったり、BGMを効果的に使ってあれば、笑いや皮肉もより効いたように思う。
とはいえ、ここまで皮肉とテーマを掘り下げた上で分かり易さ、エンターテインメント性を失わないバランスは見事。
オチが弱いし、あの先を描かないのは(意図的だとは思うが)スッキリしないものの、非常に楽しめました。
3人3様のエゴ
この製作側の常人ではないところ、変態的なところが、素晴らしい作品を生み出すのだとしたらどうでしょう?映画好きな私は、素晴らしい作品が観れるなら、3人のエゴを最大限に利用してくれたら、、、とむしろ歓迎すらしてしまいました。
私は一映画ファンなので、映画界に及ぼす影響はゼロなわけで、単純に作品を楽しむだけです。私が賞を与える人間でも与えられる人間でも、エゴが勝ってしまうから一映画ファンで良かったのかもしれません。
だって、やはりアカデミー賞やパルムドールは欲しいですし目指すと思うんです。劇中でローラがトロフィーを破壊してましたが、フェリックスもイバンも一番動揺してたのがこのシーンでした。そんな人間の悲しい性を笑わせながら怖がらせてくれた作品です。
反復される兄殺しのテーマ
2021年。ガストン・ドゥプラット&マリアノ・コーン監督。後世に何か残したいという大富豪の出来心から始まった映画製作。ネームバリューで集めた監督と俳優とノーベル賞作家が書いた原作。もとになるストーリー、監督の演出、二人の俳優の個性がまじりあって化学反応を起こしていく過程を、すなわちそれが映画製作ということだが、シリアスかつコミカルに描く。
コンペティションはもちろん映画の受賞レースのことでもあるが、ここでは登場人物たちの競争心、ライバル心を指している。しかも、ライバル心から兄を殺す「兄殺し」の主題を持つ原作を演じる俳優たちが似たような「兄殺し」的状況になっていくのだから、神話以来の物語の定型として「兄殺し」の反復が絵が描ているのだ。だから、不可算名詞としてのcompetitionには、反復されるテーマとしての「兄殺し」が含まれている、ととれないこともない。
ペネロペ万歳
冒頭,フェリックスが酔っ払いの各段階を試演したところからニヤニヤが止まらなくなってしまった。
それにしても「病気」の件が,観客にはウソだと悟らせるようにしてあるのに当の二人が信じてしまったり,イバン死後のフェリックスが自信満々で知らん振りをしてるのに犯人が彼だとローラが直感している風だったりするあたり,演技の効果というものが必ずしも演技者の力量のみで決まるわけではない,と気づかされて思わず唸ってしまった。
ダブルネーミングかなぁ…。
今年91本目(合計743本目/今月(2023年3月度)26本目)。
※ 時間調整のため「推しの子~」(アニメ作品)を見てから向かったのですが、アニメ作品にレビュー需要はないと思うので(メッセージ性のあるアニメ除く)、飛ばします。
さて、こちらの作品。
映画の中で映画を作ろうという、広くとれば「エンドロールの続き」に似たような展開のスペイン語版、ということになります(趣旨は若干異なるが、その趣旨を広くとった場合、というお話)。
そのスペイン語版ということなので、文化の理解がやや日本と異なり、「どうしてそういう展開になるのだろう…」という理解のむつかしさがそこそこあるかなというところです。
タイトル名の「コンペティション」は competition はいわゆる「コンペ」のほかに「競争(相手)」の意味もあります。映画を見ていただくとわかりますが、この2つの意味のダブルネーミングかな…という気がします(おそらくそう)。
一方でこの映画、突如男女同権思想の話をしたり、グルテンフリーがどうだのという話をしたりという「脈略のなさ」が妙な展開で(特に精神的に変な方は出てこない)、おそらく大人の事情(そういうことに触れると、スペインの映画の関係者から補助金でも出る?)のではないかと思いますが、出るだけでストーリーには何ら関係はしないです。
この「謎の思想哲学」はさらに映画の結末にまで登場し、「映画はいつ終わるのだろうか、ENDと出たときがそうだろうか、あるいは終わらないものだろうか…」という意味深な発言をしたままエンディングロールになります。そのような「特殊な発言」をするので、いわゆる「おまけシーン」でもあるのかな?と思うとそれもなし。この部分は明白に(今はコロナ事情は落ち着いているとはいえ)やや配慮不足というか、「いつ出たらよいかわからない」点で混乱するかなぁ…という気がしました(ただ、この映画、コロナ勃発前に作られたようで、どこまでの問題にするかは難しい)。
採点に関しては下記を考慮して4.7を4.5に切り下げています。
---------------------------------------------
(減点0.3/エンディングの終わり方が不明確)
・ 上記に書いたように、「映画はいつ終わるものなのか、ENDと出たときなのか…」といった哲学的な話をいきなりはじめます。そしてリアル映画でも、実際に「エンドロールの最後にもお楽しみがありますので是非見てください」という映画も実際にあります(マーベルシリーズなど)。この映画、このような発言が実際に出るので、何か「おまけ動画」でもあるのかなと思えば実はなし。このあたりは明確に配慮が欲しかったかな…というところです。
---------------------------------------------
む、むずかしい…
劇中「人は理解できないものを嫌う、そして理解できないものの中に大切なことがある」というような台詞がありましたが、私はこの作品を理解することができませんでした…。
個性的な女性監督・ローラと、ローラの訳わからない演出に振り回されるベテラン俳優2名が一つの映画を作り上げていきますが、まーーこの俳優2人がライバル心むき出しでお互いに見下し合っているので、なかなか前に進みません。それでも演技の上では息が合ってきたのか…というなかでの、ラスト。
シニカルな笑いを楽しむのが正解だったのだと思いますが、ちょっと合わなかったです。
大スクリーンのドアップに耐えられるペネロペクロスの美しさが一番印象に残りました。
「映画業界の見てはならない裏側」、とチラシに載っているけれど、そもそもお金を払って観る価値がない映画だ、と思ったのでした。
とりあえず、ただひたすらサドマゾ的に
二人の俳優に映画撮影前のリハーサルを行なわせる、
というだけのお話です。
実際の作品はどんなものなのか、影も形も分からぬまま。
映画のリハーサルの仕方を撮影して制作者が喜ぶ映画ってのは、
ドライブ・マイ・カーでも同じ構図がありましたが、
あちらはちゃんと完成品の形も観客に示しているから楽しめたのです。
この作品は、いったいなんなんだろう。
リハーサルばっかりしていて、いったいいつ本番撮影が始まるのだろう。
と思っているうちに、完成記者会見があったりして、もうワケワカメ。
ストーリーは、と言えば、伏線がヘボなので、
きっとこのような方向に進行するのでは、と
思った通りにすべてが進行してしまうので、面白くもなんともない。
芸術的にどうなのか、と言えば、
ゲージュツ的でハイソで意識高い系の皆さんならば、
こんな作品でも、御理解なさるんでしょうか。
私には無理だ。
監督役のペネロペ・クルスは私の好みド真ん中の女優さん。
だけどね。
今回の演技は監督から振り付けられただけのものでしょ、と
ただただ、途方に暮れるだけなのでした。
全53件中、21~40件目を表示