劇場公開日 2022年12月2日

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あのことのレビュー・感想・評価

全128件中、81~100件目を表示

4.5女性に選択させなかった時代

2022年12月11日
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原作を読んでいたので、衝撃的とは言えなかったが、原作の世界観をよく表した俳優たちは力演している。1960年代は、フランスだけでなく同じカトリック国のイタリアなども同様に女性に選択させなかった、ひどい時代である。この後にフェミニズム運動が高揚するのも分かる。日本の場合は戦後早々と経済的理由の中絶を認めたのだが、ピル解禁は遅かった。いずれにしても、女に選択させなかったのである。昔のフランスの大学の文学の授業風景も何か日本と違って面白い。意外にスパルタなんだなと。

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Boncompagno da Tacaoca

4.0凄まじい鑑賞体験

2022年12月11日
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知的

難しい

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ゆき

3.0望まない妊娠は救済されるべきか?

2022年12月10日
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本年度のノーベル文学賞を受賞したアニー・エルノーが、自らの体験を基に書いた小説『事件』を原作とする映画。中絶が法律により禁じられていた1960年代のフランスを舞台に、望まぬ妊娠をしてしまった女子大生が送る先の見えない日々を描いた作品だ。
原作でもかなりショッキングな場面が多々あり、映画は見送ろうかなと思っていたが、いやあ観てよかった。
女性のみが妊娠できるという当たり前の事実が、ある人達にとっては陥穽となること、中絶という最後の選択肢を取り上げられてしまった残酷さ、男という生き物のどうしようもない愚かさがこれでもかと晒される。
アメリカでは中絶問題でまた国が真っ二つに割れ、中絶は認められているものの薬物は禁止という我が国のような例もあり、なかなか一筋縄ではいかないようだ。
ホラーよりもよっぽどこわいシーンもあり万人には薦めないが、観て、感じて、考えてほしい映画だった。

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ぽてち

4.0痛いほどに女性目線が伝わってくる

2022年12月10日
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鑑賞方法:映画館

ベネチア国際映画祭の金獅子賞を獲ったとのことで鑑賞。

終始、主人公のアンヌ目線で生活と苦悩を追っていく。
女子寮での生活、産婦人科などなど普段は描かないシーンが多く、
男性の自分にとっては最初から最後まで、本当に新鮮であり、刺激的であり、また疲れる映画であった。

自分の命を賭してまで自分の人生を生きるのだという意思、そしてそれをゆるなさい男性中心の社会を主人公目線を貫くことで鮮烈に描いていた。

比較的きれいな画、町並みが多く、「中絶が違法だった時代」ということぐらいで、
途中まで1960年くらいという設定がわからず、そこは少し違和感を感じたものの、
ただ、現代のものと見間違うくらい、どこか現代の問題とリンクしている感覚はあった。

日本では到底このような作品は表現できないと感じた。

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ひでぼー

3.0女性側から見た女性の現実

2022年12月10日
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男は辛いし、デートで鑑賞も辛い。こんな映画が商業的に受け入れられる時代になりました。主婦マリーとかフランス映画はこの話題随分昔から掘り下げ続けてますねー。(米も「17歳の瞳」とかあるか)
それでイオネスコさんですか。昔からあんまり変わってない気がするです。ルアナは「燃ゆる」でデジャブですね。個人的にはpartager du chewing-gumが壺

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michi

3.5映画化は成功している。

2022年12月10日
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鑑賞方法:映画館

怖い

今年のノーベル文学賞授賞作家が原作者。
中絶天国である日本では、ちょっと想像出来ない映画だ。もちろん、戦前の日本には刑法に堕胎罪があり、中絶手術が禁止されていたと思う。
戦後、廃虚となった敗戦国日本から復興する際の経済状況により、中絶が認められたと推測する。亡くなった母から食糧難は戦中より戦後が酷かったと聞いている。

予期せぬ妊娠をしてしまった主人公の意思の固い事に先ず驚く。当初から出産を拒否し、流産・中絶を選択する不安と苦悩がよく描かれていている。成功作品だ。私の好みではないけれど、鑑賞の価値はある。

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いなかびと

1.5Pain

2022年12月10日
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意図せぬ妊娠という点では4月に公開された「TITANE」が見比べる作品になりました。あちらに比べるとエンタメには昇華できてなかったなという印象を持ちしました。

女性が感じる出産の痛さは映像を通してグロテスクな感じもあいまり直視するのも厳しいくらいのものが体感できました。語り文句の「彼女を体験する」は事実だったんだなと思いました。

ただ、それ以外が個人的に面白いと言えるまではいかず、少し身勝手だなと思ってしまう場面が多かったのが事実です。出産するのではなく、子供を堕ろすことを先に考えている割には行動が鈍く、そしてそこまで焦っていないように見えたのが要因だと思います。このテーマにそこまで精通していないというのも大きいとは思いますが。

刺さる人にはとことん刺さるんだろうなという作品でした。う〜ん金獅子賞との相性はイマイチかもしれないです。

鑑賞日 12/7
鑑賞時間 18:40〜20:30
座席 C-3

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ブレミンガー

3.0女性は強し

2022年12月9日
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怖い

興奮

難しい

原題:L'evenement(エヴェヌマン)英題:Happening
訳:事件・出来事なので
「あの事」が正解か。
ずっと「あの子と」と思っていた。
作家アニーエルノーの実体験を元にした小説を原作とする。
フランスの歴史(ヴィシー政権あたり)を把握しておくと理解が深まる。
ナチスに屈服したヴィシー政権下、第1次大戦敗北の原因が「子どもと武器が少なすぎた」として、出生率向上を掲げ、堕胎施術常習者を「国家に対する殺人者」として死刑にできるよう法律を改悪した。
実際、1943年に普通の主婦だったマリー・ルイーズ・ジローがギロチンにて処刑されている。(この人を題材にした映画もある)
1975年に中絶が合法化する流れができるまで、何十年も中絶禁止の社会が存在し続けた。

このような世相の1963年がこの物語の舞台である。
が、主人公は普通に男遊びもしており、割としたたかである。

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YOU

2.0あらすじ以上の事はない。悪くもないけれど。一つ素晴らしい点は、フレ...

2022年12月9日
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あらすじ以上の事はない。悪くもないけれど。一つ素晴らしい点は、フレームサイズをスタンダード(1:1.6)にしたこと。この演出は文句無しに良い判断。

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kazuyuki

3.5生まれた時代が悪いのか、それとも何が悪いのか

2022年12月9日
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恋愛はしたいが子供は作りたくない(いや、作ってはいけない)、ならば避妊はきちんとね。
鶏が先か卵が先かみたいな議論になるかもしれないけれど。
昭和の日本でも古い貞操観念や道ならぬ恋の末、水に入ったり高い所から飛び降りたり、子供を流してしまおうとする行為は見かけられたはずですが、フランスも同様だったのですね。
作品を通してずっと感じたのは主人公の過剰な自己中心さ。
周囲への当たりが強過ぎで、それが痛々しさに拍車をかけたような気がしました。
まあ、本人が学業成就を願っているので子供は厄介な存在だったのでしょうが、12週間、一度も子供の命に想いが至らず、ただただ何とかして堕したいとしか思わなかったのでしょうか。
彼女が20年、30年先に自身を振り返った時に、
自ら授かった生命を望まないからと、その生命に寄り添わず絶ってしまったことをどのように考えるのだろうと、悲しい気持ちを抱えたままスクリーンを後にしました。

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ニコラス

4.0痛い

2022年12月8日
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男性の私が、ここで何かを言うことにも、また何も言わないことにも抵抗を感じてしまう。そのくらい単純に善悪や道徳不道徳の話として整理できない話だよなぁ、と思いつつ、それでも男性としては、どうしても居心地の悪さというか、バツの悪さというか、そんな居たたまれない気持ちを抱きながら観ることになった。

語弊があるかも知れないが、この作品が「ずるい」のは、決して主人公が一片の落ち度もない完全たる被害者かというとそうではないところ。
むしろ身勝手ささえ垣間見える一人の若い女学生。綺麗事ではない、だからこその切実さがある。

どうしてもこういう話は「自業自得」とか「自己責任」という理屈で片付けようとする勢力がある一方で、目の前の欲望が「過ちである」と知りつつ流されてしまうなんてことは多くの人が経験しているはず。

でも、こと「あのこと」に関しては、その肉体的・社会的リスクを当事者の男女二人の内、女性だけが被ることの不合理について、妊娠を望む望まないに関わらず、この作品が描く時代から60年経った現代も変わらず存在し続けている。

この物語は「どうしたら犯罪者になることなく堕胎するか」を通して「中絶を犯罪とするという社会的暴力」への視点で話が進んでいくが、その裏側には「(60年経った今でも)年齢に関わらず、子供を産み育てながらも自己実現が可能な社会がなぜ作られないのか」という皮肉も込められている。

妊娠を打ち明けられた友人男性が、むしろ自らの性的好奇心や欲求を露にしてしまうクダリなんか、恥を承知で言うなら、私が「少なからず好意を持っている女性に対して、お前は絶対にそんな気持ちを抱かないのか」と言われたら返す言葉が見当たらない。

苦しみ続ける主人公の心と身体、そして自分の下劣な人間性にも向き合わされる、本当に心と身体に「痛い」映画だった。

追伸:個人的には結構な「食欲減退ムービー」だと思うので、観賞直後のお食事の予定などは避けられるのがオススメです。

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キレンジャー

4.0やりたくてやって何が悪い。

2022年12月8日
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だいず

4.513階段

2022年12月7日
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U-3153

4.0あなたならどうする?

2022年12月7日
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トラヴィス

3.5女性のリスクを体験する

2022年12月7日
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望まぬ妊娠をしてしまった女性の視線で、流産するために苦闘する状況を疑似体験させるという内容で。
(作品のベクトルは全然違うけど『1917 命をかけた伝令』なんかを思い出したりして)

ちょっとしたホラー並みのシーンがいくつかあって怖かった。

つくづく、(男女とも)快楽や雰囲気に流される思慮のなさの愚かさと。
妊娠というのは女性の命と未来の可能性を危険にさらすことであると、特に男性は認識したほうがいいと思わせてくれました。
あと、理性的な人間でも、追い詰められると焦りに加えて、ホルモンバランスの崩れなどで感情に支配され、正常な判断が出来なくなる。
そんな主人公を、アナマリアさんが見事に演じていてすごかった。

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コージィ日本犬

3.5フィクションとは言え痛過ぎます。。 エンタメ映画ではないですが、高...

2022年12月6日
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フィクションとは言え痛過ぎます。。
エンタメ映画ではないですが、高校生男子には教育映画として見せたいですね。
中絶が違法な時代が有ったとは知りませんでした。

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やまぼうし

4.5「避妊はしたくないけど子供は欲しくない」なんて言っていた芸人よ

2022年12月5日
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ウーマンラッシュアワーの村本大輔、お前だよ、お前にこそ見せたいよ。
この主人公の背負う苦しみ、痛み、焦り、絶望。

男は簡単だよ。射精して気持ちよくなってそれで終わり。
セックスするのは簡単だが妊娠したら中絶するにしても出産するにしても莫大な負担を背負うのは女性だけという非対称さ。出産なんて全治4か月だし最悪死ぬ。子供を育てるのはそこからがスタートだ。望んでも心身経済ともに苦しいことがある子育てなのに、望まなかった子を育てるのがどれだけ女性を苦しめるのか想像に難くない。
いまだに子供ができてキャリアが途絶えるのは女性ばかり。「男性は産休育休とるから採用しにくい」なんて言われない、女性は言われる。妊娠してなくても彼氏がいなくても独身でも言われる。

ここ最近も米国で中絶禁止になる州が相次いでいる。レイプされて妊娠しても中絶ができなかったり、日本でも中絶に相手の男性の同意が求められる。自分の体のことなのに自分で決められない。女性の権利はいつも危機に瀕している。

男性にこそ見るべき映画だ。
フランス映画祭でも上映された作品だが意外と男性客が多かったのが救いか。

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Jax

5.0覚悟したけど

2022年12月5日
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怖い

観ていくにつれ、自分自身がアンヌになった気分に。もうその怖さといったら。時の経過と共に恐怖も増した。鑑賞前に覚悟したけど、目をギュッと瞑ってしまったシーンがいくつか。
久しぶりに、とても秀逸な作品に出会えた。

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ちーきー

4.5正直、凄まじすぎて、きっつい内容に─

2022年12月5日
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怖い

難しい

ありがちな、できちゃった話。それがこれまで以上に強烈でグロく、しかも男女の差というのも強烈に感じさせる、相当深い作品だったように思います。
正直、キツすぎて、何度歯を食いしばって手を握りしめたことか─。内容もさることながら、この女優、スゴすぎます。本当に演じているのか、本当に快楽や苦痛を与えられているのか・・・本当だったらやばいんですが、演じているだったらスゲぇと感嘆するしかありません。
決して見ていて気持ちの良い作品ではありませんが、見る価値はあるかと─。

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SH

4.0若き日の過ち

2022年12月5日
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泣ける

悲しい

難しい

2022年度ノーベル文学賞を受賞したフランス人作家
『アニー・エルノー』の小説〔事件〕を基にした、と
エンドロールで触れられる。

劇中の主人公は1940年の生まれとの設定で、
作家本人も同年生まれなことから、
おそらくは自身の若き日の実体験をもとに綴った
半自伝的作品であろうと察しは付く。

望まぬ妊娠をした若い大学生が
中絶をするための孤軍奮闘。

1960年代初頭のフランスは
人工妊娠中絶が違法とされていた時代。

ありがちな他のケースと同様、
主人公の『アンヌ(アナマリア・ヴァルトロメイ)』は文献を調べ、
独力で対処しようとするが、どれも有効には機能しない。

こんな時に相手の男性は頼りに成らぬのが世の常。
また、女子寮の親友達も、罪に問われる可能性を恐れ、
積極的には助力しようとはせず。

あまつさえ、妊娠の心配がないことを
都合よく利用しようとする輩も現れ・・・・。
もっとも彼は、
それなりの対価を払ってはくれるのだが。

直近のアメリカでの上・下院の中間選挙で争点の一つとなったほど、
人工妊娠中絶については今でも、各国で大きな論争の的。

とりわけ西洋の国々ではキリスト教的倫理観が絡んで来るので、
更に旗幟が鮮明になりがちな傾向。

〔17歳の瞳に映る世界(2020年)〕でも
同様のテーマが扱われ、
これはたまさか米国が舞台も、
二人の少女は親に知られることを恐れ、
また、自分達が済んでいる州は人工妊娠中絶が非合法なことから
認められている州迄移動し、処置を望む。

その経緯で、大人たちの搾取に合うのも
やはり同様の流れ。

古くからある、明快な是非を付け難い命題も、
少なくとも選択権お保証や
不当な行為が横行する可能性だけは排除すべきなのだろう。

とは言え本作での『アンヌ』の姿はあまりに痛々しく、
観ていて胃の腑をぎゅっと掴まれるような寒々しさを覚えるのも
また他方面の事実。

時代とは言え、女性が自身の道を選択するためには、
これほどの代償を支払わねばならぬのか、との。

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ジュン一
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