「優先すべきことを見失わず行動した大学生の記録」あのこと Kさんの映画レビュー(感想・評価)
優先すべきことを見失わず行動した大学生の記録
私が当然の権利だと信じて止まず、そうではない世界があること自体信じられないと思っても、世の中はそうでもないことがいくらでもある。でもこの映画はそういったことの是非を考えることからは切り離して、ただ一人の大学生が自分の優先すべきことを見失わず、自分の頭で考え、不安に押しつぶされそうになりながらも行動した記録として鑑賞したい、そう思った。まだ若い大学生であり、行動は手探りで危うい。できることは今よりずっと限られている。観ていてやきもきする。でも彼女の鋭い目にエールを送りたい。
「あのこと」とは、口に出しにくい過去の出来事をほのめかす時に使うものだ。時間的、空間的、心理的に一定の距離をおくことに成功したからこそ、「この」でも「その」でもなく「あの」と言えるようになる。邦題がそれとなく示すものはとても深いと思う。
コメントする