「時代は違えど」あのこと AKIRAさんの映画レビュー(感想・評価)
時代は違えど
無邪気に見える仲良し3人組からのスタート。
一緒にパーティーに行き、飲み物はボトルに入ったコカ・コーラ?噛んだガムを分かち合うほどの仲の良さ。
フランスの光と緑溢れる一見、多幸感を感じられる大学生活。
でも… アンヌは妊娠していて、そこからは観ている私たちもアンヌの視点で一緒に妊娠擬似体験として引き込まれて行く。
現代の日本に生きる我々ならば、中絶という選択肢があるかもしれません。それが正しいのかは別ですが。
しかし、途中で気づきました。1940年生まれの彼女が生きていた時代は1960年代。
カトリックが多数を占めるフランスでは中絶をする人も幇助する人も重罪のようです。
そこからは本当にアンヌと同化。育っていく胎児と大きくなっていく不安。不安とは狭められる自分の未来。
今でこそ、家族があっても子供がいても社会が認めてくれるかもしれないが、当時は子供が出来たら主婦となるしか,道は無いのでしょう。それが主婦になる病。
妊娠が分かるとあれだけ仲が良かった友達も皆んなが去っていく孤独。アンヌの心の痛みと身体的な痛みの擬似体験、本当に痛いです。そしてその痛みは女性だけの痛み。アンヌの目力が段々心細くなり弱々しくなっていく様、そして最後の再度の輝き。
女性にだけこんな厳しい状況を作っていたのは男性社会ゆえか。
AKILAさん、共感ありがとうございました。
キリストの教えでは、アダムとイブが、禁断の実を食べた罰として、男性には、労働を。女性には出産の痛みを与えたそうです。なので、禁断の実を食べたのに、その痛みから逃れられるとでも?っていう意味もあるのかな?キリスト教は、よくわからないですが。
罰則としての労働、出産というのは分からないなあ。
まあ、時代は変わっても、男性しか、女性しか、男女共に味わう三種類の痛みや苦労はあるだろなと思います。