「血に纏わる映画」パラレル・マザーズ ゆみありさんの映画レビュー(感想・評価)
血に纏わる映画
スペイン内戦で殺された祖父の遺骨の発掘に80年という歳月をも超えて拘るジェーン(ベネロペ・クルス)は娘を取り違えられたシングルマザーでもある。どちらも血に纏わる問題である。
赤ちゃんの取り違えでは、取り違えられた相方の若い母親アナとの関わり、やりとりがいろいろなことを考えさせられる。アナの行動は若さゆえか、国民性の違いか分からないけど、ジェーンに対する気遣いがなく、直接的に怒りを表現していたのには驚かされた。しかし、すぐに和解し、よい人間関係を回復できたのは見習うべきなんだろうなと感じた。日本人だったらあのように振る舞えるか、あるいはわだかまりなく関係を修復できるだろうかと考えながら観てました。遺骨の回収、ジェーンとアナ、ジェーンとアルトゥロとの関係を含め、題材は重いものの、ハッピーエンドの楽しい映画でした。
アルモドバル監督の撮る映像は、どれも vivid な Color が美しい。この映画も例外ではなく、とりわけ血を意識してか、赤の美しさが印象的でした。
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