「血と骨」パラレル・マザーズ カールⅢ世さんの映画レビュー(感想・評価)
血と骨
大航海時代以降スペインが植民地統治した中南米やフィリピン。そこで生まれた彼らのDNAを引き継ぐ者たち。
もちろんそれは女性の存在を抜きには考えられない。
ぺルロ・アルモドラル監督がゲイであることを考えると、母性やご先祖様への崇拝が年齢を重ねるごとにより強くなって来ているからなのかと。新生児取り違えやアナの妊娠の秘密は戦争や略奪に絡むヨーロッパ人の黒歴史の暗喩なのかとも。先祖の骨の発掘の話しからつい、スペイン人が滅ぼしたインカ帝国などへの罪滅ぼしみたいな気持ちもあるのではないかと。
考え過ぎ?
そんなことを考えながら、うつらうつらしながら観てしまいましたが、翻弄される人生であっても、温かい共同体による未来への希望が感じられました。友人役のロッシ・デ・パルマにはもたれかかりたくなるようなどっしり感がありますし。
ペネロペ・クルスとミレナ・スミット(アナ役)がとても素敵。分娩待機室から一緒だと友情が芽生えるのはよく聞く話し。平行する線路のように続いてゆく産みの親と育ての親の未来に確かな希望を見た気がしました。
色白のアナの産んだ娘(ペネロペ・クルスが育てている)は色黒で筋肉質(堅太り)の赤ちゃんでした。やっぱり、ペネロペ・クルスの産んだ突然死した赤ちゃんの方がかわいかったような・・・・・
今晩は
コメント有難うございます。
ペドロ・アルモドバル監督作品ですからね。
色んな観方、鑑賞側に委ねる監督だと私は思っていますので、自由に感想を書かせて頂きました。
起承転結が綺麗に整った作品も好きですが、観る側に”何故”と考えさせる作品が好きですね。
あと思ったのが、邦画は湿性感ある作品が多いと思いますが(泣く・・)欧州の作品は、乾性感ある映画が多いと思っています。では。