「鑑賞中には分からなかったこと」パラレル・マザーズ グレシャムの法則さんの映画レビュー(感想・評価)
鑑賞中には分からなかったこと
クリックして本文を読む
ジャニスにだってそれなりに言い分はあるはずなのに。
いや、見方によっては〝不都合な真実〟と正面から向き合ったうえに、自分のこどもの不幸まで受け止めたジャニスを責めるなんて…
などと感じてるようだから、自分は浅いんだな、と思わず苦い心持ちにさせられました。
少し時間を置いてから、あらためて振り返ると意外な気付きがありました。
事実を明らかにして、伝えるべき人に伝える。
その事実の〝当事者〟の立場でそれを遂行することが、いかに大変か。秘密を抱え続け、もう少し先送りにすることだってできたのに、ジャニスは自分がすべきと思ったことはちゃんとやる。
取り返しのつかないこと(内戦時の非人道的な行為もそうだし、病院での取り違えもそうだ)を今になって自分も被害者なのだと声高に責め立てるのではなく、救えるものがあればそれを救うことが最優先される。そのために出来ることを粛々と行う。
暴力や威嚇に走りがちな男たちよりも(この映画にはそんな男は出てきませんがひとたび戦争や争いが起きれば明らかです)、よほど人間としての強さを感じるのです。
ペネロペさん、じわっと伝わってくる強さを見事に表現していました。
コメントする
ミカさんのコメント
2022年11月14日
ご無沙汰しています。これから性別がなくなっていく世の中になると思いますね。100年後はどんな文化になってますかね?父権的な社会は良い芸術ができそうにないです。やはり、自由がないとクリエイティブな思考ができないですしね。