ある男のレビュー・感想・評価
全141件中、21~40件目を表示
愛した男はいったい何者なのか?ただの謎解きものではない良作でした。
Amazonプライムで視聴。第46回日本アカデミー賞にて最優秀作品賞を含む同年度最多の8部門受賞作品とのこと。
簡単なあらすじとしては、宮崎の田舎に暮らす寡婦の女性里枝は、ある時移住してきた「温泉宿の次男」と語る男性大祐と恋に落ちる。幸せな数年を過ごすも大祐は仕事中の事故で他界してしまう。一周忌で温泉宿の長男が訪ねてきたが、そこで愛した男性大祐は全くの別人だということが分かり・・・。いったい自分が愛した大祐は誰なのか?ってのが大まかなストーリー。
一見主人公は安藤サクラ演じる寡婦の女性里枝かと思いきや、里枝から大祐の身元調査を受けた妻夫木聡演じる弁護士の城戸が主人公。調査を進めていく中で、大祐が死刑囚の息子であったり、プロボクサーであったりと徐々に謎めいた人物像が解き明かされていく流れ。
単に謎解きモノではなく「死刑囚の息子」という呪縛に苦しむ大祐の姿や「在日三世」という自身に悩む弁護士の城戸、「戸籍のなりすまし」という問題に絡めて色々と考えさせられる作品。
特に良かったのが、主役級の妻夫木、安藤の演技は勿論素晴らしいのだが、脇を固める助演陣、特に途中で出てくる服役中の詐欺師柄本明の演技が素晴らしかった。「差別的発言をストレートに行う嫌な人間」っていうのが、これでもかというくらいに見せつけられる。
なお、劇中最後の依頼解決後数年たったバーのシーン。シーンの意味がよく分からなかったが、他の方の考察等を拝見し、あの時城戸が「何と名乗ったか」というのを考えさせるシーンであったと理解。自身の理解力の無さに呆れるばかりだが、なるほど、確かに面白い。
ついでに知ったことだが、作品の最初と最後に移る絵は画家ルネ・マグリットの「複製禁止」という作品らしい。上記の考察とともに、作品の内容と照らし合わせると色々考えさせられる、見た後の余韻がとても良い作品でした。
窪田君の演技
気になっていた映画でした。
窪田君の殺人者としての演技、怖かったです。
あんな場面をみた子どもって、まともに育つのだろうか…
実際…
でも、変わりたいから、まともに行きたいから、
外側から変えていったのですよね。
いろいろ考えさせられる映画でした。
暗く重たく染み入る
あっさりと夫が死に、あっさりと実は夫の名前は全くの別人だったことがわかる。それ以降はむしろ妻夫木聡がメインとなってXさんと素性を探る。
自分という存在は何によって決まるのか。実存だとか原作者の主張する分人主義だとかの話に最終的に行き着くのだろうが、その手前の段階として普通に物語としていい。
戸籍を変えると別人になるのか
父親が代わり苗字が変わると別人になるのか
死刑囚の息子は死刑囚の息子でしかないのか
温泉屋の息子は温泉屋の息子でしかないのか
在日は在日でしかないのか
帰化して名前を変えるのはなりすましなのか
安物のワインにビンテージのラベルを貼る例え。
中身を分かってる奴なんて案外いないと。
死刑囚の息子が、鏡の中の自分に死刑囚の父親を感じるシーンはなかなか切実
田中慎弥の共喰いにも似たような感情描写があった
ボクシングをしてその顔を傷つける
ボクシングが強いのも死刑囚の息子だからなのか
妻夫木聡の奥さんの家族もなかなか
生活保護や在日へのヘイトがリアル
そういった捜索を経て戻ってくると、最初に当然のように描かれた日常風景がどれほど優しい時間だったかが視聴者にもひしひしと伝わってくる
よかった
役者がみんなよかった。
前半が幸せでとても丁寧でこの謎を本当に知りたくなる。
安藤サクラと家族と過ごす彼を見てたから変な推理をしないで見た。
林業の男(大祐またはX)を演じた窪田正孝がすごくいい。絶妙。
いろいろわかった後に彼を思う。
人によってはX(窪田正孝)と自分に線を引いて遠いものとして彼について何も思わないかもしれない。
他人事だと本物の大祐の兄(眞島秀和)みたいにわからないで終わる。
妻夫木聡演じる弁護士を通して見たから視聴者にも届いたと思う。弁護士は自分のルーツから嫌な経験をしてて、Xの生きづらさを考えてた。
弁護士(妻夫木聡)のつらさは、在日だからと色々言われるのも嫌だろうけど、目の前にいる自分がどういう人か知ってる人も、ルーツの偏見を捨てられないで接してくることだと思った。
安藤サクラの正体を知った後だけど「知らなくてもよかった」っていい。うれしい言葉。
でも、
世の犯罪者のご近所や知り合いが取材されたとき、いい人だったとかそんな事するような人には見えなかったとか、人には隠れてる面があって見たままではわからないこともあるから難しい。
犯罪じゃなくても浮気とか、目の前の人が分からなくなるものはあると最後わかりやすく描かれてた。
どんな生まれとか関係なく、最低なことは誰でもするし、最低な奴には誰でもなれる。
血のつながりとか生まれながらのもののどうしようもなさ、それを悪く思われて扱われるつらさを感じて考えた。
親と子、血のつながりがあっても別人で同じではない。
容姿は確かに似てるが同じことをするわけではないと見ててわかるけど、親子で描く絵が似てるのはあれなんだろう。血のつながり・容姿・絵で三つ同じところがあるから、こういう共通点が多いと知らない人は怖いと思うのかもしれない。共通点はあっても関係ない、と彼を知らない人はわからない。
この映画をミステリーだと思って見てなかった。
安藤サクラの子供ゆうとの最後のシーンは泣けた。ゆうとがいたからミステリーではなく、人が亡くなって悲しい気持ちを忘れず、Xが亡くなったことを悔やむことができた。
世にも奇妙な物語?
様々な社会問題を、深刻ではあるけど説教臭くない程度に展開させるストーリーは見ごたえがあった。
ただ、最後の最後で誠の幻想を見たり、城戸が戸籍ロンダリングで、谷口に取って代わったような事を示唆したことで
これまで観てきた事が、本当のことだったのか分からなくなってしまった。
そもそも大祐が里枝とお友達になろうと思った魅力って、どこで感じたんだろうか?
様々なテーマが凝縮された良作
遅ればせながら配信で視聴。
映画館で見ていたら、暫く呆然としてしまっていた気がする。
国籍による差別、親の境遇による周りからの目線、家族関係…別の人生を生きることでしか脱却できない悩みや苦しみがあるということが、非常に説得力のある形で描かれていた。
本作に印象的なモチーフとして使われている「複製禁止」、および謎解きの大きな鍵となる窪田正孝演じる小林謙吉/原誠の描く、顔のイメージが一部ぼかされた絵画も、ルネ・マグリットがモチーフとなっているだろう。
ルネ・マグリットも、彼の絵画人生に母の自殺が大きく影響しており、この作品との繋がりを感じさせられる。
そして衝撃のラスト。妻夫木聡演じる弁護士の人探しの旅は、自分の人生探しの旅であったのかもしれない。
母と息子の描き方も非常に素晴らしかった。息子の演技も圧巻。個人的には、まだ何も知らない幼い娘がこれからどのように育ち、自分の境遇と向き合っていくのかについても考えさせられた。
短い時間ながらも、一つ一つのテーマを可能な限り丁寧に描いていると感じる良作。
家族が犯罪者
家族が人殺しのせいで人生がだいなしになるシリーズ、過去の代表的な類似背景ならば【手紙】山田孝之 が素晴らしかったが、これもなかなか最後まで見させられた感があります。
👌
出自…
それは自分では選ぶことができない。殺人犯の息子という事実を消し去りたかった。僅かな時間だったが宮崎での生活は幸せだったのだろう。残された家族は複雑だろうけど、特に幼い娘は。ラスト在日の弁護士は妻の浮気で今の生き方を捨てたのだろうか。元々妻やその家族とは合ってなさそうだが。人によっては辛い過去、逃げ出したくなる今があり、人生をリセットして生きていきたい、ということ。柄本明は怪演だった。
ある男のあるという事
「ある男」平野啓一郎さんの原作の小説を読んだ時にも衝撃的な作品だなと感じる部分がありました。
この映画化された作品もまた違った印象を受ける事が出来ました。
窪田さんの父の役と現在の役の対比がとても印象的でした。
安藤サクラさんの安心感を与える表情も良かったです。
妻夫木さんの真実に近づくにつれて、自分の存在というものに謎を迫る姿も良かったです。
自分が結婚した夫、全然知らない人であった。では、あの人は、誰なの?そんな謎からその人の真実の近づく事になってくる。
自分が知っている部分がその人の全てでは、ないのかなと感じました。
その人が実は、悪い人かもしれない。もしくは、自分が感じているままの人かもしれない。
それは、全てがそうではないと思う。なぜなら、生きていれば環境や状況が変わればその人の考え方も自分の考え方も変わってしまうから。
とても文学的な作品で見終わった後に自分の存在は、本当は、誰なのだ。誰でありたいのかなと考えたい。
このまま生きている事に生きていたい。何を望んでいたいのかなと思いました。
あなたの過去など知りたくないの~♪
愛した夫は別人でしたというから、謎めいたミステリーものだと思ったら、事故が起きるのは20分後、ようやく真相に迫る戸籍売買人の下りが50分後と超スローテンポ。
主人公の弁護士は在日3世、謎の男は死刑囚の息子、いわれのない蔑視や差別に悩むのは共通項で世間の差別意識に物言う社会派ドラマ的でもある。
原作の平野啓一郎は分人主義者(自分の中の複数の人格すべてを「本当の自分」だと捉える考え方)だそうだが監督の石川慶も東北大学で物理を学んだ後、映画監督を志しポーランドのウッチ映画大学に留学し演出を学んだ変わり者、自分探しのためにあえて海外に学ぶ道を選んだようだが二人には、「自分とは何か」という共通する哲学的テーマがあったのでしょう。
ただ、キャスティングや演出は自分好みでは無いので観ていて違和感が否めなかった。
柄本明、安藤サクラ、小籔千豊、きたろう、でんでんと癖の強い人を好むようだが本人の存在感が強すぎて役ではなく本人にしか思えない、これもテーマに沿った監督の意図なのでしょうかね。
最近も昭和の連続企業爆破事件の犯人が偽名で50年も潜伏していたというニュースを観たばかりだからか、犯罪者かと想像したが「砂の器」のような悲劇、もっともこちらは単なる現実逃避。
ミステリーにしては雑味が多すぎるし、稚拙な心象描写っぽいシーンが多すぎ、特に自身も別人に変わろうとする弁護士のラストシーンは蛇足でしょう。
生命保険の件があるから本人探しを弁護士に依頼したんでしょうね、愛していたなら戸籍などどうでもいいし、生前の夫の苦悩を知っても今更どうなるもんでもありません、安藤サクラの心のうちは、あなたの過去など知りたくないの~♪の唄でしょう。
過去を捨てるということ
映画の流れとしては前半部分がかなり退屈でしたね。事件が起こるまでがすごく長く感じました。その分は減点です。
減点しましたが、この映画で主張したいことがこれでもかと伝わってくる迫真の演技、映像が素晴らしかった!
妻夫木さんの在日三世を指摘された時の困ったような、それでいて怒っているような実に複雑な表情の演技がとてもよく、それがあってこそのラストシーンだと思います。
もちろん主演の妻夫木さんは素晴らしかったんですが、戸籍交換をして生きていた誠を演じた窪田正孝さんのものすごくリアルな演技がなければこの映画は成立したかったと思います。前から知っていましたが、これは最上級の演技ではなかったでしょうか。人殺しの息子のレッテルを剥がしたく苦悩した末に表舞台にたちたくないとはっきりとしたメッセージを残し、戸籍を二度も変えて、ようやく安らぎの生活を手にしたのに事故死。曽根崎時代の演技はなかったですが、原誠時代、谷口大祐時代の2つの演技は本当に素晴らしいものでした。
どこか行っちゃってた伊香保の旅館の次男坊谷口大祐が中野太賀さんなのは、超もったいない。もっと演技させてあげて!!
原作を知らないのですが、この三本柱の人生の機微が描かれているのが本線なんでは無いのかと思いました。もしくは元々曽根崎だった人も含めて描かれているのかもしれませんね。最初の結婚に至るまでの描写を少なくして、中野さんの部分を厚くして欲しかったな。
まあ、とにかく心に響きました。
ぜひみんなに見て欲しい。
「本当の自分」に捉われずさまざまな「顔」を持つことを許容すべしという人生哲学
本作は地味ながら、次のような2つメッセージを含んでいる。
① 人間は多様な「顔」を見せながら生きているもので、そのどれもが自分であり、どれか一つだけが真実の自分ということはないという人間観。
② とするなら、自他ともに「一つの自分という顔」に捉われず、さまざまな「顔」を持つことを肯定したほうが、人生をよりよく生きられるという人生哲学。
①の人間観の基は、原作の平野啓一郎が提唱する“分人主義”で、対人関係ごとに分化した異なる人格を“分人”と呼び、それら複数の人格すべてを「本当の自分」として肯定的に捉える考え方だという。
この考え方自体は、決して新しいものではない。小生には例えば、次のような文句が思い浮かぶ。「人間の本質とは、個々の個人の内部に宿る抽象物なのではない。それは、その現実の在り方においては、社会的諸関係の総体なのである」(マルクス「フォイエルバッハに関するテーゼ」)
そして、本作の新しさは、②の人生哲学にあるだろう。
例えば、本名不明のまま死んだ男は、少年時代に父親の殺害現場を目撃してしまい、以後ずっとそのトラウマに悩まされる。それは「自分はあの凶行を行った人間の子供である」というイメージであり、その重圧から逃れるために二度にわたり戸籍を入れ替える。
彼の正体を調べる弁護士は日本に帰化した元在日朝鮮人で、やはりことあるごとにそのレッテルに苦しめられている。彼が死んだ男の身元捜索に入れあげるのはこの共通点があるためで、それは「気がまぎれるんだよ、他人の人生をおいかけてると」という述懐に表れている。
つまり、二人とも「殺人者の子供だったり、在日朝鮮人である」という「本当の自分」に捉われ、苦しんでいるのである。
映画は弁護士の調査過程を通じて、死んだ男の妻や子が彼の経歴を知った後も愛し続ける姿、死んだ男と名前を交換した男の場合は、名前変更後もかつての恋人が自分を思い続けてくれるのに涙する姿、在日朝鮮人を侮蔑する懲役囚の卑劣な姿等を描いていく。それを通じて、「人間の本当の姿」などに捉われていることの愚かさが浮かび上がってくるのである。
事件の終了後、弁護士親子3人はレストランで昼食を摂る。そこで妻のスマホをたまたま見た弁護士の眼に飛び込んできたのは、妻と不倫をしている男のメールだった。しかし、彼は特に何も言わず、スマホを妻に返す。
ラストシーンでは、弁護士がバーで自分の経歴を平然と偽って語る。それはいたずらとは思えず、むしろ意識的に「自分の顔」から離れて生きる方が、人生の困難は乗り切りやすいと言っているように思える。人生哲学たる所以である。
なお、以上のように見てくると、ルネ・マグリット「複製禁止」の絵の解釈も自ずから定まってくる。それは「人間には『本当の顔』などない」という意味に違いない。
妻夫木聡が素晴らしい。
日本映画『ある男』を観た。
原作(平野啓一郎)は未読なので、小説との比較は当然できず、シンプルに1本の映画として観た。
「退屈な日常」が描かれているのかと勝手に予想していたが、その予想は大きく外れて(平野啓一郎がこんなに娯楽性の高いストーリーを紡いでいるとは知らなかった)、物語は(線香のシーンから)一気に不穏でミステリアスになる。
「どうなるねん、この先……?」
と、否応なしに惹き込まれていった。
脚本が自然で、役者陣が皆、達者だから、(非日常的なストーリーなのに)リアリティーは一貫して保たれている。抑制の効いた演出も秀逸。そして何より妻夫木聡の存在感と演技が素晴らしい。
ラストの(『衝撃の』的な)オチは正直どーでもいい。そこへ至る過程の中に、この映画の作り手の真意(差別主義者たちへの怒りと哀しみ)は十分に描かれていたし、きっと平野啓一郎が原作でこの何倍も深く、そこは書き込んでいるのだろう。
生き直したいと望む人の苦悩と希望、その切なる願いを阻まんとするこの社会の浅ましさが描かれた秀作。
誰だったか分かるだけ
................................................................................................
温泉旅館の次男だが家族と折り合いが悪く家を出た・・・
という窪田が宮崎の田舎で林業に就く。でサクラと結婚。
子供もできたが、仕事中に事故死してしまった。
ということでサクラは窪田の実家の旅館に連絡をとった。
で兄がやって来たが、写真を見て、これは別人だと言う。
ということで弁護士の妻夫木が調査を開始する。
で人と人の名前や生い立ちを入れ替える闇の男・柄本に行きつく。
刑務所で面会して話を聞くと、やはり関わってた。
窪田は3人殺した殺人鬼の息子で、プロボクサーだった。
自分の体に父親がいるのを嫌悪し、強烈な自己嫌悪があった。
ボクシングをしてるのも、自分が殴られるためだった。
ボクシングの才能はあったが、ある日自殺未遂し、姿を消す。
その後に温泉旅館の次男と入れ替わり、宮崎へ来たのだった。
こうして一連の調査が終了した時、妻夫木の嫁の不倫が発覚。
妻夫木は何と今度は自分が窪田と入れ替わって別人として生きる。
................................................................................................
劇場で見た。
配偶者が死んでみたら、誰これ?ってなった・・・・
予告編の段階から、こりゃおもしろそうと思ってた。
でも実際見てみると、つまらなくはないのだが、今一つかな。
この男誰?→こんな男でした、って分かるだけやからなあ。
特に伏線回収とか意外なつながりとかもあるわけじゃない。
あるとしたら、妻夫木が窪田に度を過ぎて肩入れしてる件かな。
何でやろ?と思ってたら、結局自分も今の人生に満足してなくて、
何者かと入れ替わって第二の人生を歩みたかったんやな。
自己実現
小説読んだことがあってずっと見たいなって思ってたやつ
分厚い本なだけに要所のシーンだけを集めました!感はあったけど、映像を生かした演出もあって良かった
面会室の手の跡のシーンとかね
血筋に囚われた男達が名前を変え、別の人生を歩む話
子は親を選ぶことは出来ないし、「血筋は争えない」などといった偏見を払拭することも難しい。
「知って思ったけど、過去なんて調べなくてもいいのかもしれませんね」
過去を知っても好きなものは好きだと言い続けられる人間になりたいと思った。
在日を取り扱うテレビの映像が雑すぎて気になった
後、息子が事故現場を見て何も言わないのはどうなんだろう?多少なりともショックはあったはずだが…
幸せのかたち
まず、自分だけのイメージかもしれませんが、安藤サクラさんというと悪役か、個性の強い役が多く「万引き家族」にしても泥臭い感じで、ノーマルな役を見た事がなかったので、普通の主婦の役が新鮮でしたし、さすがの演技力だと思いました。
そこに、いつ出てきても悪人なのか、善人なのか分からない窪田正孝さんのマリアージュは最高でした。
そして大変失礼ながら、見た目はかっこよくても「おもしろい」という作品を見たことがなかった妻夫木聡さんのこれ以上ないと思うほど、はまり役な弁護士。 美しく上品な妻に真木よう子さん。すべてのキャスティングがドンピシャだと思いました。
極悪非道な死刑囚の息子に生まれ、他人の戸籍を手に入れて人生を生き治す窪田正孝さんは、最後に家族に真実を知られてしまうけれど「優しいお父さんで、大好きだった。」と言ってもらえる。
反対に妻や子供に囲まれ裕福に暮らす妻夫木さんは、ある日妻の不貞を知る事となる。
自身の根底には「日系三世」というコンプレックスが根強く存在し続け、だからこそ、妻の不貞にも見て見ぬ振りを貫き通し、今の幸せを手放すまいと固持している。 どちらが幸せなのか? 最後に深く考えさせられた作品でした。
窪田正孝の存在感
窪田正孝が主演の映画は初めての鑑賞だったので、静かな佇まいから醸し出されるオーラに感服しました。
天才女優・安藤サクラさんと並んでも引けを取らない素晴らしい演技でした。
それにしても、安藤サクラさんはシングルマザー役が似合うなぁ…。
「X」こと原誠は、自分をロンダリングしたからこそ新しく幸せな人生を生き直せた。
最後の妻夫木くんのバーでの語りは、原誠のような生き方を羨ましく思うからこそだったんだろうなぁ。
妻夫木家のチグハグした空気感を醸し出すのに、真木よう子の棒演技が貢献していました(笑)
今ひとつ共感できなかった気がする
この映画はミステリーというよりは、ヒューマンドラマだ。前半の展開は、どうなっていくのか読めなくて,引き込まれた。
ただ,正直,そここまで自分の出自を隠したい、そこから脱して違う人生を生きたいという強い思いにあまり共感できなかった。そして,そんな立場で結婚して子供を作るのもどうなんだろう。あんなに早く亡くなるとは当然思っていないので、そのまま隠していけると思ってたのか。
彼にとっては,生まれ変わって幸せな数年だったろうけれど、残された妻と子供はどうなんだろうと思ってしまった。
全141件中、21~40件目を表示