「ナメー ロンダリング (Name Laundering)」ある男 カールⅢ世さんの映画レビュー(感想・評価)
ナメー ロンダリング (Name Laundering)
観ればわかります❗
主役は誰?と最後まで悩みました。
仲野大賀ではないです。
アタクシ、もちろん原作は未読ですが、映画との違いをつい確かめたくなりました。
角川ではありません。松竹です。
巧妙な伏線の数々に観賞後、うーんとうなること請け合いです。そして、ひりつくような毒にしびれます。
イーサン・ホークとアンジェリーナ・ジョリーのテイキング・ライブスみたいなやつだとばかり思っていました。
浅はかでした。
在日三世の人権派弁護士の城戸(妻夫木聡)は途中から出て来ます。
田舎の文具店が実家の出戻りバツイチ子持ちの里枝(安藤サクラ)。熟女の色気が出てきました。とてもきれい。義父の柄本明もナイスアシストでした。
そこへ、客として足しげく通う谷口大祐(窪田正孝)といういかにも訳ありの影のある男。役場の営林職員に応募してきた地元民からするとよそ者。趣味は絵画。ある日、里枝にスケッチブックを見せて
「友達になってください」
・・・・
「家庭がありますもんね」
「私、離婚してて、家庭はないです」
「全然、知らなくて」
「知ってたら怖いですよ」
飲食店でのデート。2歳のかわいい盛りに小児癌で死んだ次男。治療方針の意見の違いが離婚の原因と話す里枝。
「前の旦那さんとはそれで」
もう今の旦那のつもりかい!
ええ加減にせえよ。
と軽く突っ込むオイラ。
ところが、二人きりの軽トラのなかで急におかしくなる大祐をかかえるように抱き締める里枝。
どんどん進みます。
急に可愛い娘出現。
元からいた息子役の子役がまた上手い。
そして、伐採での事故。
継父を実の父のように思い、頼りにしていた息子の寂しさ。
一周忌で初めて大祐の兄という伊香保温泉の老舗旅館の社長(真島秀和)がやってきて、仏壇に大祐の遺影がないのはなぜかと里枝に尋ねるまでがプロローグ。
いや、もう秀逸な脚本のストーリーをずっと書きたいけど、やめますね。
死刑制度
在日韓国人に対するヘイトスピーチ
過労死訴訟
親の離婚で姓が変わる子供の気持ち
戸○交○斡○ブローカー
生活保護支給問題
などなど
恋愛要素(清野菜名)も織り交ぜながら、社会派ヒューマンドラマとみせかけておいての
あのオチ(笑)
日本名(通名)ではプライドが満たされず、そのために外国人と結婚してさらに改名を企てるヒトも多いですしね。
それにしても、彼女まで取られた大賀。らしいですね。
なんか特別賞でもあげられないもんでしょうか。
女優のキャスティングも冴えていました。演技巧者の安藤サクラはもとより、真木よう子、清野菜名、そして山口百恵の再来かと期待が大きい河合優実の黒のブラジャーからはみ出した上乳。トラウマのフラッシュバックからおかしくなる窪田正孝を暗闇の中で包みこむように抱きしめます。
豊胸疑惑大本命の真木よう子をここでもって来るとは。お金持ちの令嬢と結婚して帰化したけど、フェイクな生活では満たされない羊の皮を被った人権派弁護士の妻役として、実にブラックなキャスティングでした。
そして、でんでん。
しぶーい。カッコいい~
スミマセン。昔からファンなもので。
ボクシングシーンもワイルドでした。
三池監督の「初恋」を思い出します。
ついでに「百円の恋」も
原マコトにとって一瞬の輝きだった最後の3年。ボクシングストーリーとしても良かった。
コメント失礼します。
私、数ヶ月前に原作をよみました。
カールⅢ世さんのレビューを読ませていただいて、
映画の方がよりずっと素晴らしいのだと感じました。
〉あのオチ(笑)
笑えるんですか?
原作は、妻の浮気を許して子供のために家庭を守る、
そんなラストでした。
私のレビューは配信される6ヶ月後になってしまいますが、
今から楽しみです。
コメントありがとうございます。原マコトもあの事故死さえ無ければ、ナメロンしてずっと幸せだったと思います。そんな人達が現実に実在してるんでしょうね。あと、私もでんでん好きです。特にあの声がたまらない。
あくまでも個人的な感想ですが、それぞれの俳優さんが、原作の登場人物の雰囲気を予想以上に演じ切ってくれてるので、敢えて原作を読んで補強しなくてもそれほど不足はないと思います。