「もっと深く埋めたら良いのに。と思ってたら。」声もなく bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)
もっと深く埋めたら良いのに。と思ってたら。
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韓国映画のチェンジ・ゲームを実感させる映画だった。韓国と言えば「喜怒哀楽のデフォルメ」が得意技。面白いっちゃー面白いけど、逆に言うと、それが無いと詰まらなさ過ぎて見てらんない、って言う。テーマ性に欠け、映像表現に乏しく、文学的素養は皆無。喜怒哀楽デフォルメを裏返せばそうなる訳で。ハチドリが突然変異では無く、少しづつ変化が起きてる様だ、と言うのを感じました。
ラストシーンは、テインの家で姉妹の様にはしゃぐチョヒとムンジュ。男の願いは、その生活が続いて行く事だったのか。チョヒの生存戦略は、11歳と言う、その年齢なりのものだったのかも知れないけれど、警官を埋めてしまうことへの躊躇の無さや、テインを身バレさせる時の冷たい目は、計算高い打算的な本性を匂わせる。このビターでクールなとこが好き。
そうなんですよ。韓国モノのベタベタコテコテに行かないんですよ。
声なき、を、愛なき、と読み替えて。チョヒが見せてくれたのは、疑似愛だったかも知れないけれど、テインに変化をもたらし。愛で変わって行った行動は、チョヒの裏切りに会う、と言う悲劇。と言うか、自業自得。と言うか、必然の結末。
リアリティのほどは定かじゃ無いけど、ヌーべルバーグの匂いがしないでも無いストーリーが、結構好きです。
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