劇場公開日 2022年1月21日

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「趣旨が理解しがたい部分もあるけど…。」声もなく yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5趣旨が理解しがたい部分もあるけど…。

2022年2月12日
PCから投稿

今年40本目(合計313本目/今月(2022年2月度)12本目)。

映画そのもののストーリーは、他の方が書かれていることと大半重複しますし、かなりのレビューがすでにあるので同じことは省略します。

さて、映画をご覧になった方は気が付いたのではないかと思いますが、キリスト教文化を前提にする字幕や発言がいくつかあります。一方で、「普通の」キリスト教の教会(一般的には、カトリックとプロテスタント)では、「このような」(映画のような)行為は絶対に認めることはないので、「名前だけ勝手に借りて作った個人発の宗教」なのかな…というところは強く見えました(日本でも、そのような宗教や、何ら関係なく個人が作った宗教も、いくつかありますね)。ただ、いかんせんセンシティブに過ぎることもあり、映画内で読み取れるのはそれ(キリスト教を想定できる字幕がそこそこ出てくる)だけで、この映画自体はもちろん架空のお話ですが、韓国におけるそのような宗教(一部の「暴走」した宗教に対する啓発)かどうかまでは(韓国語を翻訳しても)わからない状況です。
そこは、日本と韓国とでは憲法も結構似ていますし、信仰の自由なども類似しますし、あまり「さわる」ところではないのでしょう。

ただ、そこを「さわらない」としたとき、結局のところ「発音に難がある男性と、さらわれた女児との奇妙な生活」が始まったり、あるいは「この血液型の何歳くらいの子が欲しい」というような発言(人身販売を想定できる発言も相当まずいですが、血液型で判断するという文化もあるのですね…)をどうとらえるのか…というところになります。

正直、「本当に文化的に意味はあるのだが、諸般の事情であれこれ書けないし、一般的にも書くことではない」のか、「単にそれらが出てくるだけで、実質はいわゆる「疑似家族」を描くだけの映画なのか」(または、第三の軸として、韓国に多くある各社社会の闇を圧縮したのが、あの組織だという見方)という点に関しては、これも結構探したのですが、まったく出てきませんでした。

 ※ もちろん、人脈のつてを使えば、聞くことはできますが、内容が特殊に過ぎるので、聞くのもためらわれます。

 すると、結局のところ、どの軸で見るのかが非常に難しく、一般的な理解を超えた展開になってしまうし、ラストも結構衝撃的なので(ここは伏せておきます)、どのように解すればよいのか…という点がかなり謎です。

 韓国映画って、例えばアクションならアクション、恋愛なら恋愛と、だいたい「何をテーマにするか」は最初にはっきりさせて(そもそも、ポスターからわかるようになっている)その通りに描くのが一般的なのですが、本映画に限ってはそうではないようで、実際のところ「何らかの社会問題を訴えたかったのか」「あるいは、いわゆる疑似家族を描く映画」なのかという点が、正直色々考えたのですが、わかりませんでした。

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 (減点0.3) ということが全てで、特に何度か、キリスト教文化を想定できる発言は実際に存在するので(ただし、マリア像などの描写や、教会などは一切存在しない)、「一般的にキリスト教とみなされない、名前だけ借りた宗教」を問題視して扱う映画なのか、「(一応、そういう宗教はあるという前提で)疑似家族の在り方などを描く映画なのか」という点は最後まではっきりしないところです。

 韓国映画はどちらかというと余韻はあまり残さず、解釈は普通1通りに定める映画が多いかなと思うところ、本映画は色々な解釈ができそうです。もちろんそれを良しとする考え方もありますが、パンフレット等含めても、誰でもが文献調査等できるわけでもないですし、合理的に「問題提起型の映画かな?」と思わせてしまう点は、やはり減点材料にはなるのかな…という印象です。
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yukispica