「ホラーの前後に青春がたっぷり」カラダ探し bionさんの映画レビュー(感想・評価)
ホラーの前後に青春がたっぷり
ホラーを期待して見始めたら、何とホラーループの間にキュンキュンくる青春エピソードが繰り広げられる。これは、ホラーと青春の二つの味が楽しめる傑作の誕生ですよ。
カラダ探しに召喚されたのは、一軍男子、一軍女子2名、オタク男子、ボッチ女子、不登校男子の計6名。普通であれば交わることのない生徒が、パーティを組むことになる。これは、『ブレックファスト・クラブ』や『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』と同じ匂いがする。
『カラダ探し』でも、カラダを完成させてループを脱出するために力を合わせていくうちに友情が芽生える。これがまたいいの。翔太へのいじめをループで得た記憶で、鮮やかにうっちゃったり、ボッチ女子の明日香が打ち解けていったり、極め付けは、海岸の夕日。ホラーであることを忘れてしまいそう。
ホラーパートは、怖さはそんなにないが、オマージュもたっぷりだし、潔い死にっぷりが面白い。赤い少女は、後半になると別のフォルムに変わるんだけど、このフォルムが例のヤツに似ていて楽しい。しかもルールも変わって、飽きがこない。
シナリオをキッチリ作り込めば、面白い作品ができる。やっぱり予算じゃないよ。
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