劇場公開日 2021年10月8日

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「今を生きている全ての人へ」人と仕事 aco_5030さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0今を生きている全ての人へ

2021年10月9日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

"人と仕事"タイトルの言う通りコロナ禍で生きていく人と
その人々の携わる現在の仕事について描かれていると思いきや、それから派生して"生きるとは?" "人との関わりとは?" "仕事をする事とは?" 、"何が大切なものなのか?"とどんどん広がっていく。
それぞれの立場で今考えること、コロナ禍で浮き彫りになった問題。ある人は職業分断は今に始まったことではなく
以前から変わりなくある事だと言う。またある人は対面する機会が減り社会との関わりが薄れて不安を感じると同時に、少しの声かけや、行動に触れることで周囲からの愛を深く感じることができたと言う話もあった。
また、養護施設で育ち社会に旅立つ青年のインタビューではしっかりと未来と向き合い、これから立ち向かっていこうとする覚悟に心を震わせられた。
それぞれのとてもデリケートである心のギリギリのところを、ただ優しく寄り添うように有村さん、志尊さんのお二人がお仕事を体験しながらお話をつないでいました。また、エッセンシャルワーカーに今回スポットを当てているが俳優もその1つの仕事であり、その当事者であるお二人のお話も見所。
有村さんの、より大事なことがシンプルにわかるようになったと言うように、なにが自分にとって1番大事なモノなのかの取捨選択をしながら生きているのかを再確認させられた。
コロナ前、コロナ禍でも仕事に対する考えや姿勢はほとんど変わらないという有村さんと、コロナ前、コロナ禍、大病を煩い復帰後の志尊さんのより仕事について大切に感じたというそれぞれ共感しながらも個々に仕事や、人生観について違う2人の今思う事を赤裸々に答えてくれていた姿が印象的でした。
私が本作で感じた事は、悲観的でも楽観的でもなく答えなど人それぞれで見つからないがそこには生きる事の本質を考え、自分の仕事や、役割を正面から受け止めて生きている姿をとらえてありのまま映し出している気がしている。それは、本作のインタビュアーであるお二人の包み込む人柄がギリギリのところまでインタビュー対象者の心に迫れたのではないかと感じた。
コロナ禍の今だからこそよりスッと落ちてくる問題だし、他者を知ることは改めて自分を見つめ直すきっかけを作ってくれると言うことを教えられた気がしてならない。見る前と見た後で世界が変わってしまう作品でした。

aco_5030