ブルーサーマルのレビュー・感想・評価
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飛行シーンのカタルシスがあった
アニメで空を飛ぶ描写といえば宮崎駿で、しかも本作はテレコム・アニメーションフィルムが制作しているので縁がある。『カリオストロの城』などで知られる友永和秀などの重鎮も参加していた。原作者も航空部経験者らしいが、入部の決めてはグライダーを見て「メーヴェだ」と思ったからだとか。しかも、東映で配給なので、奇妙にいろいろつながっている。
本作は飛行シーンが一番の見せ場となる。グライダーを3Dモデルを参考に、すべて手描きで描いているのは素晴らしい選択だったと思う。空をはじめとする美術も美しく、飛行シーンのカタルシスは充分にあった。グライダーが空に置かれているだけじゃなく、きちんと浮遊感があって、飛んでいる描写ができていたように思う。
主人公をはじめキャラクターもたっていて、デフォルメ使い分ける芝居のチョイスもいいし、かなり見やすい作品だった。物語は後半やや駆け足に畳んだ印象だったが、飛行アニメとして満足感高い。意欲的な企画だと思うので、こういう挑戦がもっと増えてほしい。
クラシックな魅力あふれる飛行シーンで、グライダーの魅力を追体験
上昇気流(ブルーサーマル)にのって空を飛ぶグライダーを題材にした青春恋愛譚。大学サークルの航空部を舞台にしたスポーツ物として楽しめ、予備知識がないところからグライダーの魅力を追体験することができます。主人公たまきを声優初挑戦の堀田真由氏が好演していて、長崎弁のかわいらしい感じが非常によかったです。
「ナウシカ」のメーヴェを思わせる飛行シーンが素晴らしく、とてもスクリーン映えします。今だとCGを使いそうなところを、あえて手描きの作画で描くことで、クラシックな魅力あふれる描写になっています。「ルパン三世」シリーズで知られるテレコム・アニメーションフィルムの端正な作画と、遊び心たっぷりなキャラクター芝居が両立していて、全体とおしてビジュアル的な見ごたえが大きな作品です。
パッと見ではキャラクターデザイン等が魅力的には見えないのですが、実は内容は良く、興味深い題材のアニメーション映画。
正直パッと見ではキャラクターデザイン等が魅力的には見えず、そこまで興味はひかれなかったのですが、聞きなれないタイトルや予告編のキャッチ―な曲が気になり見てみました。
そして、意外にも内容は良く、紹介すべき作品だと感じました。
まず、キャラクターデザイン等は、そもそも原作マンガがあるため、ある程度は仕方ない面もあるようです。
そして、何と言っても題材が斬新で面白かったです。
これまで私は、大学生が空を飛ぶというと、「鳥人間コンテスト」くらいしか知識がなかったのですが、実は大学には「航空部」なる「航空機・グライダーでパイロットとして空を飛ぶ」体育会系のサークルが多く存在するのですね。割と本格的な機体で空を飛んでいるので安全性は大丈夫なのか、と心配もしましたが、キチンと厳しく安全第一で気を付けているようです。
そんな未知の世界を舞台に繰り広げられる物語ですが、普通に恋愛をする大学生活を憧れていた主人公の女子大生「都留たまき」が、思いがけない出来事でこのサークルに入ることになり、まさに私のように何も知らない目線で話が進んでくれるので見やすいのです。
そもそも航空機・グライダーでスピードを競うのですが、その際に「上昇気流(サーマル)」をつかまえることで飛びます。
そんな中、まれに「雲などを伴わない、目に見えない上昇気流(サーマル)」が存在し、それを「ブルーサーマル」と呼ぶようです。
主人公「都留たまき」を女優の堀田真由が声優初挑戦しているのですが、これがなかなか上手かったです。そして、冒頭の母とのシーンからドタバタな感じなど、コミカルな面もあり楽しめます。
見て損はない作品だと思います。
最後が急展開
途中まですごく良かったのに最後だけ急展開に感じた。
倉持先輩の失踪からがストーリー的に??となってしまった。
それ以外は主人公の成長・挫折や仲間との絆等、ザ青春モノといった感じでとても良かった
【”つかまえたら幸せになれる風、ブルーサーマルを探して。そして恋した人と青い空を滑空する。”今作は、様々な人との関係性を盛り込みつつ、グライダーの魅力に嵌った女子大生の姿が爽やかな青春映画です。】
ー 普通の大学生活に憧れて長崎から上京した都留たまき。入学早々ある事でグライダーを傷つけてしまい、弁償のために体育会航空部の雑用係をする事に。
しかし、主将・倉持のグライダーで共に空を飛んだことをきっかけに、たまきは青空の世界に夢中になっていく。ー
◆感想
・私は、グライダーに乗った経験は無いので、今作を鑑賞して初めてサーマリング、バンク角と言った用語を知りましたが、この映画を見ていればその意味は分かるし、何よりもたまきが乗るグライダーから見える紺碧の空の描写や、地上の描写が綺麗だな、と思いました。
・この作品には、悪人は出て来ません。癖が強いキャラは何人かいるけれど、それも良いアクセントになっていると思いました。
・唯一、気になったのは(多分、原作では描かれているのでしょうが。)たまきの姉ちづると過去何があったのか、倉持と朝比奈との関係がもう少し深掘りされていると、物語に厚みが出るのかなとは思いました。
・けれども、ラストの国内大会でたまきが人並み以上に優れたブルーサーマルを捕らえる能力を発揮し、見事に優勝し、ドイツに留学に行き乍ら行方不明になった倉持をグライダーから探す姿や、彼女が飛ぶグライダーを地上から見ていた倉持が彼女に位置を把握するように指示する姿や、それに対したまきが、プロポーズのような言葉を涙を流しながら発する姿は、沁みました。
<今作は、一人の普通の女子大生がグライダーや素敵な仲間達と出会い、素直に成長する様や、彼女を支える仲間達の絆がキチンと描かれた映画だと思いました。
今作の様に、夢を持ち頑張る人を描いた映画は私はとても好きなのです。良い映画だと思いました。>
空、飛んでみたいな
と思わせてくれる映画でしたし、大学の頃に戻って航空部に入りたいな、と。
原作漫画があるようですが、全然知らない状態で鑑賞しました。グライダーのこと、大学生活のこと、よくあるような青春模様とか上手く組み合わせてありました。また、個人的によく知っているところ、冒頭の長崎空港とかはすぐに分かりましたし、妻沼周辺だったりはたまに車流していたりするし、霧ヶ峰周辺とか諏訪湖周りは年に何度も行きますのでよく作り込んであるなあと関心しました。
ただ、シナリオ設定が強引というか結末に向けての話の持って行き方が理解不能というか、なんでそういう流れに持っていく?無理に悲劇っぽくしちゃうの?というところはモヤモヤしますし、そもそもグライダーの仕組みだったり試合の流れや勝敗の決し方への説明は皆無でその辺の説明は最低限の必要事項として欲しいですね。今でもよく分からん・・・。新歓コンパとかで説明していく、という一コマくらい作れなかったのかなあ・・・。
いい映画でしたが、ちょっと惜しい気がしました。
登場する部員の人数がドンドン減っていきましたね。
大学のグライダー部に入部した少女の青春を描く物語。
単行本が5巻迄出ている漫画を原作にした作品ですね。
5巻分の物語が2時間の尺に収まるはずもなく、コンセプトを整理して、そのコンセプトに合わせてエピソードを取捨することが大切な作品だったように思います。
しかし、それに失敗・・・ではなく整理も取捨も放棄してしまったような作品でした。
結果、インパクトの強いエピソードがただ並ぶだけの映画になってしまったように思います。
スポーツ面にコンセプトを置くのであれば、例えば、空知とのエピソード等は割愛すべきでした。その代わり、グライダーの特性、競技のルール、競技シーン・・・そして何より主人公つるたまのパイロットとしての成長譚をしっかりと描くべきでした。
恋愛をコンセプトに置くのであれば、逆に羽鳥は登場させる必要はなかったように思います。空知もしっかりと描き、倉持と空知で揺れる気持ちをしっかりと描くべきでした。
家族をコンセプトに置かないのであれば、姉との因縁は入れる必要すらないと思います。
ラストの展開は無理があり過ぎてついていけず、なぜそんな展開になったのか茫然とすらする内容でした。
映像はそこそこレベルが高く、グライダーという題材も意外性があっただけに、残念に感じる作品でした。
私的評価は、当然のように極めて厳しくなりました。
空からの風をつかみに行こう!!
実際にグライダーを操縦しているような感覚
疑似体験をしながら、見ることが出来ました。
たまきの天真爛漫な存在感あふれるストーリーでした。
サーマル、上昇気流を捉えて!
上空から見た長野の風景は、澄み渡る青空でした。
ドラマチックに描かれていて登場人物たちに
感情移入しながら見ました。
また、飛びたい!もっといろいろ教わりたい!
曇り空から一転して、空に虹が架かったようです。
補足、たまきの声を始め声優さんたちの表現力もアニメの映像もエクセレントでした。
グライダーの魅力を知る事ができる良い作品
地方から大学の為に上京してきた女の子が、航空部に入る事で様々な出逢いと才能を開花させる青春ストーリー。
グライダーと空を飛ぶ事の魅力、爽快感。
こういうスポーツや大会があるという事も知らなかったので、危険性も含めてすごく勉強になりました。
元気が取り柄の主人公で「つるたま」というニックネームも愛着があって可愛らしい。
ストーリーも良かったのですが、個人的には成長のテンポが早すぎるなという印象。
また終盤の盛り上がりや細かい部分ももう少し欲しかったかな。
ただそれを描いてたら時間が長くなりすぎてしまいますけどね😅
爽やかな気持ちに
好奇心というピュアな気持ち、貪欲さはポテンシャルをぐんぐん上昇気流に。それが仲間を更に惹き寄せて。103分間に青春の酸いも甘いもが余すことなく。つるたまの憎めない愛らしさといったら。暗闇の中でみる澄み渡った青空の美しさがまるで彼女の心を映し出しているようで。
こっちも長崎県民
最初、キャラデザを見て苦手なヤツかと思ったが、部活物はつい観ちゃうのです。アニメでも実写でも。
グライダーはマイナー過ぎるけど、楽しさは伝わってきた。大会のルールがイマイチわからんかったけど
朝ドラ「舞いあがれ」の主人公も長崎出身で本作品の主人公も長崎出身。
長崎の女性は空を飛びたがりなのか?
才能があるにしても、全くの素人がわずか数ヶ月でグライダーの操縦がで...
才能があるにしても、全くの素人がわずか数ヶ月でグライダーの操縦ができるものなのか。
また、グライダーは風に乗るだけで何時間も飛び続けられるものなのか。
新たな発見があった。
終盤は元キャプテンの事故で緊迫感もあってからのハッピーエンド、うまくまとまった。
ブルーサーマルにのって
空を飛ぶ。
かつては人類の夢だったが、今は仕事や娯楽の面で空を飛ぶ事は当たり前になっている。
誰でも自由に空を飛べる時代。
改めて考えてみるとスゲー事だが、それが大学の部活でも行われているとは…!
疎いもんで、てっきりフィクションだと思っていた。調べてみたら、あちこちの大学に“航空部”なるものが存在し、大会も開かれている。
決して趣味や遊びの延長線上ではない。“鳥人間”とも違う。
専門的な知識を勉強し、飛行許可証も取り、本物のグライダーに乗り、真剣な姿勢と憧れで空へと飛び立つ。
学生時代に航空部に所属していた原作者の実体験を基にした小説をアニメ映画化。
キラキラしたキャンパスライフに憧れていた大学一年生の都留たまき。(最初、“つるた・まき”だと思ってた…)
アクシデントで航空部のグライダーを損傷させてしまい、訳ありで体験入部。
開幕は青春スポ根ものあるあるやベタな展開で低空スタート。
が、たまきが初めてグライダーに乗って大空に魅了されるのと同時に、見る側も心地よく引き込まれる。
この浮遊感!
風をこの肌で感じ、雲の中を進み、大空が青く美しい擬似体験…。
アニメだからと言って侮れない。いや、実写では『トップガン マーヴェリック』ぐらいじゃないとなかなか体験出来ない。アニメだからこその表現。
空は憧れや夢だけではない。
一つ間違えただけ…工具一つ紛失しただけでも命取りに繋がる。強いては死と隣り合わせ。
部活動とは言え、本物のグライダーを使う危険性。
グライダーを損傷したり、工具を紛失したり、ヘマが多いたまき。
感情のアップダウンは激しいが、基本的な性格は明るくポジティブで社交的。ライバルチームのイヤミなエースとも打ち解ける。
グライダー乗りは初心者。基本的な事も何も知らない。が、勘の良さ、天性の才を持っている。エースの先輩を感嘆させるほど。
全くの初心者が失敗を繰り返しながら少しずつ上達していくと言うより、才能を持ち併せていてみるみる開花していく。
ご都合主義な設定のようでもあるが、1クールのTVシリーズならまだしも2時間弱の尺に収めるのに展開上致し方ない。その方が話はスムーズに進んでいく。
が、話自体はちと詰め込み過ぎで、急ぎ足にも感じる。
ひょんな事からの入部~空を飛ぶ魅力。
練習試合、強化合宿、新人戦。
専門的な知識や用語も飛び交う。
王道青春スポ根展開に、たまきとエースの倉持と教育係の空知の三角関係ロマンス要素も滲ませる。
各々の進路。倉持はドイツへ。そこで事故が…。
たまきの設定も。
グライダー乗りの才は元々スポーツ万能だったから。練習試合で再会した腹違いの姉との確執。複雑な家庭環境。
ここら辺、後からWikipediaで詳細を知り、劇中では説明不足でいまいち把握しづらい。
話の展開やキャラ描写に惜しさがあった。
TVシリーズや実写でも活かせられる題材だが、本作でも醍醐味は充分。
特異な競技の部活に打ち込む青春。
人はいつでもこの青く美しい大空へ憧れを抱き続ける。魅了され続ける。
何故この大空へ飛び立ちたいか、感じさせてくれる。
さあ、ブルーサーマルにのって。
大きな青空と空から見た風景が素晴らしかった。
青い大空が素晴らしかった。これは映画館でしか味わえない。250人ぐらい入る映画館で前から3番目の席だから、大きな青空と空から見た風景が最高だった。
グライダーに試合があるのがビックリ。グライダーのことやルールのことをもっと知りたかった。
近くで3月4日(金)からやってたのに見逃して銀座まで大遠征。
2022/4/19(火) ☀️ 丸の内TOEI
つるたまの地元
グライダーの構造は知っていましたが、機械や車に引っ張って飛び上がるのは知らなかったので驚きました。
よく考えたら、グライダーにはエンジンが付いていないので、引っ張ってもらわないと、飛び上がれませんね。
しかし上昇気流だけで、あんなに高いところまで行くことが出来るのも知りませんでした。
南アルプスより上?凄いです。
劇中のフライトシーンは、自分がグライダーに乗ったような気分になりましたね。
ストーリーの流れについては、特に突っ込みたいところはありませんが、最後のドイツの話はオリジナルストーリーでしょうか?
ストーリーの締めには問題無いと思うのですが、少しだけ違和感がありました。悪くはないんですけどね。
そういえば、冒頭でつるたまと母親の会話を聞いていて、あれ?この方言は?と思ったら、つるたまの地元は長崎でした。
同じ地元なので、嬉しかったです。
九州は福岡が人気ですが、長崎をテーマにしたアニメ作品を、もっと作って欲しいですね。
空の青さと上昇気流を知る人よ
『空の青さを知る人よ』という映画がありました。
井の中の蛙大海を知らず
されど空の青さを知る
たまきは、空の青さに加えて上昇気流の通り道まで鳥と同じように知っています。
たまきは、少しオトナとしての振る舞い方が身についてしまった人にとっては、眩し過ぎるのです。
自分もそうありたかったのに、自分が失ってしまったものをなんでそんな風に持ち続けているんだ?
でもたまき本人はまったく自覚していない。
周囲の人間からすれば、そういう人は眩しくみえるだけでなく、つい妬んだりしてしまうのです。
でも、結局は妬んでる自分が嫌になったりするわけです。だから、倉持も空知も一度は逃げてしまった(きっかけは別でもたまきからの潜在的な影響は大きい)。
何かから逃げてしまった経験。
そんな経験はひとつもない、と言い切れるオトナはいないと思います。私も明確に記憶してます。
そんなほろ苦さを伴う思い出というのは懐かしさにも似たところがあって、どこかで他人に対して優しくなれる暖かさも伴います。この映画が多くの人に受け入れられるのはそのためなのだと思います。
ところで、〝体育会〟という言葉に随分と敏感だったように描かれていましたが、今時の大学でもまだ、そういう風潮は色濃く残っているのでしょうか。
私も理不尽なシゴキのある体育会に所属していましたが、最近の後輩たちは、体力作りの練習もずいぶん合理的に、実戦で役に立つのかを考えながらやっているので、他の部活との違いは、それほどないと思ってたので、ちょっと意外でした。
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