「映像美に魅了されっぱなし」ほんとうのピノッキオ humさんの映画レビュー(感想・評価)
映像美に魅了されっぱなし
記憶にあるピノッキオの話とはまた異なり…
ジェペット爺さんはコツコツとはたらく素朴でまじめな職人のイメージであたまの中で何十年もすごしてきた。
しかし本作ではなんとなくだらしなく、無頓着な面がありどちらかといえばちょっと面倒くさがりで善人すぎない印象。
ピノッキオにちょっかいを出すネコたちは原作より、さらに怖くてずる賢くコミカルでふしぎな不気味さ。
でもたまに見る人間味がでているようなかんじ。
そういったキャラクターの設定が童話より現実味を醸し出すからなのか、なんだか。。。
隙間からのぞいて見てしまったようなリアル感だった。
ストーリーは好みがありそうで
これに塗り替えたくない人もいるだろう。
でも、映像は衣装も景色も建物も
すべての色あいが細かく計算されているような
すばらしい美しさで見応えすばらしい。
小道具のひとつひとつまでスキなく選ばれて
淀みなくみせつけてくる。
予算に限度なし?
美術班のスタッフさん、至高の楽しさだっただろうな。
おとぎ話ながら地球のどこかに、ここ、実在するんじゃない??
って感じにわくわく止まらず
多分目が倍くらいに見開いてしまってたかも。。。
洋画に魅力を感じる理由のひとつに
このあたりが関係する。
潔い徹底感というのか
鑑賞者をはまらせる技の
あの手この手が本当にかっこいい。
同じ人間に
こんなにもセンスと技術をもった方々がいるのかと
つくづく自分のなにもできなさ加減を思うに至る。
至るけれど…
まだまだこの年季入りの大事なアンテナが
onなことを密かに嬉しく誇りたくなるのだ。
今、ここにいるだけでは
みられない世界をそこにみせてくれる映画。
飛行機にのってもいけない場所までも
連れていってくれて
こころからありがとうと
鑑賞料金喜んで払う大人です。