「【”ピーピング・カップルの密やかなる愉しみと、大いなる報い。そして・・。”今作は恐ろしきエロティック&シニカルサスペンスなのである。何故に今作が劇場公開されなかったのか、謎であるレベルの作品である。】」観察者 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”ピーピング・カップルの密やかなる愉しみと、大いなる報い。そして・・。”今作は恐ろしきエロティック&シニカルサスペンスなのである。何故に今作が劇場公開されなかったのか、謎であるレベルの作品である。】
■若いカップル、ペッパ(シドニー・スウィーニー)と、トーマス(ジャスティス・スミス)が、通りの向かいの美男美女である写真家であるセバスチャン(ベン・ハーディ)とジュリア(ナターシャ・リュー・ボルディッゾ)のセックスライフに興味を持ち始める。
二人はピーピング行為を、良心の呵責を感じながらも、抗えずにセバスチャンが、写真のモデルの黒人女性と浮気する現場を見てしまう。
そして、眼鏡作成者であるペッパはジュリアに近づき警告を発しようとするも、逆にジュリアの眼鏡を作る中でジュリアはペッパに興味を持ち”仲が良くなる”。
そして、ペッパがセバスチャンとジュリアが住む部屋にあるプリンターに、彼の浮気を告げるとジュリアは絶望の為に、”亡くなってしまう。”
その事に罪悪寒を感じたトーマスは縊死する。
ペッパは、セバスチャンに近づくが逆に写真のモデルにされ、全裸写真を撮られるが、それはセバスチャンとジュリアが仕掛けた、セバスチャンの世界規模の写真展を成功させる企みであったのである。
それを知った、ペッパは・・。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・序盤は、エロティックなシーン満載で展開されていく。筋肉質のセバスチャンとジュリアのセックスをピーピングしているペッパと、トーマスも刺激されて、セックスに耽るのである。
・だが、ペッパがセバスチャンの浮気現場をピーピングしたために起こした正義感により行った行為で、ジュリアは”服毒死したように亡くなり”、激しく動揺したトーマスは彼らの居室で縊死してしまうのである。
■ジュリアの死が偽装であり、ペッパも裸体をセバスチャンの写真展で大きく掲示された事で、彼女の中の良心は麻痺していくのである。
そして、トーマスの死も、二人に居る故殺と思い込んだペッパは、二人に対して強烈な復讐を行っていくのである。
まずは、二人の写真展の成功を祝う、セバスチャンお気に入りのワインを別名義で贈り、二人がそれを呑んだ後に、まずはジュリアが昏倒し、次にセバスチャンが昏倒するのである。
そして、ペッパは二人の眼に焦点を合わせて、二人の網膜を器具で焼き失明させるのである。怖いなあ。怖いぞ・・。ここで、ペッパが眼鏡作成者である意味が効いてくるのである。
ペッパとトーマスが住んでいた部屋に、ゲイのカップルが越してくる。彼らは向かいのセバスチャンとジュリアの部屋が丸見えである事に気付く。
だが、そこで見えたのは、盲目になり不安げに抱き合うセバスチャンとジュリアの姿だったのである。
<今作は恐ろしきエロティック&シニカルサスペンスなのであり、何故に劇場公開されなかったのか、謎であるレベルの作品なのである。>
