「爪フェチと傷フェチ」死刑にいたる病 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
爪フェチと傷フェチ
一番ショッキングだったシーンは根津かおる(佐藤玲)が泥まみれで手首等を切断されて抉られていたゴア描写でしたが、生理的にショッキングだったのは傷を舐めるシーンだったかな。それと、最初は桜の花びらだと思ってたものが生爪だったこと・・・
原作のネタバレサイトに飛んでみると、弁護士やラスト(というかどんでん返し)がかなり違うようだ。さすがに23件もの残虐な殺人を犯しているのに冤罪を証明してくれというのだから、どこかに整合性を求めてしまったのですが、榛村大和(阿部サダヲ)本人がミスリードさせる本能を持ち合わせているのだからまんまと騙されてしまった。
手懐けておいて痛みを与えるというシリアルキラー。アメとムチ政策のように為政者による懐柔策、そしてカルト教団のような性格のメタファーなのかもしれません。何しろ榛村は洗脳が得意なんだから。
そんな猟奇殺人鬼の怖さを感じるとともに、雅也(岡田健史)が自分の出生の秘密について疑念を持ち、自分が大和の息子なのではないかと思うようになってからが面白かった。しかも雅也のみならず、金山(岩田剛典)や加納灯里(宮崎優)にまで手紙を出していたなんて驚きでしかない。そこまで知能が高いサイコパスは見たことがないぞ(もちろん小説や映画で)。メフィラス星人のようにIQ10000くらいだと軽いもんだろうけど・・・
いまだに『ウォーキングデッド』の残虐描写の残像が脳にこびりついているため、拷問シーンは脳天を貫くような衝撃は味わえませんでしたが、根津かおるだけは別。これも記憶に残りそうだけど、原作改変のストーリーは今ひとつ。灯里への手紙の内容が気になりすぎ・・・