劇場公開日 2022年3月4日

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「ところどころから原作愛が見つかり、その点でも好感を持てた作品。」余命10年 きんぴらさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ところどころから原作愛が見つかり、その点でも好感を持てた作品。

2022年3月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

いきなりタイトルとは別の視点から入る。

まず、キャストの演技が良い。

小松さん、坂口さんは移り変わる心情をうまく表現されているし、奈緒さん、リリーさん、山田さんはしっかりとキャラクターの個を出している。楽に没入できてすごく良かった。

RADWIMPSの曲も最高だった。書き下ろしただけあってストーリーを彷彿させる。
「いくつ心臓があれば……」
切ない。エンドロールまで含めて立派な作品。私が鑑賞した会ではエンドロール中に席を立つ人がいなかった。それだけ他の方も聴き入っていたのだろう。

ストーリーとしては数点気になる部分があるものの、大きく矛盾することもなく、白けることもなかった。と言うかむしろ号泣した。

個人的には涙無しでは見れないポイントが4箇所あった。特にそのうちの1つは、大洪水。私が泣き虫なのもあるだろうが、このシーンは周辺から啜り泣く声がしていたので、多くの人が泣いただろう。すごく悲しかった。

まだ2022年が始まって2ヶ月しか経過していないが、現時点で最も泣いた作品となった。夫婦、恋人、女友達で鑑賞することをお勧めする。男同士でも、お互い泣いて恥ずかしくならいなら良いと思う。

命と恋を主軸にし、風景美と劇伴で花を添えたような作品。まるで手向けのように。

余談だが原作者の方に対する尊敬の意がところどころで感じられ、スタッフに好感が持てた。この点も、本作の良いところだ。

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きんぴら