「☆☆☆★★(ちょい甘) 映画本編が始まると、画面に登場するのは黒人...」リスペクト 松井の天井直撃ホームランさんの映画レビュー(感想・評価)
☆☆☆★★(ちょい甘) 映画本編が始まると、画面に登場するのは黒人...
☆☆☆★★(ちょい甘)
映画本編が始まると、画面に登場するのは黒人俳優ばかり。
一瞬、多くの黒人専用ミュージカル映画の『ストーミー・ウェザー』や、『キャビン・イン・ザ・スカイ』といった名作タイトルを思い出す。
そんな快調に進んで行くオール黒人ドラマの前半。
序盤からちょこちょこと親子の関係に不穏な匂いを漂わせながら、やがてその確執が表沙汰になる。
しかしながら、、、
「女王様の歌を女王様の前で歌うのかい!」
まるでプロレス社会での《御法度》を思わせる場面や。その後なかなか芽が出ない辺りは、まるで団体を渡り歩くレスラーあるあるを彷彿とさせ、観ていて面白かった。
ここで始めて白人のミュージシャン達が登場。
正確な譜面を奏で、完璧に決まったリズムで歌わざるを得ない状況から。アドリブを重視したレコーディング。彼女の内にある魂の解放を促す演奏で、本来の彼女の姿が浮き彫りになる辺りが(個人的にはですけども)この作品のピークだったかなあ〜と思います。
その後の栄光の日々を挟んでのアルコール依存等のドラマは、伝記作品として描かざるを得ないとは言え、特にどうこう言うモノでも無かった様な…と言ってしまっては元も子もないか。
この辺りの後半部分が、作品としては1番盛り上がるところではあるのですが、観ていて今ひとつと言ったところでした。それでも、ドキュメンタリー映画『アメイジング・グレイス 』のレコーディング風景を描いた部分は見応え充分でした。
作品のエンディングでご本人の姿が。勿論、伝記作品としての本質があるので、当然って言えば当然なんですけども。
でも、、、
ご本人が画面に映ったその瞬間、一瞬でスクリーンには後光が射した。
その人間的な魅力が溢れ出る表情に魅入られてしまう。
作品中には感じなかったその思い。決して主演のジェニファー・ハドソンに罪はない。自身のプロデュース作品でもあるし、何よりも伝説と言っても差し支えない、アレサを演じるにあたっての体当たりの演技。
申し訳ないのですが。エンディングに映るご本人を眼にしてしまうと、「こりゃもうYouTubeを漁るしかないぞ!」…と。
それを言っちゃ〜お終いよ…ではありますが💧
2021年11月7日 TOHOシネマズ錦糸町楽天地/スクリーン12