「R-E-S-P-E-C-T」リスペクト Kjさんの映画レビュー(感想・評価)
R-E-S-P-E-C-T
黒人女性から叩きつける理不尽へのソウルな叫び。心の底に溜まった沈殿物が音に誘発され、体から声を介して吐きでてくる。周りはその生理を見ているしかない。製作過程を見せることで音楽への理解が進む。実に手際がよい。
記憶からも消してしまうトラウマとの葛藤。映像的にも記憶を消し、そしてバックフラッシュをかける巧みさ。技巧的にも感じるが、これも女性が置かれた境遇。彼女の父を現代的に読み解くのは困難であるし、1人ならばいざ知らず、2人もとなれば、その闇は深い。
公民権、巡回説教、地方と都市、FAMEスタジオの白人ミュージシャンなど情報多数。本筋である彼女のアメイジンググレースに行き着くストーリーは外していないが、拾いすぎて集中力は欠いた感じがあった。
ジェニファーハドソンは、アレサに似せるよりも自身を通したかな。そうしてくれた方が気にならないが、歌い手としての二人の違いは明確になったかな。
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