「ハドソンもうまかったし、すごかったけど、オリジナルはもっとすごい」リスペクト 八べえさんの映画レビュー(感想・評価)
ハドソンもうまかったし、すごかったけど、オリジナルはもっとすごい
今はほとんど聞かないけれども、僕が高校生の頃、黒人アーティストの音楽は「ソウル」と呼ばれていた。
「ソウルの女王」、それがアレサ・フランクリンだった。ダイアナ・ロスでもティナ・ターナーでもディオンヌ。ワーウィックでもなく、アレサ・フランクリンこそが「ソウルの女王」だった。
ただ、僕にとってはちょっとオールドファッション的な感じで正直あまり聞いたことがなかった。ジョージ・マイケルとデュエットした人くらいの印象しかない。
その彼女の伝記的な映画。
ドラマはいくつもの山や谷を乗り越え進んでいく。
輝かしい栄光、そして挫折
そこからの回復と再生。
言葉にしてしまうと、そんな簡単な図式になってしまうかもしれないけれど、いやいやいろいろとあった人なんだなあと感じました。
クイーンの「ボヘミアンラプソディー」が「LIVE AID」を物語のクライマックスするならば、アレサのこの物語では1972年のゴスペルアルバム(「Amazing Grace: 至上の愛〜チャーチ・コンサート〜」)の録音としている。アレサは1942年生まれなので、この時まだ30歳。彼女は76歳没なのだから、まだ人生の半分にも至らない。だから、なんというのかクライマックスとしていいのか、エンディングクレジットが流れ始めた時にちょっと唐突な感じはした。
「ボヘミアンラプソディー」の場合、音楽はクイーンオリジナル。役者はいわば口パク。それも大変ではあるとは思うけど、こちら「リスペクト」のジェニファー・ハドソンは自分で歌った。いや〜うまいなあと聞き惚れます。すごいと。
ただし、最後の最後にご本人の映像が流れてきて、いや〜〜圧倒されてしまう。2015年の「ケネディ・センター名誉賞」をキャロル・キングが受賞した時のライブ(途中に感極まっているキャロルが映ります)。アレサ御年73歳。その歌唱の素晴らしいこと。
ハドソンもうまかったし、すごかったけど、オリジナルはもっとすごい。そう思わせてしまう映画でした。
八べえさん
「ローラと二人の兄」に共感ありがとうございました!
アレサ・フランクリンのチャーチコンサートの音盤ですが、これが映画になったほうはご覧になりました?
「アメイジング・グレイス アレサ・フランクリン」(2018米)。
すごいですよ、探してみて下さい。
きりん