「女王アレサの感動的なアンソロジー」リスペクト エロくそチキンさんの映画レビュー(感想・評価)
女王アレサの感動的なアンソロジー
これは女王アレサ・フランクリンの人生の序盤、正確には1972年、満30歳までを切り取ったアンソロジー。ジェニファー・ハドソンが大役を見事に演じきり、歌いきった。
アレサとの出会いは偶然にもこの作品のクライマックスとなる1972年、2枚組のライブアルバム「Amazing Grace」だった。
ファンを自称する自分だが知らないエピソードが一杯あった。父親は州で一番大きな教会の牧師で、立派な一軒家に住み、当時の黒人としては破格の生活だった。
週末のパーティーにはダイナ・ワシントン(メアリー・J・ブライジが‼︎)、アート・テイタム、デューク・エリントン、エラ・フィッツジェラルドなどレジェンド達が訪れた。幼少の頃から彼らの前で歌っていたんだねぇ。そう、幼いアレサに美空ひばりさんを思った。
一方で、両親の仲は悪く、母親は早くに家を出た。アレサ自身、幼い頃に訳もわからないまま妊娠し、出産していた。
とにかくレコード・デビュー前のことは知らないことだらけだった。
売れなかったコロンビア・レコード時代を軽くさらって、いよいよ最初のクライマックス、アトランティック・レコードへ移籍し、南部はアラバマのマッスル・ショールズへ。
クソ田舎、そしてそこにいたのは白人のミュージシャン達だったが、ここで奇跡のグルーヴが生まれた。奇跡が生まれる瞬間を目の当たりにして涙した。激しく感動した。
しかし、それからもいいことばかりじゃなかったみたい。男には恵まれず、酒に薬と。
「Amazing Grace」の公開録音をクライマックスに持ってきた訳だが、6月に公開されたこの時のドキュメンタリー映像があまりにも感動的だったので、今作での感動を薄めるという皮肉な結果となった。
エンドロールはアレサ自身のライブ映像‼︎
これは反則だった。
老いてなお女王。
涙が噴き出た😹
エンドロール確かに反則。私はブルース・ブラザーズでのアレサ姉御のシンクを唄うシーンを思いだしました。しかし生前にアレサに自伝映画の主演に指名されていたジェニファー・ハドソンは立派に大役の責任果たしてましたね。エロくそさんの映画評こそがこの映画のすべてを語っています。脱帽!!!みなさんこの映画必ず観てください!