笑いのカイブツのレビュー・感想・評価
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うーん、おもしろくない。
公開初日の一回目で見ました。
十人もいませんでした。
主人公が笑いを生み出すのに苦しんでたり
周りの人とうまくやれないところは描かれてたけど
実際の笑いのセンスがどの程度のものなのかが
まったくと言っていいほど描かれていないように私には感じられました。
なので、ほとんどリアリティがなく面白くなかったです。
ラストのまたお笑いに向かっていくんだろうな、というところは
かろうじて共感できましたが。
あ、当日入場者特典としてポストカードらしきものをもらったんですけど、
これが意味不明でした。
片面が映画のチラシみたいになってて
その裏面にポストカードって印刷されてて郵便番号欄も印刷されていて
切手を貼るところもあるんですけど
全面に主演の方のメッセージが書かれていてポストカードとして
全く使えないものになってるんです。
なんの嫌がらせなんだろう、って思いました。
どんな道も人間関係から
笑いに取り憑かれた男の狂気と苦悩。やりたいことをするためには我慢が必要ってなにそれ。やりたいことやないやん。あくまで全てのやりたいことは社会の中にある。
さてさて、岡山天音さすがです。もうそういう人にしか見えない。ほんとうまいね。
菅田将暉や仲野大賀もさすがっす。菅田将暉いいやつ。仲野大賀漫才までうまい。コントが始まるを思い出したーあのドラマまた見たいな(芳根京子がかわいいから)
俳優さんの力量でなんとか
執着的な情熱を持って笑いを追求し、大喜利番組に異常な量と質のネタを投稿しつづけたことで有名らしい、ツチヤタカユキさんという方の私小説の映画化
その憑依っぷりがなんとも魅力的な俳優さん、岡山天音が主役ということで観に
主人公が拗れすぎててまったく共感できないもんだから、普通は成り立たないところを、岡山くん、あと菅田くんと仲野くんが、キレッキレの技術で無理やり拾う
真似はできないが、理解はしたい生き方
どんな役でもイイ感じに爪痕を残す、若き名パイプレイヤー岡山天音さんが主演ということで注目していた本作。予告での鬼気迫る演技に惹かれたことも相まって、公開初日に鑑賞してきました。
ストーリーは、テレビのお笑い番組にネタを投稿することを生きがいとしていたツチヤが、念願かなってお笑い劇場の作家見習いとなるものの人間関係が原因で続かず、その後ラジオ番組へのネタ投稿をきっかけに人気芸人から認められて上京するもののやはり人間関係が原因で続かず、それでもお笑いの道を捨てられずにあがき続ける姿を描くといもの。
笑いを求めるあまり、他の全てを犠牲にするツチヤの姿が、強烈なインパクトを残す本作。そのストイックな姿勢には、決して真似のできない圧倒的な熱量を感じる一方、なりふり構わず突き進む姿には狂気さえ感じます。ステージで華々しくスポットを浴びる芸人の裏側にある壮絶な物語に息を飲みます。
そんなツチヤのまわりには、よき理解者となる人間もいました。ツチヤの才能を信じ、彼が仕事場で浮かないように支え続ける西寺の姿が熱いです。また、久しぶりに戻った大阪で、すっかり雰囲気の変わったミカコやピンクの前で、ブレずに突き進む苦しさを口にするツチヤに対して、ピンクのかける言葉がじんわりと沁みます。最終盤、帰宅後のツチヤに対するおかんの言動にも深い愛を感じます。
孤独な戦いに身を投じていたツチヤが、その苦しみを他人と分け合えたなら、また違った未来が開けたのかもしれません。しかし、彼はそんなものは求めていなかったのでしょう。彼が求めるのは「笑い」のみ。まさに求道者です。おそらくそこにゴールはないのでしょう。一つのことを極めること、その姿勢を理解すること、折り合いをつけること、そのどれもが難しく感じ、観ているこちらも苦しくなる作品でした。
主演は岡山天音さんで、渾身の演技は観る者を魅了します。脇を固めるのは、菅田将暉さん、仲野太賀さん、松本穂香さん、片岡礼子さんら。中でも、菅田将暉さん、仲野太賀さんが、役の上でツチヤを、演技の上で本作をしっかり支えています。
「笑」。
笑いが全てツチヤタカユキの話。
バラエティー番組にネタ投稿を生き甲斐にし、ネタ作り6年の頃、その間に書き溜めたネタを事務所関係者に渡した事で作家見習いから始まる事に…。
面白かったです!私、こういう徹底して物事打ち込める熱い人間大好きですね!
不器用、ちゃんと目を見れない、コミュニケーション取れないのが、この人にとって残念、勿体無いって言葉があってるのかな?!また、そこがクリア出来てれば開花するのがもっと早かったのかと思う。
違ってたらすみませんですが私の記憶だと岡山天音さん初の主演!?
この俳優さん色々出てるけど、数年前の月10ドラマ広瀬アリスさん主演の男女三組の恋愛ドラマから何か味ある俳優さんって感じで好きなんですよね~あと、雰囲気も。
あと岡山天音さん演じるツチヤタカユキさんのネタ作りに取り込む姿勢はリアルの自分を見てるようで少し笑ってしまった。私も1秒も無駄にしたくないって考えで仕事をしてるのでその辺がリンクしたかな(笑)
菅田将暉君演じたピンクと仲野太賀演じた西寺いい奴だったな~
面白くていい時間でした。
笑いとは、狂気から生まれるのか
笑いとは、狂気から生まれるのか。そう思わせるツチヤタカユキ。その狂気に才能を感じるベーコンズの西寺。実際は、オードリーの若林らしいが、しかめっ面でネタを捻り出す隠キャ同士で通じるものがあるのだろう。
面白いことを考える才能と、人を面白がらせることができる才能を持ち合わせる天才型の芸人は数が少ない。だから、コンビ組んで漫才をしたり、構成作家にネタを提供してもらう芸人が存在するのだろう。
とはいえ、笑いの世界は体育会系であり、陰鬱を身にまとったツチヤが足を踏み入れれば踏み入れるほど、ツチヤの精神は壊れていく。
岡山天音が演じるツチヤタカユキは、笑いに取り憑かれた狂人そのもの。捻り出される大喜利の答えは、めちゃくちゃ面白いが、本人の姿は、全く笑えない。ブラックユーモアを通り越して、ホラーといった方がいいかも。
狂人日記となりそうな物語に笑いを差し込んでくれるのが、ファーストフード店員のミカコ。ミカコが、絶妙のタイミングで発した「私の胸、見てたでしょ」には、思わず吹き出してしまった。
後は、天才菅田将暉。この人は、主役でも脇役でも、場面を支配する力がすごい。ラスト近くで、ツチヤに言ったセリフが心に響くこと、響くこと。
再出発しようとするツチヤに、お母さんがかける言葉が、とってもジーンとくる作品でございました。
背中のシミとファイナルファンタジー
確かに“カイブツ”級やけど、岡山天音✖️菅田将暉➕岡山天音✖️仲野太賀➕松本穂香、ならもっとは‥欲しがりすぎなんかな…
世間、常識を嘲笑うところから笑いは生まれるがそれに適応しないと生きていけない…しょうもなでは片付けられへんな。だが情熱はある!のもっともっと先。
③G10
面倒臭さがヘビー級パンチ
ツチヤ君が近くにいたらヘビー級に面倒くさいわね。
映画ではその面倒臭さがヘビー級パンチのように描かれています。
私はオードリー若林君の「完全版 社会人大学人見知り学部 卒業見込」でハガキ職人ツチヤタカユキの存在を初めて知った。
その後、ツチヤ君の自叙伝「笑いのカイブツ」も読んだ。
若林君でさえ面倒くさい自我を抱えてのた打ち回っていたのに、それを遥かに越えていくからね。
「人はどうしてみんなと仲良くして働かなくちゃいけないんですか?」なんて感じの事をドストレートに聞いてくる感じ。
でも、ピュアな天才は他の生き方ができない怪物なのよね。
社会に認められたいのに、社会に適合できない者の辛さが、痛いほど伝わってくる
笑いのネタを考えているのに、主人公には笑顔がなく、それどころか、壁に頭を打ち付けてもだえ苦しむ姿は、最初こそ、そのギャップが面白く感じられるが、見ているうちに息苦しくなる。
やがて、これが、仕事には人一倍の情熱があるものの、社会には適合できない者の物語であることが分かってくる。
それでも、主人公が、自分の好きなことをしてさえいれば満足できるような人物ならば、まだ、救いがあるのだろうが、彼には、社会で認められたり、成功したいという強い欲求があったため、より悲劇的な人生になってしまったのだろう。
社会で生きていくためには、当然、最低限の社交性が必要になるが、主人公の場合は、生きることに不器用であるとか、コミュニケーション能力が低いとかといったレベルの話ではなく、おそらく「○○障害」といった病名が付くと思われるくらいの「対人関係不得意」さで、その言動には、到底、共感することも、同情することもできない。
ここで、自分自身が、世間の常識に囚われて、主人公のような人物を、「生意気」だとか「礼儀知らず」だとか「非常識」だとかといった言葉で、頭ごなしに否定する人間であるということを思い知らされる。
その代わり、この映画の救いとなっているのが、菅田将暉演じる友人や、仲野太賀演じる芸人で、社会に馴染めず、異端とされる人物の才能を活かすためには、彼らのように、そうした異端者を理解し、寄り添い、励ます人物の存在が必要不可欠であるということがよく分かる。
中でも、「世間に笑いを届けようとしているのに、その世間の常識に潰されようとしているのは地獄だ」という菅田の台詞は、強く心に響く。
ただ、それにしても、岡山天音の熱演も相まって、社会に馴染めずに苦悶する主人公の姿を見ていることが、だんだんと辛くなってくる。
それだけに、主人公が東京と大阪を行ったり来たりする終盤は、やや冗長に感じられ、もっとスッキリと、東京から大阪に戻って来るだけの展開にできなかったものかと、残念に思ってしまった。
近くで見たら悲劇、遠くからみたら喜劇
誰でもそうだと思いますが、他人から見たら笑える話も本人からしたら笑えない話しがある。
本人が本気だから他人は余計に笑えてくる。
本気って一周して笑える。変に捉えてほしくないですが人間って一般の人からしたら狂ってる方が面白いし、自我がある方が面白い。
でもそんな本気になれる人達が羨ましい。
自分はピンク側の人間なのでそれが凄く羨ましかった。しかし本人は幸せもあるだろうが、もちろんそれ以上の地獄もあるだろう。当たり前だが夢なんって簡単に叶わないし、才能があったからと言って成功するわけでもないし、好きだからと言ってうまく行くわけでもない。それでも好きで前に進んでいる人間には魅力がある。
そんなツチヤが私は大好きになった。他人に嫌われても良いじゃないか、逃げても良いじゃないか、馬鹿にされても良いじゃないか。好きに勝るものなんてないのだから。
そんなツチヤを遠くから見ていたら笑えてきた。泣き笑いだ。凄く良い喜劇でした。
演者の方も皆さん良くてとても良い喜劇を見れました。
人間なんていつか死ぬ。一度自分を殺してまたやり直せばいい。情熱や好きは死なないのだから。
帰り際ミナミのツチヤも歩いたであろう御堂筋や引っ掛け橋などを歩いて帰ったがツチヤはいませんでした。
実は 常識をわきまえた大人にこそ最適の作品。なんだかんだ言って 菅田将暉&仲野太賀 素晴らしい好演が特筆❗️
本作は まず 大人の落ち着きで観る作品です。
説教くさい 常識で観てはその価値がわからない作品。
一生懸命でイイじゃないか作品。
【まず偏見を無くしましょう】
①挨拶ができなくて何ができるという偏見
②修学旅行、卒業式、成人式 をエスケープする経験則のない人に お笑い作れるのか❓
③自分に笑顔☺️が無くて お笑い❓ という偏見
これら③点は 確かに正論、常識です。
でも そうでないお笑いの人がいてもイイじゃないか❗️という広い心で本作観るべきと思いました❤️
岡山天音さんが快演で少し引きますが、
菅田将暉さんがイキイキとアウトロー的に
仲野太賀さんが常識人優しさ 的に 双方 大きな包容力 で盛り上げるハーモニー的な
なんかそれぞれの方 1993 1994 で同世代みたいで さすがの 演技力で盛り上げてくれます
皆んな 実は泥臭くて 岡山天音さんの演ずる お笑い裏方構成作家見習いのケレン味の無さを盛り上げます
菅田将暉さんは特にさすが👍だね。
泥臭く鬱屈した主人公の暗さに 「そうじゃ無いだろ❗️」という自分がいると同時に
「まあこう言う人もいてもイイんじゃ無い」という私がいました ダイバーシティ❗️
主人公 酒での荒れ方が 半端無いけど 地獄描写としては正しい。
川へ・・というのは突き抜けてるが 泥酔😵💫は 確かに地獄 俺も若い頃痛飲してた タカラカンチューハイらしき缶が個人的に良かったヅラ【チューハイ世界の王道 横綱だから 超美味い酒です。今は個人的な事情で飲まんけど
このチューハイ飲んでる人は ツウです】
美化偽りのない リアルだろう作品 漫才シーンも本格的【ただしパンチに欠けるカモ】
主人公の焦燥感 いったい何が正しくて 何がカイブツか 常識に囚われるなよ作品。
心の闇の声→松本穂香さんが敢えて変なタイプ それと正反対に 片岡礼子さんのオカンは色気ありすぎやろ❗️
以下 iPadで編集不能のため ダラダラ続いて申し訳ない🙇 有料🈶パンフはデザインも独特で読みやすいので
おススメ・・・
私小説 というより 有料🈶パンフ見たら リアルに近い お笑い構成作家の世界の描写です。
勿論 不器用かつ人間関係苦手 の主人公さん は 壁にぶち当たり どうなることか・・・映画館で確認を
ストイックというか強迫神経というか 余裕のない主人公
ツチヤタカユキさん→かつて 着信御礼!携帯大喜利NHK TV 📺 オールナイトニッポン📻ラジオ等で
伝説のハガキ職人 劇団の作家 ラジオの構成作家 ・・・作家落語、吉本新喜劇へ
というプロフィール【有料パンフ🈶受け売り】の方の 実録的な小説 半生の映画化の模様
【どうでも イイけど NHKの着信御礼ケータイ大喜利 がとっくのとうに 2016に終わってる表記に愕然とした
最近見ねぇなぁ土曜の深夜❗️と思ってタヨ❗️】
「自分を貫く」事はかくも不快で苛立たしい
レビューは賛否両論だろう。
あそこまで多くの大人が気にかけてチャンスをくれたのに、全て台無しにしてしまう様に不快さを覚えた人も多いと思う。
だが、あれこそ「自分を貫く」って事なんだろうな
今までの映画ドラマで、「自分を貫く事」はあまりにもサクセスストーリー化されてきている。
特に芸人を題材としたコンテンツではとても多い。
その意味で、「自分を貫く事」の不快さという本来の現実をまざまざと見せられた点は個人的には興味深かった。
個人的には、今やファッション化されつつある、「陰キャネガティヴ芸人」への強烈なカウンターだったように思える。
大人に従って自分を曲げて嫌われないように生きて、それで世を恨んでネガティヴなの?って
大阪時代に、同じく「自分を貫いている」と思っていた、ピンクや女の子も黒髪になり、社会に馴染んで、自分だけがまだカイブツのままである所は本当に辛かった。
原作はずっと砂嵐のように感情を書き殴っている本だが、映像となると感情を全て描くわけにもいかないので、最初は不気味で物静かで、でも絶対気狂ってる奴を演じる天音くんが凄かった
ただその分、感情が爆発した時のコントラストはとても良かったね
ツチヤの人間性や根性について不快感を覚える人は多いが、ツチヤのしてきた努力に文句を言う人は誰もいないだろう。
全ての人の思いを台無しにして、不快に思われて嫌われて、でも彼の努力と才能はどうにもこうにも否定できない。
多分、それが自分を貫くってことなんだろう。
どうなのかな。
主人公、ツチヤタカユキ。
人に笑ってもらいたいのなら、社会の中にいなければならない。
社会の中にいるためには、ある程度入る「所作」は必要だろう。
現実とどれくらいリンクしているか、わからないが。
主人公の行動はわからない部分がある。
自分の創作が、他人名義にならなければ表に出て行かないのは許せないだろう。
でも他の部分では理解できないところ多し。
岡山天音は熱演。
松本穂香は、あのちゃんに見えてしかたなかった。(笑)
しかしこの映画、合わない人もいるようで、途中で出ていく人をみた。
【笑いの道は地獄道。笑いに憑りつかれた男は、笑顔を見せず必死にネタを考える。”主人公を演じた岡山天音の怪演に驚き、脇を固める菅田将暉と仲野太賀の優しさ溢れる演技に救われた気持ちになる作品。】
ー ご存じの通り、今作は「伝説のハガキ職人」と呼ばれたツチヤタカユキの私小説を映画化したモノである。-
◆感想
・今作を観ると、お笑い芸人と呼ばれるトップクラスの人たちの凄さが少しだけ分かる気がする。
■ツチヤタカユキ(岡山天音)は、TVの大喜利でレジェンドの称号を勝ち取りながら、笑顔は一切ない。そして、彼は構成作家として人気芸人コンビ、ベーコンズの西寺(仲野太賀)に気に入られながらも、人間関係が不得意なツチヤは、お笑い関係者から徐々に疎まれて行く。
- 彼が西寺にメールで送った【人間関係不得意】と言う言葉。-
・という過程を岡山天音が、観ていてキツイ気持ちになる位、怪演している。中盤から、劇中でも言われているが、鬱の様子であったり、酒を呑んで荒れたり・・。
彼の唯一の心の拠り所はモールのハンバーガー店の売り子であったミカコ(松本穂香)である。
- 彼は中卒のミカコに自分と似たモノを感じたのかな。ミカコは彼の身体の具合を気遣っているしね。-
・血尿や血便が出るまで、バイトをしながらネタを書くツチヤタカユキの姿は、正にカイブツである。但し、”哀れなる”という言葉が付くが・・。
・今作で、ツチヤタカユキを支えるのは、ミカコ意外には、ベーコンズの西寺であり、ムショから出たばかりのピンク(菅田将暉)である。
ー 仲野太賀と、菅田将暉の確かなる人情味ある演技が、岡山天音の怪演と相まって、観ていて救われる。ー
■ツチヤタカユキがベーコンズの新年ライブを見に行くシーン。ベーコンズの掛け合い漫才も面白かったが、ライブが終わった後に流れたエンドロールに記されていた”構成 ツチヤタカユキ”と書かれた言葉をチラッと見た時のツチヤタカユキの表情は沁みたなあ。
<今作を観ると、お笑いの世界って笑いのセンスだけではなく、人間関係も大切なんだな、と思ってしまったな。
ラストも良かったな。橋から川の中に飛び降りたツチヤタカユキは、母(片岡礼子)が住むボロッチィマンションに”俺は死んだ。”と言って帰って来る。
だが、彼は且つて5秒に一度ネタを書いていた床に座り、ネタが出ないと頭を叩きつけていた壁を足で突き破り、初めて笑顔を見せて再びネタ作りに没頭するのである。
今作は、笑いに憑りつかれるという事は恐ろしく過酷でありながら、凄いモノである、と思った作品である。>
岡山天音の怪演が凄まじい
初日舞台挨拶にて鑑賞。最高の映画館初めになりました!
一時期狂ったようにオードリーのANNを聴いていましたが、その時に何度か、いや何度も耳にした「ツチヤタカユキ」という名前。その伝説のハガキ職人が構成作家を志し、東京の街で奮闘し、苦悩していくというストーリー。
ツチヤは自らの「好き」を貫き、真っ直ぐただひたすらに笑いを追い求めるが、社会に上手く馴染めず、嫌な人間関係ややりたくもない仕事から逃げ続ける。それでも彼を面白いと思い、社会性云々を取り除いてお笑いの才能を評価してくれる人間がいる…。私も数年ほど前、だいぶ精神的に参っており、その時はやりたいことに没頭し、それだけに明け暮れていた時期に、そんな私の生き様を肯定してくれた人がいて、とても救われた経験があったため、ツチヤを自分と重ねてしまい、劇中での西寺やピンクの言葉は深く胸に突き刺さりました。
ただ、ツチヤはそんな差し伸べられた手も全て突っぱねて、自身の運命と葛藤していく。本作ではそんな彼の生き様を肯定も否定もしていない。自らの「好き」を信じ、ひたむきに夢に向かって進み続ける人達にとっての活力になればいい。そんなメッセージに感じました。
本作の主人公ツチヤタカユキを演じた岡山天音さん、本当にすごかったです、冗談抜きでマジで。ツチヤが"笑いのカイブツ"ならば、岡山さんは間違いなく"演技のカイブツ"でしょう。舞台挨拶でも自身を憑依型俳優と仰っていましたが(半ば冗談で)、本当にツチヤタカユキとして生を受けたとしか思えない、笑いに貪欲な様を演じる姿には、鳥肌が止まりませんでした。
熱量は伝わった
周りに甘やかしてくれる人がこんだけいるの羨ましい〜っていうのと、この原作者のことはラジオリスナーとしては有名なので知っているのだけど、原作は読んでないので、今回の映画化や原作自体を「オレ、かっけぇ〜!」って感じで思っておられるなら何も変わってないなと。変わらないことも良いのかもしれないけど、やっぱり周りの人に恵まれていると思います。
自ら追い込んでストイックにネタを作り続ける様を演じ切った岡山天音の好演がとにかく光る。嘔吐するときの表情、ネタをパクられたという指摘に愕然とする表情、やるせない居酒屋での表情、どれも熱量があって良かったです。
実質オードリー若林役の仲野太賀は安定してよかったけど、サトミツ役の人も良かったなあ。
ラジオリスナーを笑う対象として消費していた時がパーソナリティーとしては適切な距離感で、実際に作家として雇ってみると…これは若林さん(あえて言います)の胆力がないとね。
要は、社会性・コミュニケーション能力が本当に最低限でいいからないと、どんな才能も努力も目を瞑られることを暗に示している。こういう『生きづらさ』を提示する映画は増えたように思うけど、ここまでその生きづらさと向き合わない主人公はね…不快感があるということはそれだけ演者がうまいとも言えるわけだけど、じゃあラストシーンへの心情変化に至った理由は?とは思います。原作なりインタビュー読んだら分かるんでしょう。
あと、実話ベースだと思うので仕方ないとはいえ、松本穂香の使い方が完全に『漫才ギャング』からアップデートされてないとは思ったかな。でもこういう役柄は新鮮で良かったです。
最後のネタは令和ロマンが監修したんだろうなというのはよく分かりました。哲学的なセリフで締めるのは2023のM-1トップバッターらしい。ケータイ大喜利をキム兄と藤井隆がやってるのは笑いました。
音楽がややうるさかったかな。
あの夜の、答え合わせ
あの日、あのラジオで
ツチヤタカユキが地元に帰る事になったと、若林さんが伝えた日
リスナーから届いた、励ましの様なメールを読まれたあと
若林さんが歯痒い様子で
『あいつの悩みとか聞いてますから、勝手なこと言われると、
それは違いますよと言ってかなきゃいけない部分もある。
まあ両面ありますよ…人間っていうのは…。』
と言われた事を、メールとの強烈な温度差と共に強く覚えていました。
原作もずいぶん前に読んだきりだったし
東京に行ってからのエピソードがどこまで本当のことか解らないけれど
当時のツチヤ青年の目から見ると、この映画に似た何かを経験したのでしょう。
10年越しに、あの空々しいメールへの答えに、近づいた気がします。
パンフレットにランジャタイの伊藤さんが寄稿されていて
映画をご覧になり、ツチヤさんのことが好きだと書かれていました。
私は、原作を読み終えたとき感じた事と同様で
ツチヤタカユキ個人が好きだとは到底言えません。ですが、この映画は好きです。
それと、うんこに出囃子があることを教えてくれたあなたのこと
ずっと覚えています。
完全に余談ですが「だが、情熱はある」も、このくらいの温度感、現実感
人間への解像度で作って欲しかった…。
私にとってあのドラマは、あの日の歯が浮くような空々しいメールであり
この映画が、あの日の歯痒さを噛み殺した若林さんです。
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