「【笑いの道は地獄道。笑いに憑りつかれた男は、笑顔を見せず必死にネタを考える。”主人公を演じた岡山天音の怪演に驚き、脇を固める菅田将暉と仲野太賀の優しさ溢れる演技に救われた気持ちになる作品。】」笑いのカイブツ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【笑いの道は地獄道。笑いに憑りつかれた男は、笑顔を見せず必死にネタを考える。”主人公を演じた岡山天音の怪演に驚き、脇を固める菅田将暉と仲野太賀の優しさ溢れる演技に救われた気持ちになる作品。】
ー ご存じの通り、今作は「伝説のハガキ職人」と呼ばれたツチヤタカユキの私小説を映画化したモノである。-
◆感想
・今作を観ると、お笑い芸人と呼ばれるトップクラスの人たちの凄さが少しだけ分かる気がする。
■ツチヤタカユキ(岡山天音)は、TVの大喜利でレジェンドの称号を勝ち取りながら、笑顔は一切ない。そして、彼は構成作家として人気芸人コンビ、ベーコンズの西寺(仲野太賀)に気に入られながらも、人間関係が不得意なツチヤは、お笑い関係者から徐々に疎まれて行く。
- 彼が西寺にメールで送った【人間関係不得意】と言う言葉。-
・という過程を岡山天音が、観ていてキツイ気持ちになる位、怪演している。中盤から、劇中でも言われているが、鬱の様子であったり、酒を呑んで荒れたり・・。
彼の唯一の心の拠り所はモールのハンバーガー店の売り子であったミカコ(松本穂香)である。
- 彼は中卒のミカコに自分と似たモノを感じたのかな。ミカコは彼の身体の具合を気遣っているしね。-
・血尿や血便が出るまで、バイトをしながらネタを書くツチヤタカユキの姿は、正にカイブツである。但し、”哀れなる”という言葉が付くが・・。
・今作で、ツチヤタカユキを支えるのは、ミカコ意外には、ベーコンズの西寺であり、ムショから出たばかりのピンク(菅田将暉)である。
ー 仲野太賀と、菅田将暉の確かなる人情味ある演技が、岡山天音の怪演と相まって、観ていて救われる。ー
■ツチヤタカユキがベーコンズの新年ライブを見に行くシーン。ベーコンズの掛け合い漫才も面白かったが、ライブが終わった後に流れたエンドロールに記されていた”構成 ツチヤタカユキ”と書かれた言葉をチラッと見た時のツチヤタカユキの表情は沁みたなあ。
<今作を観ると、お笑いの世界って笑いのセンスだけではなく、人間関係も大切なんだな、と思ってしまったな。
ラストも良かったな。橋から川の中に飛び降りたツチヤタカユキは、母(片岡礼子)が住むボロッチィマンションに”俺は死んだ。”と言って帰って来る。
だが、彼は且つて5秒に一度ネタを書いていた床に座り、ネタが出ないと頭を叩きつけていた壁を足で突き破り、初めて笑顔を見せて再びネタ作りに没頭するのである。
今作は、笑いに憑りつかれるという事は恐ろしく過酷でありながら、凄いモノである、と思った作品である。>
ラストよかったですね。音楽もよかったです。
元気をもらえたり、希望のある終わり方ではなかったですが、また書き始めるってのが、変に上手く収めるより断然よかったです。
こんばんは。
今年もよろしくお願いします。
この度の震災と航空機事故からの精神的ダメージは、私もかなり感じてます。
新年会で会った友人たちとも、今できること(現地の方にありがた迷惑とならない形でのボランティア、義援金など)をそれぞれ考えて実践する、という漠然とした話しかできず、まだ無力感のほうが強い。けれど、彼の地のことを思い続けることだけは継続していきます。