劇場公開日 2021年10月15日

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「キャンディマン、キャンディマン、、」キャンディマン せつこんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5キャンディマン、キャンディマン、、

2021年10月23日
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鑑賞方法:映画館

怖い

興奮

鏡の前でキャンディマンと3回唱えると鉤爪でキャンディマンが殺しにくるという都市伝説の謎を追う、画家のアンソニーが徐々におかしくなっていく話。

このキャンディマン誕生譚が黒人惨殺によるもので、キャンディマンは黒人が抑圧されてきた歴史の象徴。現在も黒人が白人警官に殺される事件は無くならないことから、今の時代でも充分説得力のある都市伝説だと思う。

なので、評論家の「あなた達」という言葉やコインランドリーのおっちゃんが「キャンディマンは今の時代にも~」的なこと(行ってなかったらごめんなさい笑)言ってたり、登場人物達が話す言葉に重みがあって良い。殺されるのは白人ばっかりなのだけど、現実では黒人ばっかり殺されてますやん!ってことだしね。

あと序盤アンソニー達が都市開発についてゴチャゴチャ喋ってるんだけど、たぶんこれジェントリフィケーションのことだと思う。ジェントリフィケーションは治安の悪い区域(主に移民街や黒人街)を綺麗にすることで治安の改善と新たな雇用を生み出そうとしたけど、結局追い出された人達は行き場を失い貧富の格差が大きくなったというもの(違ったらごめんなさい)。

アンソニー達って黒人であるけれど明らかに富裕層で、かつて黒人が追い出された場所に住んでいる。そう考えると、最後プリアンナが言われる「みんなに語れ」という言葉は黒人の抑圧された過去を関係ないと思うなという意味にも聞こえる。でもこの知識なくても別に全然良いと思うわ。

都市伝説を映画化するって清水崇監督の樹海村とかのシリーズとやっていることは同じだと思って、特にアンソニーの出自に関する話は血縁ホラーでもあって共通点かと。

せつこん