劇場公開日 2021年10月15日

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「一番怖かったのは・・・」キャンディマン 耶馬英彦さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5一番怖かったのは・・・

2021年10月21日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 観客席は閑散としていて、当方の他には5列くらい前にいちゃついているカップルがいるだけだった。3人だけの観客。あまり人気のない作品なのかもしれないし、たまたま観客が少なかっただけかもしれない。

 冒頭の楽しげな映像とキャンディマンというポップなタイトルが、一瞬にして不穏な空気に変わる演出がいい。最初の現場が一番迫力があった。次が学校の女子トイレの現場だ。恐ろしい殺人鬼も、徐々に見慣れてくればあまり怖くなくなる。ただ、キャンディマンは店の屋号と同じで、代々引き継がれているという伝説が怖い。描かれた絵も迫力満点だ。ホラーが好きな人には快作だと思う。

 終映後に階段を降りながら何気なくカップルを振り返ると、男を見上げる女の首が切れて、ぱっくり割れているのが見えた。背筋がゾッとして、思わず立ち止まった。しかしよく見たら、髪の毛の一部が首を巻いているだけだった。女が不思議そうにこちらを見た。なんだか死体に見られているように感じた。それが一番怖かった。

耶馬英彦