スティルウォーターのレビュー・感想・評価
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すごかった
自分にもほぼ生き別れの娘がいて、彼女を訪ねて遠くの施設に行ったことがあり、また現在は里子の娘がいて、この映画のマット・デイモンの立場に非常に重なる部分があり、オレを狙い撃ちするつもりで作っているのかと目を疑う。
ただ違うのは、オレの場合は娘が全く心を開いてくれず、他人扱いしかしない。こちらとしても父親面する立場にないことは重々承知しており、それがまた距離を広げるのだろう。娘が殺人に関与するほど悪い子ではないのだけど、マット・デイモンのように腹を割った会話が存在しているのは羨ましい。
作品としてめちゃくちゃ面白かったのだけどそれ以上に突き刺さるものがあり、揺さぶられてしまうため冷静に見ることができていない気がする。そのうちまた見よう。
人は目の前の幸せを失ってしまう?
マットデイモンが、娘の無実を信じて、言葉のわからないフランスで1人証拠を捜すサスペンス。トムマッカーシ監督作品。ビルは、石油会社に勤めている。言葉の通じないのは、ヒッチコックにもありましたね。引き裂かれたカーテン。ビルは、やりすぎましたね。
折角新しい幸せができたのに。娘さんは、リトルミスとゾンビランドのかたやね。なかなか考える作品でした。
もっと掘り下げてもよかった?
だいぶ前に亡くした妻に対する考え方で疎遠になっていた娘が留学先のマルセイユで殺人の罪で投獄され、定期的に会いに行くオクラホマ州スティルウォーターの労働者階級の父親。面会に行ったある時、冤罪を証明するネタがあるから弁護士に言ってくれと頼まれるが、弁護士にはムダだと一蹴され、娘に事実を言えず、たまたまホテルの部屋が隣だったシングルマザーに通訳してもらいながら、自分で真犯人を探すことにした。
聞き込みの途中、マルセイユの元警官の移民なんてロクデナシだからみんな真犯人としてしょっ引いてやる、みたいな差別発言に激怒するフランス人シングルマザーと、それより真犯人確保を優先する主人公でケンカになる。この辺りがこの映画のポイントなのかと思ったが、全体的には確執のある父娘の関係を切り拓こうとする主人公の娘を愛する姿の方が印象に残る。
フランス映画「レ・ミゼラブル」に出てきたような荒んだ団地に住むらしい真犯人を、シングルマザーの娘と行ったマルセイユのサッカーチームの試合会場で見つけ、なんとか捕まえて地下室に繋ぐ。しかしおそらくDNA鑑定を依頼した元警察官から情報が漏れて主人公が居候しているシングルマザーのアパートに警察が捜査にやって来る。9歳の娘に地下室のことを聞くが、女の子は賢かった。
娘の無実が証明されて帰国となり、2人と別れる際のマット・デイモンの青くて強い瞳が印象的だった。
ヨーロッパの熱狂的スタジアムの観客席の風景も興味深いし、女の子が好きな選手として酒井宏樹を挙げるのも良い!
火サス的な飽きなさ
マットデイモン×社会派サスペンスということで大いに期待。娘の嫌疑とその冤罪?の答えにもうひとつ深みが欲しかった。マットデイモンがマルセイユで働けるのはなぜか?ワーホリ制度でもあるのか、フランスは自由に観光ピザでも仕事ができるのか?実行犯をかくまうスラムアパートの連中の動機も今一つよく分からない。マットデイモンの妻が自殺した理由はマットデイモンがアル中だったからのようだが、これもやや説明不足。火曜サスペンス並みといっては失礼だがそんな印象です。批判ばかりですが、とりあえず場面展開があるので飽きずに見通せたことは感謝です
マットデイモン
マットデイモンは最近はこう言った演技で見(魅)せる役が多く、その点は文句無しですが、ストーリーが少し浅くなってしまっているのかな?娘が犯人と言う男を見つけたのに、その後の展開は少し平和ボケしてしまう様な感じで、サスペンス的な要素が一旦無くなってしまい、見ている方としては少しだれてしまいました。
なぜか地名が題名の映画にハズレなし
スティルウォーターって?
静かな水?まだ水?
地名でした。アメリカにはいくつかの州でこの地名のところがある様ですが、オクラホマ州のスティルウォーターは州立大学があるのどかな学園都市のようです。
パパが油田に出稼ぎに行っている時にオクラホマ州立大学からフランスのマルセイユの大学に転入しちゃった娘。母親は若くして自殺してしまい、おばあちゃんに育てられた。今のおばあちゃんは肺の病気で酸素ボンベが手放せない。孫娘はおばあちゃんを残してフランス行きを決行したわけだ。ちょっと親不孝だよね。
忙しいさなかに時間を作って、空港に見送りに来た父親のビル・ベイカー(マット・デーモン)。空港の売店で餞別に洋服などを買って持たせてあげる。その娘はマルセイユで不良たちと付き合い、同棲していた女の子を殺害した罪で服役中。どうも真犯人は別にいて、冤罪らしい。石油会社をリストラされて、解体業で日銭を稼ぐ生活に。そんななか、服役して4年のマルセイユの娘に面会に行くことを決めたのだった。滞在するホテルの隣人(カミーユ・コッタン)は夜になっても大音響で音楽をかけてバルコニーで酒盛り中。ビルは文句を言うも、英語はわからないとシカトされてしまう。フランス語が全然わからないビル。面会に行くと、娘から弁護士に届けて欲しいと弁護士宛に書いた手紙を渡される。弁護士に面会するが、手紙の内容のようなことはもうできないと断られてしまう。狭いホテルの廊下で遊んでいる幼い女の子とたびたびすれ違う。大学の教授と会い、娘の冤罪を晴らそうとするが壁に阻まれる。ある日、部屋に入れずに、母親の帰りを待って廊下でひとり座り込んでいる幼女。ビルはフロントに新しいキーカードの発行を依頼して、女の子を部屋に入れてあげた。帰って来たシングルマザーの母親(カミーユ・コッタン)からお礼の挨拶。それをきっかけに娘から渡された手紙を見せると、通訳を買って出てくれて、弁護士や大学の同級生などに会い、解決策を話し合う仲になる。家の改築中にホテル暮らしをしていた親切な母子の家に居候することになったビル。フランス映画だぞ!カミーユ・コッタン(今宵212号室で、パリのどこかであなたと、ハウスオブグッチと最近急に出演作目白押しの好みの女優)だぞ。早く仲良くしないかな~と思っていたが、なかなか一線を越えない。真面目に解体のアルバイトに励むビル。給料は全部渡す。料理も得意。娘とも仲良くなって、もうパパです。オクラホマ州は石油、天然ガスの産出が多く、経済的に恵まれているようですが、住民の収入はあまり高くないみたいで、ブルーカラーの白人男性をマット・デーモンが好演。マルセイユはサッカーチームがあり、酒井、長友らの日本代表が所属していました。多民族都市でもあり、貧困層が暮らす団地の治安もとても悪い。
地下室での若者の告白。とてもショックでした。
寛容とは。
他人だけでなく、家族や自分の人生に対する心構え。
重い現実に耐えて生きるつらさ。
故郷のスティルウォーターの景色が昔と同じにはどうしても見えないというビルのセリフがすべて。
#04 ミネラルウォーターのことではない
このタイトルはオクラホマ州の町の名前で決してミネラルウォーターのことではない。
娘を救う父親の話っていうから、アクション映画かと思っていたらじつはダメダメな父親の話。
娘も父親に期待してなくて、自分もダメ人間だからそのダメさがよくわかるってセリフが悲しすぎる。
フランスで再生するのかと思いきや、元のスティルウォーターに戻ってしまう主人公。
いつか本当に再生できると良いね。
パリではなく「マルセイユのアメリカ人」という仕掛け
一本気だけどちょっと思慮に欠ける直情型、愛情深さゆえの嘘が空回りする状況をつくってしまう、そんな要領のよろしくないアメリカ人を堂々と演じてくれたマット・デイモン。円熟味を増してきたなあ。チェックのシャツはジーンズにイン、いかにもいそうなタイプのブルーカラーもはまり役だ。
言葉が通じなくても愛さえあれば、は事実なんだろうけど一方で、やっぱり言葉は「正確に伝わらないと」運命狂うね。ここにプロットの妙があった。
途中から脚本の方向性は見えてきたけど、いかにも腹に一物持ってそうな娘役のアビゲイル・ブレスリンの演技も秀逸、やりとりが本当の父娘みたいで飽きずに見られた。
白眉はもちろん「スティルウオーター」というタイトルのエッジの効いた回収。
しかしコロナ禍で満員のサッカー観戦会場、どうやって撮影したんだろう。群衆の恐怖が迫るシーンだった。マヤちゃんが無事に帰宅できてよかった!と思ったのもつかの間、、、もっと精神的に重いもの押し付けられてしまった。そりゃ母親なら許せないだろう。
マルセイユの柄の悪い界隈の夜と光溢れる美しい海と空の風景の対照が映像に深みを与えてくれていた。
ヒゲ面に覆われたマット・デイモンの不器用な仏頂面
移民問題、LGBTQ、貧困と差別、リベラルと保守、文化の相違による誤解、シングルペアレントといった、現代の問題をほどよく取り入れた社会派ドラマの様相を呈するが、父と娘の和解の物語といってよいだろう。
ヒゲに覆われたマット・デイモンの不器用な仏頂面は、いかにもオクラホマの田舎の中年といった趣で、世界を知らないアメリカ人が言葉の通じないフランスに一人乗り込んでいく無謀な姿をよく表している。文化の違いによって思うようにことが進まないジレンマもよく表現していた。
言葉というコミュニケーション手段に頼るとうまくいかないことが、意思を伝えようと努力することで愛情さえ生まれるという、ビル(マット・デイモ))とマヤ(リル・シャウバウ)の関係がほほえましい。これをビルとアリソン(アビゲイル・ブレスリン)がしてこなかったということに、最終的にベイカー父娘は気づいて和解する。
ジェイソン・ボーンのようなドキドキと『スポットライト 世紀のスクープ』のような戦略と追跡がなかなか面白かった。
理解しようとするお話
正直なところ、私は最近見た映画は邦画やアジア映画に偏っていて、アメリカ映画はご無沙汰だったように思う。今回、いい映画に出会えたと思った。
見ている映画に偏りがある為かアメリカ映画のトレンドには明るくないが、記憶にある限りでは、今回のスティルウォーターは随分と風景が変わったのかなという印象だった。
アメリカ映画というと、例えば主人公が海外に行った時にもうまい具合に現地で英語に堪能な協力者が見つかって、事件を解決していくというのが、私の持っている印象になる。
(おそらくリーアム・ニーソンの「96時間」の印象が先に来ている気がする(笑))
ところが今回は打って変わって、協力者はいるものの現地マルセイユではアメリカからきたそのままのよそ者で全く受け入れらず出鼻をくじかれる。そこから現地で仕事を始め、英語しか分からないところからフランス語を理解し、好きなスポーツチームはアメフトとはいいつつ、サッカーにも理解を示し、演劇なんて見ないとはじめは言うも同居人の女性のリハーサルを見届ける、1日だけの仮釈放で出てきた娘が海で泳ぎ、後日自分も泳いでみる、そういう風にそれまでの固定的なものを投げ捨てて今その場の環境をそっくり受け入れようと努力する姿は共感せずにはいられない。
異質なものを受け入れていくのは、口で言うのは簡単だが、現実的には頭が割れるような苦痛を伴うこともあるので、主人公の苦労が少なからず分かるような思いがした。
事件の最終的な決着は「そういうことだったのか」という感じである意味悲しくもあるけど、前述のような主人公の姿が描かれていくのを見るだけでも映画館に足を運んだ価値があったと充分に思えた。
父親を演じるマット・デイモンの雰囲気はホントに凄いと思った。小太りで不器用でガンコなオヤジ...だが、目を見ているとその時々の気持ちの揺らぎが伝わってくるような気がしてくる。
【"人生は冷酷だ。"父親とは、娘を助ける為にはどの様な困難にも挑む生き物なのである。そして明らかになった真実。今作品は父娘の重厚なヒューマンドラマである。】
- 娘アリソン(アビゲイル・ブレスリン)が、異国マルセイユで殺人犯として、収監され4年が過ぎた。父親のビル(マット・デイモン)は職を失った事をきっかけにマルセイユへ飛ぶ。娘の無実を証明するために・・-
◆感想
・マット・デイモンの深い哀しみを漂わせた姿が印象的である。今作品の彼は無敵の男ではなく、腕っぷしは強いが普通の男を演じている。
・彼を異国で助けるヴィルジニー(カミーユ・コッタン)と娘マヤが、偶然から彼を手助けする姿は、"人間の善性"を表す象徴であろう。ビルが、マヤを可愛がるのも、昔、自分が娘とキチンと対峙して来なかった想いがあるからであろうと推測する。又。彼女が米国ではなく、マルセイユの大学に入学した理由も。
アリソンがヴィルジニーに言った言葉。
"父は愚かなのよ、私と同じように・・。"
・ビルがアリソンの無実を証明するために、行った事。それがきっかけでアリソンは釈放されるが、ビルを支えて来た、ヴィルジニーとマヤとの間には、埋められない溝が生じる。
- ビルは、男を地下室に閉じ込めた時に、男が苦しそうに言った言葉を、徐々に信じていったのではないだろうか。自分の血を引く娘であれば・・。一方、そうであって欲しくないと言う想いとの葛藤をマット・デイモンが絶妙に演じている。-
<ラスト、故郷オクラホマ・スティルウォーターに父娘で戻り、皆から祝福を受ける中、ビルに笑顔はない。
一人で居る所に入って来たアリソンに哀しげに言った"彼女が旅立つ際に空港で買ってあげたモノ"。
涙を流して詫びるアリソンの姿。
今作品は、資料には、サスペンス・スリラーとあるが、私には重厚な父娘のヒューマンドラマであると思えた作品である。>
コリエ
留学先のマルセイユで殺人犯として収監されている娘の無実を証すべく奔走する父親の話。
娘が有罪となって5年、面会の為に折を見てオクラホマ州スティルウォーターから渡仏する父親に、弁護士に渡して欲しいと娘から手紙が託されて巻き起こって行くストーリー。
噂話程度のことを再審理に繫げるのは難しいというのは判るけれど、アリソンが有罪となった決め手は何でしょう?と、そもそものところが判然としないで進行していくので違和感が。
そして手紙に書かれていた人物を捜し始めたけれど、えっ?4ヶ月後?これはいったい何を主体にした話?
サスペンススリラー…。
スタジアムからの件で話が戻ってきたけれどあっさりゲロするし、最初からではないけれどネタばらし前には既に…。
カタルシスが有る訳でもなく、やられたという程の意外性もなし、胸クソ悪さも足りな過ぎ、と面白くなりそうなのに妙にしっとりさせたことで中途半端になってしまった感じかな。
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