「尋常じゃない父親の執念が空回る!」スティルウォーター kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
尋常じゃない父親の執念が空回る!
全く違うタイプの映画なのに「96時間」シリーズを連想してしまった。異国の地で娘を救うために奔走する父親を描く物語だから。父親が発揮するものがリーアム・ニーソンは戦闘能力だったが、マット・デイモンはただの執念ということ。でも、ただの執念では簡単に娘は救えない。
マルセイユで同居する母子と仲良くなっていく過程はとてもいい。フランスとアメリカの文化の違いの描き方もうまかったし。途中なんの映画だっけって思うくらい。でも、そこで終わるわけはなくて、マルセイユがらみで物語が動き出す。あの試合確認できなかったが、酒井は出ていたのだろうか。変なことが気になってしまった。
さて、映画の後半はどう評価すればいいのだろう。嘘を許せない人、嘘を受け入れる人、嘘を正当化する人、自分はどこに感情移入していいのか戸惑ってしまった。それくらい人間の感情とは複雑なもの。そしてやはり人生は冷酷だ。望んだものを手に入れても残るのは空虚でしかないときもある。なんて虚しい。
なんでスティルウォーターなんてタイトルをつけたのだろうと思っていたが観終わると納得してしまうのもなかなかうまい。予想以上にいい映画だった。
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