「【"人生は冷酷だ。"父親とは、娘を助ける為にはどの様な困難にも挑む生き物なのである。そして明らかになった真実。今作品は父娘の重厚なヒューマンドラマである。】」スティルウォーター NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【"人生は冷酷だ。"父親とは、娘を助ける為にはどの様な困難にも挑む生き物なのである。そして明らかになった真実。今作品は父娘の重厚なヒューマンドラマである。】
- 娘アリソン(アビゲイル・ブレスリン)が、異国マルセイユで殺人犯として、収監され4年が過ぎた。父親のビル(マット・デイモン)は職を失った事をきっかけにマルセイユへ飛ぶ。娘の無実を証明するために・・-
◆感想
・マット・デイモンの深い哀しみを漂わせた姿が印象的である。今作品の彼は無敵の男ではなく、腕っぷしは強いが普通の男を演じている。
・彼を異国で助けるヴィルジニー(カミーユ・コッタン)と娘マヤが、偶然から彼を手助けする姿は、"人間の善性"を表す象徴であろう。ビルが、マヤを可愛がるのも、昔、自分が娘とキチンと対峙して来なかった想いがあるからであろうと推測する。又。彼女が米国ではなく、マルセイユの大学に入学した理由も。
アリソンがヴィルジニーに言った言葉。
"父は愚かなのよ、私と同じように・・。"
・ビルがアリソンの無実を証明するために、行った事。それがきっかけでアリソンは釈放されるが、ビルを支えて来た、ヴィルジニーとマヤとの間には、埋められない溝が生じる。
- ビルは、男を地下室に閉じ込めた時に、男が苦しそうに言った言葉を、徐々に信じていったのではないだろうか。自分の血を引く娘であれば・・。一方、そうであって欲しくないと言う想いとの葛藤をマット・デイモンが絶妙に演じている。-
<ラスト、故郷オクラホマ・スティルウォーターに父娘で戻り、皆から祝福を受ける中、ビルに笑顔はない。
一人で居る所に入って来たアリソンに哀しげに言った"彼女が旅立つ際に空港で買ってあげたモノ"。
涙を流して詫びるアリソンの姿。
今作品は、資料には、サスペンス・スリラーとあるが、私には重厚な父娘のヒューマンドラマであると思えた作品である。>
娘の手紙を翻訳してもらった時の父の心中を想像した瞬間から、これは俺のことでもある、そんな感覚を全身で覚えました。マット・デーモンを仮想自分として見る…きっとそういうスイッチが入っていたのだと思います。