最後の決闘裁判のレビュー・感想・評価
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歴史は繰り返し、終わりません。
スタッフとキャストに惹かれて鑑賞することにしました。
PG-12なので、小学生以下のお子様が視聴する際、保護者の助言・指導が
必要で、きつい描写はあります。
パンフレットは売っていないので、映画に集中して、鑑賞してください。
原題は、「The Last Duel(最後の決闘裁判)」で、邦題と同じです。
決闘裁判については、映画の冒頭で説明があります。
1386年12月29日、パリ高等裁判所によって許可された最後の決闘裁判となったジャン・ド・カルージュとジャック・ル・グリで行われた決闘裁判のことを「最後の決闘裁判」と呼んでいます。
ジャン・ド・カルージュの妻であるマルグリット・ド・カルージュのレイプ事件に対する判決をジャン・ド・カルージュとジャック・ル・グリとの決闘でつけるというストーリーです。
ジャンヌ・ダルクが生まれる少し前の出来事です。
2015年4月3日、伊藤詩織さんが、安倍晋三首相のお友達である山口敬之にレイプされ、被害届を提出し、捜査が始まり、山口敬之に逮捕状が出ましたが、中村格警視庁刑事部長が圧力をかけて、証拠不十分として不起訴となりました。
2017年9月28日、伊藤詩織さんが、山口敬之に対して「望まない性行為で精神的苦痛を受けた」と主張して1100万円の損害賠償を求める民事訴訟を起こしました。
2019年2月、山口敬之は合意があったと反論し、伊藤詩織さんの発言などで社会的信用を奪われたとして、慰謝料1億3000万円と謝罪広告の掲載を求めて反訴しました。
2019年12月18日、伊藤詩織さんの請求を認めて330万円の支払いを山口敬之に命じ、山口敬之に対しては「名誉毀損には当たらない」と請求を棄却しました。
2020年1月6日、山口敬之は地裁判決を不服として、東京高等裁判所へ控訴しました。
中村格は、2021年9月22日より警察庁長官に出世して、現在に至っています。
まだ、事件は解決していません。
今になっても、同じようなことが繰り返されている今、映画として制作され、
公開され、鑑賞するべき映画です。
騎士は、フランス国王に軍事奉仕をする見返りに授与される特別な身分です。
従騎士は、騎士について、身の回りの世話をはじめ、甲冑や武器の持ち運びや
修理も担当し、戦闘にも参加します。
映画は、決闘裁判の当日の出来事から描いています。
第一部は、ジャン・ド・カルージュの視点から「最後の決闘裁判」について描かれています。
第二部は、ジャック・ル・グリの視点から「最後の決闘裁判」について描かれています。
第三部は、マルグリット・ド・カルージュの視点から「最後の決闘裁判」について描かれています。
同じ「最後の決闘裁判」について、三回も繰り返して、描かれるので、飽きてしまいますし、長く感じますし、上映時間は2時間33分と長いです
ノルマンディー地方は、北フランスです。
年表です。
1337年11月1日、イングランド王エドワード3世は、フランス王フィリップ6世に対して挑戦状を送付し、百年戦争が始まりました。
1346年8月26日、フランス軍は、クレシーでイングランド軍に大敗しました。
1380年9月16日、フランス王シャルル5世は亡くなり、シャルル6世がフランス王を受け継ぎました。
1386年12月29日、ジャン・ド・カルージュとジャック・ル・グリで決闘裁判が行われました。
1396年9月25日、フランス軍を含むハンガリー王ジギスムント率いるヨーロッパ諸国は、ドナウ河畔のニコポリスでオスマン帝国のバヤズィト1世と戦い、大敗しました。
これが、最後の十字軍になりました。
1412年1月6日、ジャンヌ・ダルクは、ドンレミ村でジャック・ダルクとイザベル・ロメの農夫の娘として生まれました。
1422年10月21日、フランス王シャルル6世は、亡くなりました。
1429年5月7日、ジャンヌ・ダルクは、フランス軍を率いてトゥーレル要塞を陥落し、オルレアンを解放しました。
1429年7月17日、シャルル7世は、フランス国王になりました。
1431年5月30日、ジャンヌ・ダルクは、19歳で火刑に処せられた。
1453年10月19日、フランス軍は、ボルドーを陥落し、イングランド軍に勝利して、百年戦争は終りました。
百年戦争の前期に関する知識必須かも(説明入れてます/10/17追記)
今年140本目(合計204本目)。
百年戦争の間に行われた実際の決闘裁判をテーマにした実話もの。
この「百年戦争の間に」というのがポイントで、イギリスとフランスで戦争しているのに何しているの?というところですが、百年戦争は序盤に大きな戦いがあったほかは、散発的な戦闘があったあと、15世紀に入って1415年にアザンクールの戦い、ジャンヌダルクのオルレアン城攻防戦などがある以外は、実はどちら(イギリス・フランス)も戦争どころではなく、「だらだら」やっていたところはありました。どちらも農民反乱等には対応しなきゃいけなかったし、イギリスは同時にスコットランドの独立戦争も抱えていたからです。
ここでいう「裁判」というのは、今でいう裁判とはおよそ違うし、どちらが正しい、正しくないということを証拠を持って合わせるというのとも違います。「神は正しい答えを知っている」という宗教的思想があった中で、「それなら決闘で」となったのであり、今でいう三権分立のような中で生まれた「司法」からできた「裁判所」というのとはおよそ持って違います。
また、この事件そのものも現在でも未解決だとはされ、決闘の結果自体はこの映画の通り描かれていますが(この部分はごまかしようがない)、実際の事件、そちらですね。そちらについては、実際どうだったのか、もう証拠がなさ過ぎて全く不明になってしまっています。今でもフランスでは自国史の未解決問題として新説が唱えられることもあります。
さらに、映画内でも触れられていたように、この当時、女性が(一応、形式的であるとはいっても)「裁判所で」争うということは当時は避けられていました。映画内でも描かれている通りで、今の男女同権の考え方すらそもそも存在しないという状況です。そのため、事実は別として、この実際の決闘(1386年)と、同じく女性が活躍するジャンヌ・ダルクが生まれ/オルレアン攻防戦で活躍したのは近接しており(1412年/1428~29)、「女性が声をあげて歴史を動かした」ことは、直接の関係性はありませんが、何だか不思議な気が気がします。
なお、内容的にかなり、全般にわたって百年戦争、それも序盤のほうの知識を知らないとまるでわからない点があるので、復習とこれから見に行く方へ向けて最低限のメモです。
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▼ 百年戦争 1339~1453 ※ 考え方により、1337~という取り方もある。
(・ 1330年 (この映画の主人公といえる2人が産まれる))
・ 1346年 クレシーの戦い
★ 1356年 ポワティエの戦い ←字幕に出るのはこっち
→ イギリスが圧倒的勝利に終わるが、イギリスも自国の事情があったこと(スコットランド問題)から、これ以降、戦いは散発的なものが多くなる
1375年 期間限定の2年間の休戦協定が結ばれる。しかし、イギリス・フランスも自国の疲弊が目に見えていたので、休戦協定はずるずる伸ばされる
(今回の映画の内容はこの付近。1386年)
(★本来、百年戦争外) 1396年 ニコポリスの戦い → 映画内最後で「10年後の十字軍で~」というのはこれを指します(今のブルガリアが戦場)。「ニコポリス十字軍」と呼ばれることもあるように、いわゆる十字軍以外にも「キリスト教を広める」という意味での戦い(主に、イスラム教国との戦いが多かった)は多く行われており、この戦闘ではフランス・イギリス・スコットランドという、そもそも「今、百年戦争やってるんじゃないの?」という国も、いっしょに参加しています。そのくらい、当時はキリスト教文化を広めることが何よりも重要視されたのです。
(参考/その後の百年戦争(主なもの))
・ 1415年 アザンクールの戦い → イギリスが勝利
・ 1428~1429 オルレアン攻防戦 → ジャンヌダルクの大活躍
・ 1453年 カスティヨンの戦い → フランスが勝利し、イギリスはフランスに一部のみを残して全て撤退。事実上の終結。
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…といったこと(特に、「ポワティエの戦い」は知っていないとどうにもきつい…)が前提にあります。
採点に関しては…。下記のようにしました。
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(減点0.2) この映画は、歴史ものと観ることはできますが、普通に読めば、ある事件に対して声をあげられる権利を持っている女性が「正しく」上げたこと、それだけです。しかし、当時はそれがタブーのようになっていたので、このような大きな出来事になってしまったのです。とはいえ、当時はともかく現在の人権感覚でそれは通用しないので、「女性が声をあげていくきっかけとなったひとつのできごと」という観点でとらえたほうが良いのかなと思います(普通はその解釈)。
ただ、上記で私が「まとめ」を書いているように、前提となる知識を知らないと、理解にかなりの妨げ・理解の差が生じてしまい(高校世界史の百年戦争の知識程度は常識で、さらに「ポワティエの戦い」を知らないと字幕が???になるなど)、せっかくの作品がちょっと…というところです(さすがに高校世界史でもこんなにはやらない)。
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(★追記)あ、あの…すごく「いいね」がついていてびっくりしています。
もともと難しい映画だったというのもあるのだと思います。
学術系映画を見るのは好きなので、不明な点などは百科事典などで調べてこのようにわかりにくい点など補っています。
ふつつかものですが、フォローいただければリフォローします。
よろしくお願いいたします。(何かプチバズり状態でビビってる…)。
羅生門スタイル
マット・デイモンとベン・アフレックの共同脚本の映画を再び見られるのも、それをリドリー・スコットが監督しているのも感激。
いわゆる「羅生門スタイル」の映画ですが、黒澤の「羅生門」ほど際立った違いを押し出してはいません。それだけに、それぞれの「真実」の違いの微妙さと、その意味合いに注意して見ておくと面白い。
わかりやすいカタルシスがないのは当然です。作品全体が現代社会で起きていることの寓意ですからね。カタルシスを与えてスッキリした気になってはいけない題材だということを製作者がちゃんと理解している証拠です。
I spoke the truth
これに尽きる。
私は真実を話した。
それとも、
真実として私は話した。
どちらにしても、本人のみぞ知る。
再婚しなかったってオチ?に
真実として突き通してくれた
っていう真実があって、ホッとした。
それぞれの視点からの構成が
すごく新鮮だったのと
それぞれ視点で少しずつ
色んなとこが明るみに出てきて
観る人それぞれの価値観での
真実の見方ができる感じもまた、
すごく面白かった。
何より、何度も繰り返されるから
理解しやすかった。かな。笑
もうひとひねり欲しかった
やっていることは「羅生門」だが、倍ぐらいの時間を掛けている割に本家よりワンターン少なく、お話としては少々物足りない。
同時期公開に大作が重なったため大スクリーンをもっていかれているのも悲運と言えよう。
とはいえ、2時間半を超える長尺でも飽きずに観れるのは、ミステリーとして良く出来た脚本と的確な配役、巨匠による確かな「大作感」演出によるところだろう。
本作の論点は極めてシンプルで、「何が真実か」と「決闘の勝者はどちらか」という2点の答え合わせに向けて興味を持続させられたまま一直線に走り抜けるので退屈することは無い。
途中から現代的なテーマも盛り込まれてワクワクするが、そこについてはカタルシスを得られず消化不良に終わってしまう。
史実に基づいているらしいから仕方無いかもしれないが、想定されるいくつかの結末のうち、多少考察の余地はあるものの最も意外性の無いオチに落ち着いた感があり、結果的にスケールに似合わず小粒な作品になってしまった印象である。
bad dick hunting NTR
世界丸見え!
非常にわかりやすいキャラクターによる事の顛末をそれぞれの主観による再現VTRでご覧ください
決闘のゴングが鳴る時 胸の高鳴りは最高潮
リア充パリピ 対 コミュ障マッチョ さーぁ勝つのはどっち?
全ての面が一級品の「みこすり半劇場」
ある意味変化の無い時かけ…
普通に作れば90分前後位の映画に1時間もムダなシーン追加し無理矢理難しくした印象。
全く主張が違う3人分の映像なら解るが、わざわざ時間戻して3人分一部違うだけのほぼ同じ映像、ストーリーを繰り返す必要がある程の検証必要なのかどうか…
【”汝、姦淫する事なかれ”14世紀のフランスで起きた事件を、騎士と妻、騎士の元親友の三者三様の視点で描き出す。中世の社会的規範、世界観の描き方も良く、最後の決闘シーンの壮絶な迫力にも魅入られた作品。】
ー 騎士カルージュ(マット・デイモン)と、美しき妻マルグリット(ジョディ・カマー)、カルージュの且つての親友、従騎士ル・グリ(アダム・ドライバー)が、三者三様の視点で、マルグリットに起きた事件を章立てで描く作品構成が秀逸である。
更に、1370年代フランスの時代考証(衣装、意匠・・)も細部まで見応えがある。ー
◆感想
・作品構成の秀逸さ。
観る側に
”誰が言っている事が真実なのか・・”
をグイグイと考えさせる。
・カルージュの回想シーンと、ル・グリの回想シーンと、マルグリットの回想シーンの微妙な、同シーンでの三人の台詞や表情の違いの見せ方。
・当時の男尊女卑の社会的考え方が今作の背景にある事は、間違いないであろう。
ー 真実を明らかにするために決闘して、負けた男の妻が偽証したとして、木に縛られて、生きたまま火炙りにされるって、どうなのよ・・。ー
・序盤でイキナリ描かれる、騎士カルージュと、従騎士ル・グリが、全身を鎧で固め闘うシーンの物凄さ。ガツンガツンと二人がぶつかり合う命を懸けて戦う姿のド迫力。
ー それを、足を括られて曝し台の椅子に座らされて観る、マルグリットの姿。
彼女は、夫カルージュが決闘で負けた場合、火刑に処されるのである。
それも含めて、興味津々で愉しんで見る、愚かしき王や民衆の姿。ー
<何が真実であったのか・・。
ラスト、マルグリットが漸く身籠った大切な男の子の髪の色。
中世の、”苛烈な神による、絶対的な裁き”のシビアさの描き方。
優れた脚本だけでなく、活劇としても、見応えがある作品である。>
三人の視点から描かれてるのが面白い。
この時代に乱暴されたことを訴えたマグリットは立派であると思ったが、裁判の結果を決闘で決め負けると死罪というのはマグリットは知らずにそれを知ってたら口をつぐんだのに、と言ってましたね。神は真実に味方をすると信じられてた今では信じられない時代。
一人一人の視点でこうも食い違うストーリー。真実(マグリット)は、夫も自分よがりな性交をマグリットに強要したり、イメージが悪かった。
前半はあくびがでましたが後半の決闘シーンは迫力があり良かったと思う。
自分的に15禁でもよかったと思うのはマグリットが襲われるシーンがあったり、ル・グリが吊るされて晒される時に下半身があらわになってたところです。
ベンアフレックも変わった髪型で出てたけど好かん奴だった。好青年が一人もおらんかったからキュンはゼロ。笑
マルグリット(女性)の勇気と強さ
史実に基づく物語。解説には『中世の#MeToo事件』と書かれてあるが、観れば納得、現代、“女性”に焦点をあて描いている。
『神に委ねる』という決闘裁判
無信仰無宗教である私としては全く理解できませんが、妻や自分の命をかけてまで真実を主張する姿勢には慄くとともに、妻にとっては地獄でしかない。今の時代に生きてて良かったとしみじみ思う。
本作は章立てに、カルージュ、マルグリット、ル・グリという3人の視点から描かれているところが特徴。これによりそれぞれの思いや背景が浮かび上がり、中盤から徐々に物語に引き込まれていく。ラストの決闘シーンは実物。
とりわけ前半は眠気が襲ってくるほど退屈で、また全体的に暗くユニークさなどは全くない。
アダム・ドライバーファンとしては、彼の新たな顔が見られて満足です!
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