劇場公開日 2022年1月28日

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「あらすじは、フェイクだと思って観るのがいいんじゃないか?」Pure Japanese LILICOさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0あらすじは、フェイクだと思って観るのがいいんじゃないか?

2022年2月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

あらすじは、フェイクだと思って観るのがいいんじゃないか?
散りばめられた真実が、ノスタルジアな古典的な話とアクションで目隠しされている。

なんでこんな古典を撮ってるのだ?ということに違和感を持った人はセンサーがいいと思う。面白いと思うタイプの作品。そこに「なんだこれ」と思う人は、あまり詩的に推論する映画が好みではないのだろう。この映画は『詩』みたいな形式を感じる。

しかし、…いずれにしても、笑えてしまう古典シーンがあるのは確か。それが嘲笑になるか、余裕のある笑いになるかでこの映画の深みは変わる。また、自分の詩的感性が試される様に思った。そう意味では、自分の感性の度合いが分かってしまう作品で怖い。

ちょっと厄介な作品だが、ラストは誰もが手放しに楽しめるアクションが用意されているところが優しい。血飛沫が苦手な人以外は、楽しめる乱闘シーンがある。本物の格闘家を使ったラスボスは、役者よりも圧があっていい。
この映画は、見えない暴力と見える暴力の対比や、俗っぽいものと純な物との対比があったり、探していくと面白い。

一々、この様なややこしい映画を作ったのは、余程の偏愛の持ち主だろう。リスクをお構いなしに誤解を生む作品を創る勇気が凄い。そして、全体的に醸し出される日本人というタイトルに対してアンチなメッセージを送っている所に挑戦状的なものを感じる。

これは、自分という日本人を否定されても耐えられるメンタリティーのある人にしか読み込めないんじゃないかと思う。なんだかんだで、人は自分を否定されたくない。うまく言えないが、精神的体力と思考能力を試される映画だった。心と時間にゆとりがある人なら楽しめる。ただ、簡単に言うと、難易度が高すぎる!笑

個人的には、それが面白すぎた。インスタントな感動や恐怖ありきの邦画に飽きてしまってるので斬新で興味深い。次作も楽しみだ。

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LILICO