ディア・エヴァン・ハンセンのレビュー・感想・評価
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このようなテーマですら青春ミュージカルになるという
このようなテーマがミュージカルになっていて凄い。
冒頭から何故かデーブスペクターに置き換えて観てしまうあからさまに美男ではない主人公が歌う。そしてあれよあれよと言う間に運命の歯車が回り始める。声もかけられない好きな女の子の兄って設定がかなり緊密なドラマを生む。たった1日のアクシデントから想像上の関係を作り上げ、ということはカミングアウトがやってくる。ハッピーな経験とバッドな経験を交えて青春映画として過不足ない。ただ冒頭に姿を消す兄の必然性がもう少し展開の中に溶け込んでたらな、と。
地味だけど良いミュージカル
派手さはないけど登場人物の性格描写もストーリーの設定も素晴らしい。米国の現代の家庭や学校の姿も興味深い。経済的には豊かでも多くの人が内面的な悩みを抱えているのだ。素材として使われているSNSやクラウドファンディングもまさに現代的。良い映画だと思う。
秘密と嘘
ミュージカルって派手なイメージがありますがこれは違った。成り行きとはいえコナー家のため嘘を作ってしまうエヴァン、自分も薬に頼る悩める人なのにたいしたものです。でもこの嘘は許されるかな。コナーの自殺経緯は不明でしたが彼も悩める少年だったのか?
人は誰も孤独です
ミュージカル映画とは知らずに選んでしまった本作。歌が始まると眠くなる自分にとっては鬼門かと思いましたが、大勢で歌って踊ってというシーンはなく、ストーリーや人物描写に引き込まれ、全く眠くなることはなかったです。
主人公のエヴァンは、失敗を恐れ、傷つくこと恐れ、行動することから逃げている高校生。そのため友達もなく、学校で孤独を噛みしめていた彼が、セラピーとして書いた自分宛の手紙を同級生のコナーに持ち去られます。その後、コナーが自殺してしまったため、その手紙を見つけた遺族からコナーのことを聞かせてほしいと言われたエヴァンは、本当のことを言えず、嘘をついて親友のふりをしてしまいます。そこから起こる騒動を通して描かれる、エヴァンの変容が見ものです。冒頭で歌い上げる彼の心情と周囲の映像から、早くも胸が締め付けられそうになります。似たような面を持つ自分にとって、彼の悩みや苦しみは他人事とは思えませんでした。
そんなエヴァンに関わる人物として、母親、コナーの両親と妹のゾーイ、コナーのための活動を呼びかけるアラナたちがいます。一見すると、芯の強さを感じる人たちなのですが、実はそうでもありません。それぞれが、さまざまな悩みや孤独を抱えながら懸命に生きている姿もきちんと描かれ、それがひしひしと伝わってきます。
一方で、唯一それに耐えきれなかった存在として、コナーが描かれていたように思います。コナーはなぜ自ら命を絶ったのか、その理由は明確にされていません。ドラッグ依存から立ち直ろうとしている中で、周囲から受け入れられなかったことが、孤独を募らせたのでしょうか。彼もまた懸命に何かと戦っていたのだと思います。
これら登場人物の中に、おそらく観客の誰もが自分を投影できそうな人物がいるのではないかと思います。だからこそ共感できるし、今の自分を見つめ直すきっかけにもなると思います。自分もなかなか一歩を踏み出せずにいますが、せめて周囲にそんな人を見かけたら、なにか一言でもいいから声をかけていきたいなと思いました。
それにしても、エヴァンのその後が気になります。ゾーイとすぐに関係改善するような安いオチにならなかったのはよかったですが、彼の犯した罪はかなり重いものだと思います。彼の性格や状況を考慮しても、安易に許されるべきものではありません。その後、周囲からは今まで以上に距離をおかれ、さらに孤独を味わうことになったはずです。ただ、今の彼ならそれを真摯に受け止め、乗り越えていけるような気もします。
作品自体の本来持ち合わせている魅力を最大限活かせているかは微妙
作品の扱っている題材テーマや楽曲は好きだし、何よりベン・プラットの才能!ブロードウェイ版見たくなった(見たかった)。だから、ベン・プラットが本作でも主人公を演じるにはもう歳を取りすぎているなどという批判は気にしなくていい(そんなの言ったら日本でもザラにある)。しっかりと価値あるメッセージを伝えてくれる。
けどスティーヴン・チョボスキー監督の時に観客に感情を強いるような過度に甘ったるい演出は、日本人に多い泣きたがりデトックス好きの心を鷲掴みにした『ワンダー』(作品自体は良かったけど鑑賞後、実生活で主人公オギーのような子にあってもその大部分はきっと態度変えないであろうくせに勝手に気持ちよくなって手放し絶賛疑問)での温かな眼差しより的を得ていない気がした。あたたかさを履き違えたような一種の押し付けがましさ。本来それぞれの気持ちをもつも理解できるはずの色んなキャラクターに目を向けようとしても、混乱する方向以外には、どこか薄味な印象が最後まで拭えなかった。そうした中では、何よりこの時期にこのキャスト(『魔法にかけられて』続編も楽しみすぎるエイミー・アダムス!ジュリアン・ムーア!大好きな二人!! × ミュージカル = 個人的には最高な組み合わせ)という明らかに賞レース狙いな点も、余計に鼻についてしまったきらいもあるかも。
P.S. 亡くなった後にその人の真の姿を知ろうという感じは『空白』を思い出した。
森林破壊反対
隣のお年寄り夫婦の煩さよ。
知ったかぶり鼻フンッおじさん久々に見た、エヴァンの"家族の"友達出る度にご丁寧に毎回フンッフンッなんだ。そんな声出さずにいられないほどおもしろいか?楽曲の流れるシーンで体が乗ってしまうことそれ自体は悪くないけど、最後の1音までズボンぺちぺち叩きやがって。あと楽曲流れていないときも突然何度も右足左足交互に上げ下げしてはズボンの擦れる音鳴らしまくる始末。奥さんはYou Will Be Found終わった瞬間に持ち込んだ飲み物のストローの袋かなにかをガサガサと開ける音。
欲を言えば
190本目。
2日続けてのミュージカル映画。
とは言え、ぽくない。
社会、アメリカを描いてる所があると思う。
優しめ、落ち着いた曲中心で、欲を言えば明るい曲が欲しかった。
悪い終わり方ではないけれど、もうちょっと明るい気分でスクリーンを後にしたかったかな。
あと、ダニー・ピノが出てたけど、コールドケース以来かあ。
ロー&オーダーにも出てるのか?
年とったと実感。
嘘に嘘を重ねて行くストーリーなんだけど感動してしまった。
ミュージカル映画じや無かったら感動はしなかったかも(笑)
悪気の無い嘘が周りの人を巻き込んで行く展開。
孤独だったエヴァンが有名人になって行く反面、嘘をついた事に悩む姿が印象的。
コナーがイケメン。踊りも上手い。
他のキャストの皆さんも歌がお上手。
作品で流れる音楽も全て良くて歌詞も良かった。
エンドロールの最後の字幕のメッセージは無くても、その事は作品を観ながら十分に伝わって来ました( ´∀`)
感動も共感もできない。
つまらなかった。しかも曲も好きじゃなかった。
果樹園とか維持費どうするの?
果樹園で悩んでる子供救えるの?
上部だけ取り繕った空っぽな映画って感じでした。
チョボンスキー印のミュージカル
チョボンスキー監督の前2作品が好きで鑑賞しました。
やはり、普通のミュージカルと異なった作風でした。
私としては、好きな方です。
ジュリアン・ムーアの歌が聴けるだけでも良いです。
アマンドラ・ステンバーグは注目度満点な存在です。
ほぼ吉本新喜劇
浪花節の人情話である。ほぼ吉本新喜劇だ。本作品と似たような芝居を観たことがあるような気がする。それほどベタなドラマなのだ。
役者が自分で歌っているのかどうか解らないが、とりあえず歌は上手かった。しかしそれだけだ。曲のよしあしは不明だが、歌詞は陳腐でこちらが恥ずかしくなった。はっきり言って歌はなかった方がよかった。歌をなくして無駄なアップなどを削って時間を半分にしたら、吉本新喜劇よりは少しはマシになったと思う。
ここ数年で観た映画の中でワーストワンである。やれやれ。
誰しも
誰かと繋がっているはずなのに
時にはそれを見落としてしまい
孤独を感じてしまうことって
誰しもあるのでは。
生きていると
いいこともあれば
受け止めれないかもと思う辛いこともある。
その感じ方の振り幅が
小さい人もいれば、大きい人もいる。
『でも、自分を覆い尽くしてしまうくらい大きく感じている哀しみも
時が経てばちっぽけなことに変わる。』
日常的に多忙の余り、
愛しているはずの息子の気持ちにゆったり寄り添えない
愛していることが上手に伝わらない
お母さんのメッセージに同感です。
誰しも人には見せていなくても
何らかの孤独や苦しみを背負って生きているのです。
また、SNS上で
簡単に同感したり
真実を知りもせずに相手を徹底的に批判したりする
群集心理に怖さを感じました。
エヴァンが時々高校生に見えないことと
映画で伝えた上での更なるエンドロールの最後のメッセージに
少し違和感を感じましたが
いい映画でした。
見事なふろしきのつつみっぷり
とっさのウソが引っ込みがつかないくらい大きな話になってしまった話だから、見ていて痛々しい。思春期の主人公の挫折と成長の黄金パターンに持っていくのにはちょっと無理があるかなと思って見ていたが、トニー賞を6部門もらっているだけあって、見事なふろしきの包みっぷりだった。
主人公に感情移入してしまうと、かなりつらいストーリーなんだけど、楽曲が素晴らしいから、ついつい明るい気持ちになってしまう。ミュージカルパートは文句なし。
裕福な専業主婦でSDGsを実践する余裕のあるゾーイの母親とシングルマザーでカツカツの生活をしているエヴァンの母親との対決は、女優同士の演技合戦でもあり見応えがあった。
ゾーイ役のケイトリン・デヴァーは、『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』からずいぶん化けた感じがする。歌もこんなに上手いと思わなかった。
なかなかの高評価!
なかなかの高評価!普通に喋ったら重いけど、ミュージカルスタイルがよかったね。
身近に悩んでいる友達がいて、そういう気持ちなんだってすーっごく理解出来た気がする。。。けど本人しか分からない部分もあるから、どのように接したらよいのか正直私も悩んでます。
それにしても、ネット社会やデジタル化は本当に怖いね。SMSを通したみんなの視線、スマホでスピーチを撮影する学生、聴衆。。。
(最初の緊張した所作をバカにしても撮っている、歌声で想いを伝える姿も撮っている。。。結局どちらも撮っている。映像での捉えられ方で称賛されたり、中傷されたり。。。当事者が傷ついても。。。終わらない。)
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2回目を観に行きました。
サウンドトラックで歌を聴いて、歌詞の意味を理解して再び観るとストーリーは分かっていても皆んなの気持ちがよく理解できるね。
プラットの歌声とエヴァンの嘘に包まれて過ごす至福の2時間。
予告映像に感動させられたため映画館へ足を運んだ。
ミュージカルとしては全米で社会現象にもなった名作とのことで、元々期待値は高かった。
ストーリーはシンプルでわかりやすい。友人では無かった人間が死に、その家族から親友と勘違いされて「親友だった」と嘘をつき、嘘は徐々に肥大して本人でも止めることができない領域に達する。その嘘をどう扱うかでいろんな作品が生まれるわけだが、本作は——。
心に病を持ち、コミュニケーションが苦手なエヴァンの孤独が序盤から心に刺さる。つきたく無かった嘘をつかざるを得ない状況に追い込まれたエヴァンに気の毒な感情を抱いていたが、徐々に嘘を当たり前のようにつき始めた時は少し心が痛かった。だけれど、終盤のエヴァンの行動は、明らかに彼の成長を証明していた。
本作で避けて通れないのは、歌だ。映画でもミュージカル調に仕上がっていて、とにかく歌が多い。突然歌い出すものだから映画としてではなく、ミュージカルとして鑑賞した方が違和感なく楽しめると思う。
特に主演のベン・プラットはミュージカルで初代エヴァン役を勤めた実力の持ち主。最初に歌うのが彼なのだが、「うっま」と声が出そうになった。しかしそれも束の間。数秒後には聴き入って心ここに在らずだった(いや、あったのだけれど、他のことを考えられなかった)。
終始、素晴らしい歌声を披露してくれる。
総じて素晴らしい出来だった。特にエンドロールの後に流れたメッセージがこの作品の本質であり伝えたいことなのだろうと、得心がいった。ぜひ最後まで座席に座っていて欲しい。
気持ちが落ち着かなかった。
エヴァン・ハンセンの孤独感があまりにも大きかったことが
ひとつの勘違いが嘘につながり、後に引けなくなってしまいました。
家族に対しても友達に対しても、今までに味わえなかったことが
感じられるようになり、夢見心地になりました。
人は誰かと繋がっていないと苦しくなります。
ただ、その気持ちは痛いほど分かるけど
物語が進むにつれ、心のどこかが落ち着かない状態で観ていました。
何もかもOKにはならないけれど、何とか物語は着地できました。
少し気持ちが落ち着かないミュージカルって珍しいかなと思います。
友だちの支えがなくたって、君は一人じゃない
思いやりのためについた嘘から始まる物語。
自己嫌悪ばかりの日々を過ごしていたエヴァンにとって夢のような人生を突然手に入れたことに戸惑いながらも幸せに浸るところからどう着地させるのかと思いましたが、前向きなラストに好感を持ちました。
息子を失った母親をはじめとする家族を傷つけないためについた嘘の物語は、エヴァンが本当は求めていたことで、もしも本当にコナーとエヴァンが友達になれていたなら、きっと違う未来があっただろうと切なく胸が締め付けられます。
心の病を抱えた少年やその家族、一見そうは見えなくても実は孤独を感じる多くの人々など様々な心情が描かれており、共感できることがたくさんありましたし、素晴らしい楽曲も相俟って心に響きました。
エヴァンの嘘から始まる物語であることから、終始観てる私にも後めたさや不安があるので、ある意味素直に感動しきれない部分があったり、ハッピーで賑やかな王道ミュージカル作品ではありませんが、優しさと直球のメッセージを込めた素敵な作品だと思います。観て良かったです。
評価は割れると思う…。
今年184本目(合計248本目)。
お話のテーマとしてはすでに書かれている方とほぼほぼ同じになるので省略します。
確かにこの映画、そういう経験をしたことがある方とない方とで、やはり見方は違ってくるのかな…と思いました。
個人的には、かなり重い話題であるにも関わらず、踊って歌って…踊ってはしませんが…歌って返すというのが気持ち悪いというか、こういう趣旨の映画と見なきゃいけないのか…という点が非常に気になりました。ただ、歌が持つその独特な魅力というか、歌でないと伝えられない気持ちというのも、またあることは事実です。
重複している点も結構多いですが、以下のように評価しました。
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(減点0.5) この映画、エンディングクレジットの中で「精神的に孤独に感じているかたは、電話 xxx-xxx-xxx にかけてください」的なものが出ます(その部分は具体的に出る。もちろん、国外局番とかは補わないといけない)。もちろんエンディングクレジットなので翻訳されていません。
最後にやはりまとめとして「精神的に孤独に感じる方は、周りの人や行政のサービスに頼ってみましょう」という趣旨のメッセージが流れます。
前者の電話番号はおそらく存在するもので(存在しなかったら、エンディングクレジットに出す意味がない)、おそらく「アメリカ版いのちの電話」の類なのだと思います。もちろんこの映画を見て孤独に思っっている方がそこにかけるのか…という問題もありますが、「あの、映画観たんですが…」とか言われても「何の話ですか??」ということになるのは当然です。
※ そんなに長い電話番号でもなかったはずなので、2人くらいでいって、左側と右側とで暗記すれば暗記できる範囲でしょうね(逆に、日本でいう110みたいな3桁番号でもなかったので、そういう「常識的な番号」ではないのでしょう)。
一方で日本では一応、「いのちの電話」はありますが、コロナ問題でいわゆる派遣切り等が起きている中でつながらないことがたびたび報道されていて、また「いのちの電話」程度であり、行政(ここでは、地方行政を想定)が何か「困ったことがあったら(常識的な時間帯に)いつでも電話してください」というようなものは聴いたことがないですし、メールサービスもないですし、せいぜい、無料生活相談会くらいなんかじゃないか…と思うのですが、「孤独」に重点を当てたサービスというのはなかったかと思います。
すると、日本ではそういうサービスが常識になっていないのであり、また「孤独な人」というのは、換言すれば「話し相手がいない」のであり、その状況であの部分だけ翻訳されても、じゃ、実際にどうするの??って言われるとうーん…という部分はあります。
要は「日本と大きくサービスや常識に乖離があるのに字幕だけ出しても意味なし」状態なのであり、この映画は結局全部ここに繋がるので(もちろん、不適切なSNSの使用といったところも主題となりうる)、その部分が弱いと、結局「じゃ、日本でそう思う人はこの映画から何を学べばよいのか…」という点がまるで不明になってしまいます。
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自分が想像しているより言葉は人それぞれ全然違う解釈があったりその子...
自分が想像しているより言葉は人それぞれ全然違う解釈があったりその子にとっては心を傷つけられたと感じちゃうこともあると思った
あとみんな同じように1人は怖いよね
世界一自分を甘やかしてくれる自分を大事にしよう
嘘を受け入れられず
ストーリーの軸となるエヴァンの嘘が
どうしても納得できなかったので、
常に不信感をもちながら鑑賞するハメに…。
音楽とメッセージ性は良かったのにもったいない。
誰かを思っての嘘なら許せたかもしれないけど、
自分を守るための嘘としか思えなかったし、
故人を冒涜するようなやり方に絶句。
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