「エヴァンはそんなに悪い子だろうか?」ディア・エヴァン・ハンセン M.Sakaiさんの映画レビュー(感想・評価)
エヴァンはそんなに悪い子だろうか?
映画館の宣伝で知り、曲はもちろんのことストーリーを調べると絶対好きなやつだと確信。楽しみにしていて観賞。
原作の舞台、NYに居るうちに観に行きたかったなぁ…。
ネタバレはむしろ積極的に観賞前にチェックするが、とにかくエヴァン君を責める意見が多い。グレショ好きには合わずララランド好きに合うかもという意見も…?
何ですと…グレショは人生で一番好きな映画、ララランドはワースト5に入るほど嫌いな僕が通りますよw
ほぼ貸切状態で妻と観賞。
結果、大のグレショ好きだがこの映画は「そこそこ好き」という…
まずレビューでエヴァン君がボロクソに叩かれているので、観賞前はよくあるティーンの承認欲求のためよく知らない子の死を利用してしまった感じなのかと思った…ら、全然承認欲求とか無いじゃんこの子…
ゾーイに振り向いてほしくて、かと思いきやそうでもなく、脚本上のことはわからないが、表情を見る限りエヴァンが欲しかったのはコナー君の両親では?
コナー母に抱き締められると本当に嬉しそうに抱き返すのがかわいいw一瞬しか映らないがクズ過ぎる実父へ何度も健気なメッセージを送ってて、コナー父は最初よくある金持ち家庭省みない系かと思いきや、ゾーイとも上手くやっており、コナーに向き合おうという気もあったようで、そりゃエヴァン君こんなお父さんが欲しかったってなるよね…
普通に思いやりで吐いた嘘だったし、暴力的なコナー君が親友になってくれる妄想はエヴァン君自身も癒したようで切ない…
コナー君、エヴァン君に絡んだ二回目はちょっとやっちまったというか、こんな態度だから嫌われるんだって自覚があるような表情をしたよね。
コナー君の方も勇気を出して話しかけてみたし、名前書いたのだってちょっと友達になりたい気があったのでは…コナー役の人ダンス上手いなぁ。いかにもアメリカのいじめっ子顔なのに偽メールの内容を楽しそうに歌うのは良い演出。
ベンプラット、生歌が上手いから本当に歌が上手いんだな。それでいて大物プロデューサーの息子。そんなチート白人のアメリカ人が、ここまでビビりのコミュ障をきちんと演じられるのがすごい。
嗜虐心をそそられる良い怯えっぷりw老けすぎwという意見もまあわかるし、好みの顔ではないが表情と首周りの動きが絶妙で段々可愛らしく見えてくる。
バズりと叩かれが思ったほどでないのはご都合主義感ある…が、誰かが亡くなった途端皆その人の友人を名乗り始めたという実話が元になっているので、ロッカー前の自撮りや枯れていく花とかのやるせなさがメインなのかもという気もする。
曲の良さは誰もが認めているが、もう本当にグレショのThis is me やA million dreamsとかもだが、You will be found、なんでこんなに歌いやすく盛り上がりやすくかつ切なげな良い曲なの?w何か人に刺さりやすい曲のパターンがあるのではないかと邪推するほど、素直に良い曲過ぎる。
設定と歌はよく出来てるのに、細かいところがご都合主義なのはグレショにそっくり。演者が魅力的なのも同じで、違うところは設定上仕方ないとはいえ、ダンスが足りないところ。コナーのダンスはとても良かったけど、あまり死人が元気に踊り続けても変か…w
ちょっと地味な部分詰めが甘い部分はあったが、僕は概ね好きです。