「泣ける!のになんか違和感。でもこの監督さんやっぱ好き!」ディア・エヴァン・ハンセン 星のナターシャnovaさんの映画レビュー(感想・評価)
泣ける!のになんか違和感。でもこの監督さんやっぱ好き!
ブロードウェイで大ヒットしたミュージカルを
舞台のオリジナルでも主演していたベン・プラットが
圧倒的な歌唱力で映画版でも主演しています。
最初に予告編を観たときにハイスクールの話と知って
ブロードウェイでも最近はスクールカーストや
人種、LGBT差別などを取り上げた作品が多いので
その系統のお話かと思ったら
もっともっと繊細な「生き辛さ」の話でした。
主演のエヴァン・ハンセンは
見るからにひ弱な空気感の青年だけど
彼の周りの一見リア充に生きてるように見えてた学生たちも
何かしら苦しいものを抱えていて
それは見た目だけでは解らない。
だからエヴァン・ハンセンの言葉に
みんな共感していくのだけど~~
主演のベン・プラットの唄が凄いです。
アメリカの好きな声質とでも言うのか気持ちが良い!!
流石にブロードウェイ!人材が豊富ですよね。
で、映画の中で自死してしまう青年の母親を演じる
エイミー・アダムスの圧!!
息子を思うあまり、自分の望む答えを
エヴァンから引き出そうとする母親の圧!
エヴァンが本心を言えない空気にしてしまう。
結構泣いてる方も多かった。
若者の自死と言う深刻なテーマでもありますが
そこから人はどうやって立ち直って行くのか?
その過程も丁寧に描かれた救いのある映画だと思います。
で、月に8本ほど映画館で映画を見る中途半端な映画好きとしては
いいですか!主人公は高校生なんです。
でも主演のベン・プラット、唄は最高なんだけど
18歳に見えない(笑)
実年齢は28歳だそうです。
舞台ならばそんなことはよくある話だし、
映画でも「グリース」とかね、
ジョン・トラボルタは幾つだったよ!(笑)
なんてのもあったんですが
今回は同級生役が比較的、
役の年齢に近い役者さんが多かったので
アップの多いベン・プラットだけが
どうしてもおっさんに見えてしまって
そこがちょっとコメディーっぽく感じてしまった。
それと、この映画は「ミュージカル映画」なんだろうか?
まず、ダンスシーンがほとんどない。
前半でエヴァンの回想シーンとしてちょこっと出てくるくらい。
それはまだ良しとして、みんな唄が上手いし
曲もミュージカル楽曲「ラ・ラ・ランド」や
「グレイテスト・ショーマン」を手掛けたメンバーなので
間違いなくいい曲ばかりなんだけど
なんだろう?全体に漂う何となくの違和感~~
何人かの映画好きの方が指摘してますが
人間のドラマとしてはなんかいきなり歌い出す
ミュージカル独自の世界観がどうも逆効果だったり
ミュージカルと言うのなら華やかなシーンが少なすぎる。
そのあたりにはちょっと目をつぶって、
私の大好きな映画「ワンダー 君は太陽」の監督
スティーブン・チョボウスキーの作品として観ると
ハリウッド的なハッピーエンディングでは無いけど
心がやはりホッとする~~
兎に角、素晴らしい歌声をぜひ映画館で!!