「陰キャ高校生のセラピー映画」ディア・エヴァン・ハンセン kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
陰キャ高校生のセラピー映画
始まってすぐにエヴァン役のベン・プラットの歌声に度肝を抜かれた。ささやくような声であんなに伸びがあって、澄んでいるなんて!さすがにブロードウェイでヒットしたミュージカルで主演を続けていただけのことはある。本職の底力見せてやる!って気合を感じた(個人的な妄想だけど)。
自殺した同級生の親友だったと嘘をついた陰キャの高校生が周りの人たちを変えていくって話なんだけど、今一つ気持ちが入らない。歌がいいのはもちろん、話の展開も悪いくないのに。高校生でセラピーに通ったり、向精神薬を飲んだりしている生徒がそんなにいるって状態が日本にいるとリアルに感じられなかったからかも。いや、そもそもエヴァンのついた嘘にあまり共感できなかったからなのかもしれない。「優しい嘘」というより、陰キャが自分の意見をハッキリ伝えられなかったからついた「弱気な嘘」に思えてしまう。
それでも、メンタルの問題を抱え、孤独を感じている若者が多いとするならば、こういう映画は必要なんだろう。現代的な映画だなと思った。
ちなみに話の筋とはまったく関係ないが、エヴァンの部屋にベン・フォールズとレディオヘッドのポスターが貼ってあることに気づいてしまった。どちらも大好きなアーティスト・バンドなのでとっても驚いた。アメリカの陰キャが聴く音楽なのか!妙に納得!
コメントする