「白黒つけない」ディア・エヴァン・ハンセン やきすこぶさんの映画レビュー(感想・評価)
白黒つけない
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傷付く事に怯えるエヴァン、失敗を恐れます。
エヴァンにとっての失敗とは、人の期待に応えられない事なんじゃないかと思うの。
悪く言えば極度に人の顔色を伺う、良く言えば人の気持ちに対して敏感。
そんなエヴァン、あの状況では彼の性格だと、嘘をつかざるをえなかったと思うんです。
彼の嘘で明るさを取り戻すコナーの家族、そして彼の言葉に勇気を貰う人々。
彼は嘘を続けなければならなくなります。
これを彼の優しい嘘と見る人もいるでしょう、一方で彼のエゴが嘘をつかせていると見る人もいるんじゃないかな。
この線引きは難しい、エヴァン自身にも分からないだろうし、どちらの要素も有るのだと思う。
簡単に白黒つけられるものじゃないと思うの。
そして、この映画のコナーの家族は、エヴァンの嘘に白黒をつけなかった。
赦せない部分は残っているのだろうけど、それでも赦せる部分は赦した。
これで、エヴァンは自分の意志で前に進み易くなったと思うんです。
それでね思ったんだけど、今の世の中って、他者が白黒をつけ過ぎてんじゃないかな。
結果として、本人が白か黒かを考える機会を、減らしちゃってる気がするの。
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