「途中から観るのが辛い。」ディア・エヴァン・ハンセン akimiyaさんの映画レビュー(感想・評価)
途中から観るのが辛い。
歌は素晴らしい。
サントラ聞きながら情景を反芻しています。
事前にあらすじを調べなかったため、予告映像とのギャップがすごかったです。
途中から観るのが苦痛になりました。
主人公が真実を話さない(話す勇気がない)ばかりに、周囲の人がハリボテの幸福で満たされていく様は胸糞映画にも似た苦しさを覚えました。
このハリボテ建築タイムが1時間半以上あります。あえてそのような構成にしたのでしょうが(辛くて)観てられない。
また、この映画の1番のメッセージであろう「君は1人じゃない」に関しても、主人公に対する心象が悪いせいか、非常に空虚に感じられました(いや、あなた嘘つきじゃん!が頭の中から離れませんでした)。演者がカメラ目線で繰り返し「あなたは1人じゃない」を繰り返し歌うのも非常にくどかったです。
終盤で真実が明るみになり、主人公の抱えていた罪悪感が少しずつ清算されていきますが、ついてきた嘘がデカすぎて、1時間半以上嘘つきを観ていた側としては「それでトントンか?」と思いました。
エンドロールにおいても「1人で悩まずに。こちらへ連絡ください(連絡先)」とあるように、やはりこの映画のテーマは「あなたは1人じゃない」ということでしょうが、私からすると「嘘つきはこうなる」のをただひたすら見せつけられたように感じました。
ただ一方で、観賞後しばらく考えていると、主人公が嘘をついたのは果たして間違いだったのか、嘘が主人公を含め、大勢の救いになっていたことを思い出し、脳が軽くバグっています。あの嘘はその時の最適解だったのか、と。
苦しくもありましたが、もう一度俯瞰で観て、深く考えようかと思います。
はじめまして。
わたしも概ね同じような感想を抱き、エヴァンの大きすぎる「嘘」が最後まで許せずモヤモヤが残ったのですが、akimiyaさんの「あの嘘はその時の最適解だったのか」のあたりを読んで、わたしも気になり始めました。
家族の自死の渦中にいるものとしては、その時はそれにすがることで心を守れたのかもしれませんね。