「最恐の二人羽織型アクションホラー(医療系)」マリグナント 狂暴な悪夢 カールⅢ世さんの映画レビュー(感想・評価)
最恐の二人羽織型アクションホラー(医療系)
この映画の途中で、昔よく、女性セブンとか週刊女性の中吊り広告で、【赤ちゃんのお腹の中にもう一人の赤ちゃんが!!!】とか【少女のお腹の中に髪の毛や歯が!】とか、購買意欲を掻き立てるホラー的な見出しがよくあったのを思い出しました。
胎児型奇形腫。
ブラックジャックのピノコも。
ホムンクルス神話も。
Vanishing twins なんていうのもある。
奇形腫の神経成分に対する抗体が自分の脳組織を攻撃する病気(抗NMDA受容体脳炎)なんてのもあり、精神異常をきたすので、奇形腫が宿主を操る多重人格的な殺害シーンもまずまず納得できる。
ホラー映画は突拍子もない設定やモラルやタブーにユルい内容が目立ちますが、双胎、先天性奇形腫にヒントを得て作られたと思います。レイプによる10代の出産、虐待、養子問題、DV などを織り交ぜ、なかなか毛色の変わった斬新なホラーで楽しめました。
奇形腫に人格と意思を持たせ、超自然的パワーを授け、切除に係わった外科医などの医者、養子に出された先の妹への報復。それを妨害する警察官(とくにイケメンの若い刑事)とのバトル(背中合わせの二人羽織)が気持ち悪くて、見応えがありました。
武器が外科医が表彰されたトロフィーみたいなものの一部の剣であったのもなかなかでした。
チャーミングなメガネ女子の鑑識係も好みでした。美人さんの出演が多くて、とても得した気分。主役の美人さんの目の演技がセクシーで、ゾワゾワ。丸顔の妹シドニーも性格良くて、キュート。
エミリー(のちのマディソン)のカルテ資料や冒頭に流される手術映像がなかなかキショくて良かったです。時代を感じさせるVHSビデオ資料。
最近のCGを多用したアクションの破壊力は半端なくて、即死級のダメージでもなかなか死なない傾向にはリアリティーの観点から不満がありますが、ホラー映画の場合は許しちゃいます😅
最後は母親が奇形腫の双子の兄(ガブリエル)に心から謝ったことで、母親を許し、妹にとどめを刺さずにササッと終わってしまい、私たちは血がつながっていなくても本当の姉妹よね(最近お馴染みの疑似家族の絆)で大団円なのはかなり不満でしたけど。
奇形腫に名前付けるか?
奇形腫はマリグナント(悪性腫瘍 cancer)と言われ、切除されたことが不満だったのでしょうけど、養子に出されたメアリーの怨念と合わせると複雑だねぇ。
ラジオはSONY、車は外科医の先生のも、妹のもTOYOTAでした。あの妹とプリウスでデートに行きたいな~